御手洗は、自分の部屋でいつも通り目を覚ます。今日は11月23日。門倉と朝から秋祭りに行く約束をしている日である。
竹 全体的に言葉を淡々と返すようになるかも
竹 目はずっと虚ろ
塵 お祭りに来ました。
「りんご飴、買ってくる」
「……私も行く…。」
店員はモデルかと思うほど、顔立ちの良い人物である。頭にタオルを巻いてはいるが、屋台の店主のようには見えない。
『いらっしゃい、何をお買い求めかな?』
飴を買いに来た門倉と御手洗に向かって、店員は愛想のいい笑みを浮かべながら、陽気な声で尋ねてくる。
塵 アイデア振ってください。
竹 アイデア65で振ります。→32成功
今朝、見た夢の男と話をしていた相手と同じ声だと気付く。
御手洗が黙りこくっていると、門倉が口を開く。
「何か知ってることがあるなら教えてくれないだろうか。」
そこで突然、御手洗の視界が真っ黒に塗りつぶされる。そのまま、御手洗の意識は途切れてしまった。
チュンチュンお祭り
「りんご飴、買ってくる」
「…私も行く。」
店員はモデルかと思うほど、顔立ちの良い人物である。頭にタオルを巻いてはいるが、屋台の店主のようには見えない。
『また来たね、今回はどうする?』
どこか面白がっている様子で店員は店先に立っている。
『ねえ、君はどうしたいの?』
ニィッと笑って御手洗の方を見る。どこか不気味な笑みを浮かべている。
「…………生きて帰りたいです、門倉君も、私も……。」
店員は、「待っていました」とばかりにニヤリと笑って、飴でコーティングをする前の果物が入ったカゴを御手洗達に差し出してくる。
『出来る限りの範囲の事はさせてもらうし、アドバイスだってするよ。だから、諦めずここから脱出すれば良いよ』
質問されるのを待つように、御手洗とカゴの中の果物を見比べながら視線を合わせて訴えてくる。
竹 カゴの果物見る。
カゴの中には、桃と柘榴と林檎が入っている。どれも瑞々しく、もぎたてのように見える。
塵 1D8振って果物の数を決めよう。
竹 1D8×3回→2(桃),1(柘榴),6(林檎)
『シンセンだよ。これは、特別なものなんだ。』
店員は笑って、意味深に言葉を付け加えた。その言葉の真意を語る気がまるでないことは、その笑顔が物語っている。
「……これ、食べていい物、なんですか…?」
『うん、1種類"は"『帰る時』に食べる用。食べるのは、門倉クンだけにしておく事を推奨するよ。ヨモツヘグイって怖いだろ?詳細とか使い方は自分で調べてよ。』
「…食べない物もあるんですか?」
『まあ、その果物は特別だからね。それ自体が力を帯びているってこともあるのさ。あとは神社でツクヨミが待っているから、会いに行けばいいよ。』
竹 ・桃は投げればいいの?
・門倉が食べるのはザクロなの?
・リンゴは食べない方がいいの?
『そこまで言う義理はないし、そんなの面白みがなさすぎるでしょ。』
竹 コロスゾォ!
店員はどこかスッキリした顔つきをしているように見える。
『そろそろ店仕舞いだ。さあ、行った行った!』
屋台の裏にある路地を示して、進むように促す。
「……進むしかない…。…やってみるしかない…、行こう、門倉君。」
「あ、ああ…。行こうか、御手洗…。」
御手洗は門倉の手を引いて進んでいく。
路地奥の神社は、酷く寂れており最低限の設備しかない。先程、訪れたばかりの秋祭りを行っている神社が随分と賑やかで多くの人が参拝している姿を見た後だからだろう。余計にこの質素で、人気がない境内に寂しさを覚えた。
敷地内には、拝殿の他に申し訳程度の立て看板が設置されているのみである。また、拝殿の手前に面を付けた和服の女性が立っている。女性は炊き出しを配っているようだ。
御手洗と門倉は違和感に気付く。拝殿の障子が僅かに開いていた。拝殿に近寄ると、急に日が落ち辺りは暗くなる。景色は、夜になってしまった。
「く、暗くなった、な…。」
「…そう、だね…。何かが起こりそう…。」
塵 しかし何も起こらない。
竹 そういうこともね。
塵 拝殿の中見たいでしょ~?うん、見た~い!
竹 見る。
中に入れば一人の男性が中央に座っていた。眉目秀麗という言葉が頭に瞬時に過るような、とても美しい外見をしている。その男の顔に御手洗は見覚えがあった。門倉を救う為に力を借りたツクヨミである。
「……ツクヨミ、さん……」
『(何か言葉を待つようにじっと御手洗を見ている)』
御手洗はツクヨミに深々と頭を下げ、絞り出すように言う。
「……今度はちゃんと、二人で…元の生活に戻りたいです…。…お願い、します……。」
御手洗の言葉を聞くと、ツクヨミは静かに頷く。その途端に神社だと思っていた景色がぐにゃりと歪む。御手洗は、自分たちが神社ではなく坂道の途中に立っている事に気が付いた。
御手洗は思わず門倉に身を寄せようと門倉の方を見る。
門倉は視線を逃れるように御手洗から顔を背けている。見れば手足や首に包帯が巻かれ、顔の半分も白い布に覆われていた。最初の秋祭りの日の夜に集中治療室で眠っていた門倉の姿そのものである。
『黄泉の国から出るならば、坂を下り門から出ると良い』
ツクヨミは御手洗にそう告げた。坂の下の方を見れば確かに門が存在している。
御手洗はツクヨミの言葉に従い門に向かって歩き始めた。しかし、門倉は動こうとしない。
「…門倉君。」
「御手洗。俺はすでに死んでいる。」
「たとえ現実へ戻れたとして、肉体の損傷が激しいことも知っている。」
「この黄泉の世界を、こんな身体で無事に出られるのか…。出られたとしても、この先どうなるのか…、」
「分からないんだ。俺には。怖いんだ…御手洗…。」
門倉をよく見れば包帯の下は酷く焼けただれ腐敗し表面には蛆が這っている。変わり果てた姿を目撃した御手洗は門倉が正しく死人であることを理解する。SANc 1/1D4
竹 SANチェック→67失敗
竹 1D4→3減少
「っ……。……それでも私、門倉君のいない世界を生きるなんて…そんなの、無理だよ…。」
「…それに、ほら…ねえ、もし…治らなくてもさ…。……お揃い、だから…。…嫌、かなあ…?」
門倉の手を自分の火傷跡に沿わせて笑う。
「…。」
少し泣きそうな顔で火傷痕を撫でる。
「…大丈夫、きっと大丈夫だから……二人で生きよう、ね?門倉君…。」
包帯だらけの門倉を優しく抱きしめる。
「…っ!き、たない、だろう…。離れるんだ…!」
蛆がつくのを気にして、御手洗を押し返す。
「汚くなんかないっ……門倉君は門倉君だもん……。」
「み、たらい…。」
「…あ、ねえ門倉君、これ…食べて。」
門倉にカゴに入っていたザクロを渡す。
「さっき貰った、柘榴…?」
門倉は柘榴をひとかじりした。
「うっ…!か、はっ…ぁ……くぅ…っ!」
突然胸を抑え、座り込んでしまう。息が詰まり、とても苦しそうにしている。
「っ……」
ショックで叫びそうなのをこらえる。
門倉を見ると、肌の傷がみるみるうちに治っていく。皮膚が凄まじい速度で再生していき、元通りになっていく。
「わ…!すごい…!」
「ぁ…はっ、あ……ゲホッゲホ」
身体が完全に元に戻ると、門倉は苦しそうに咳き込んだ後、息を整える。
「だ、大丈夫…?門倉君…」
門倉に駆け寄る。
「は…ぁ……。み、御手洗…。」
「血圧、と…心拍数の上昇と、胸部の…、激しい、痛みがあった…。なんだったんだ…?あの柘榴は…。」
竹 包帯の下とかまでちょっと確認してみる。
塵 完全に綺麗。
「よかった……元に戻ってる…!」
思わず抱き着く。
「…あとは、無事にここから帰るだけだね。」
「ぁ、あぁ…。悪い、御手洗。たくさん、世話をかけてしまって…。」
顔つきがだいぶ穏やかになり、御手洗を抱きしめ返す。
「この柘榴…一つしかないんだな…。御手洗の傷も、これなら、治せるかもしれないと思ったんだが…。」
残念そうに呟く。
「いや、しかし…、先ほどのような痛みを、御手洗に味わわせるのは…。」
独り言のようにぶつぶつ言っている。
「…!ありがとう、門倉君……でも…どちらにしろ、私はザクロを食べられないんだ…。そういう決まりみたい…」
苦笑いしてそう言う。
「そ、そう、だったのか…。すまない。余計なことを言ったな。」
少し恥ずかしそうに顔を赤くする。
「そんな、謝らないで…。……大好きだよ、門倉君。」
「……あぁ、俺は……御手洗が傍にいてくれて、幸せ、だな…。」
はにかむように笑い、離さないように抱きしめた。
「……そろそろ、行こうか。」
「ああ…、一緒に行こう。」
竹 門にもんもん
御手洗と門倉は、死者の世界から現実へと帰るために坂道を下っていく。しかし、その途中で女性の悲鳴のような叫び声が背後から追ってくるのに気付く。
あっという間に、その声の主は御手洗達に追いつき、鋭い青銅の槍の矛先を突き付けてくるだろう。死者の世界を守る鬼女《ヨモツシコメ》が黄泉の門から魂を出すまいと追ってきたのである。
完全武装した無表情の女戦士が、地面から浮いた状態で回り込み、行く手を阻む。その恐ろしい存在と相対した御手洗達。SANc 0/1D6
竹 SANチェック→89失敗
竹 1D6→4減少
竹 不定の狂気の内容1D10で決めます。→1(昏迷)
塵 門倉もSANチェックします。→成功
御手洗は気が動転し、門倉にしがみついたまま震えて動かなくなってしまう。
「御手洗!」
御手洗が気絶したのかと思い、慌てる。
「…あ……あぁ…………」
虚空を見つめ、力のない表情をしている。
「しっかりしろ御手洗…!一緒に帰るんだろう!」
御手洗の肩をゆすりながら必死に呼びかける。
塵 戦闘開始です。
塵 ヨモツシコメが一番DEX高いのでヨモツシコメから行動します。
塵 御手洗に攻撃します。→32成功
門倉が御手洗を狙っていることに気づいたので、なんとか避けさせようと御手洗の身体に手を添える。
塵 回避26×1/2=13で振ります。→12成功
竹 カッコヨスギィ
「危ない御手洗!」
御手洗を自分の方へ引き寄せて、華麗に槍を避けました。
塵 門倉の行動なので、精神分析31で振ります。→5クリティカル
塵 5クリ出したヮラ
竹 やっば
竹 門倉かっこいいぞ!!!!!
「…二人で生きよう!ひなた!!」
塵 1D4→4回復
「…!!……門倉、くん……?」
「!ああ、御手洗…。急に動かなくなるから、心配した。」
声を荒げたことに気づいて少し気まずそうに立ち上がり、御手洗に手を差し伸べる。
「立てるか?」
「あ…私、あの怪物を見て……それで……っ、そうだ、これ…!」
門倉の手を取り立ち上がってから、急いでカゴの中を漁りモモを取り出す。
「…えいっ!」
御手洗はヨモツシコメに向かってモモを投げつける。
塵 至近距離で投げるので自動成功になります。
モモが当たると、ヨモツシコメはその場から消え去ってしまった(小並感)。
御手洗達は更に坂道を下っていく。そして、たどり着いた門をくぐったところで突然、目の前が暗闇に覆われ天地が入れ替わるような不安定な気持ち悪さを覚えた。
『お前たちは、自分たちが助かりたいがために。神の供物に手を出したんだ。これから、どうなるか見物だね。愚かで浅ましくも、勇ましい人間よ』
頭の中に、男とも女とも子供とも老人ともとれない声が響く。全身を、甘酸っぱい果実の香りが包んだ。そして、完全に意識は、その香りを最後の記憶として途切れてしまうのだった。
御手洗は、知らない部屋で目を覚ます。日付を確認すれば、11月24日。門倉と秋祭りに行った翌日である。
部屋から出れば、そこが病院であることが分かるだろう。呆気に取られて廊下に立ち尽くす御手洗に気付いた看護師が声をかけてくる。
『起きられたんですね。昨晩、門倉さんの付き添いの最中に眠ってしまわれたんで、ベッドの方へ運ばせていただきました。』
『門倉さんの病室へ案内いたしますね。』
「……」
ぐっと息をのむ。
御手洗は、看護師に案内され門倉の眠る部屋へと訪れる。案内された部屋は集中治療室ではなく一般の病室である。
病室へ入ると、門倉は全身に包帯を巻いた痛々しい姿をしている。
「門倉君っ…!」
ベッドへ駆け寄る。
『ちょっと、びっくりしちゃったかもしれないですけど、見た目ほど傷も大したことなくて、跡も残らず綺麗に治る見込みですので、安心してくださいね。』
「…!本当ですか…!よかった……、本当によかった……。」
御手洗の声が届いたのか、門倉はうっすらと瞳を開けた。
「…み、たらい…。」
「秋祭りに、何回も行く夢をみたよ」
目を覚ました門倉は御手洗にそう告げる。
「……私もだよ、門倉君…。」
あの繰り返した11月23日は、自分だけの悪夢ではなかった。それでも、門倉が無事に生きている。あの繰り返した世界の中での選択に、後悔はないだろう。
御手洗はふと、門倉から果実の香りが一瞬、漂ったような気がした。その香りは、意識を手放す前に聞いた「神の供物に手を出した」という不穏な言葉と共に、記憶に刻まれた甘酸っぱい香りと全く同じ香りだった。
塵 おめでとうございます。シナリオクリア、トゥルーエンドです。
竹 えーーーーーーーーーーん
竹 泣いちゃった
塵 生還報酬 SAN値回復:2D3+1D2
竹 2D3+1D2→6回復
塵 やったね!門倉がつよくなったよ! POW+1D2 CON+1
塵 POW+2で12になった。
竹 ヨカッタネ……
塵 御手洗は、タコぬい:オカルト+1D3 美味しい棒20本:SAN値回復+1のどちらかを報酬として選んでください。
竹 タコぬいにする。→
塵 門倉は、ケモ耳カチューシャ:聞き耳+1D2を報酬で得ました。
塵 聞き耳+1で26になった。