あなたはゆっくりと目を開く。
薄暗くてよく見えないがしばらくすれば目が慣れてくる。辺りを見回しあなたはここが劇場ということに気がつくだろう。
そして、1本のスポットライトが舞台上に差される。照らされたのはそこに蹲るように座っている藤谷あまねだった。
狩(藤谷くんだ!藤谷くん劇とかするんだー)
あなたは藤谷の元へ行こうとするが身体は椅子に縫い付けられたように動くことが出来ない。
そんなあなたに声が届く。藤谷だ。
悲しい、悲しくない
辛い、辛くない
大丈夫、大丈夫じゃない
今にも泣きそうな藤谷の叫びだけが劇場に反響していた。
あなたはそんな最悪な夢から叩き起される。
自室に最大音量のアラームがこれでもかと鳴り響いていた。
色々起こったのでSANc(1/1d2)→失敗 1d2→2
狩「夢覚えてるなんて久しぶり!」
狩 アイデア→成功
今日あなたは藤谷と会う約束をしていることを思い出す。アラームは家を出るちょうど1時間前にセットしていた。
狩「(LINE)おはよ!」
藤「(LINE)おはよう…、今日の遊ぶの楽しみだね…」
狩「うん!」
あなたが待ち合わせ場所に着くと、藤谷が先に待っていた。
あなたが声をかけると藤谷は嬉しそうに今来たところだと言う。
藤「今日はどこに行こうか?」
狩「藤谷くんに負けちゃった…」
藤「遅刻してるわけじゃないから、大丈夫だよ。」
狩「藤谷くんどっか行きたいところある?」
藤「うーんそうだな…。僕、ゲームセンターとか行ってみたいな!あんまり行ったことないから…。」
狩「じゃあゲーセンいこ!プリクラとろー」
藤「プリクラかあ…!初めてだから緊張するな…!」
~ゲーセンに来た~
狩「とりあえず ufoキャッチャーとかしようよ!今日藤谷くんと遊ぶから、母さんがお小遣いくれた!
藤「今日に向けて、バイトでお小遣い貯めてきたよ。」
狩「今日ね、お小遣い1万円もらってきたから。」
藤「そんなにもらったの…!すごいな…。…でもゲームセンターであんまり使いすぎないようにしないとね。」
竹 UFOキャッチャーどうしようかな、DEX×3で
狩 DEX×3→成功
藤「あ、すごい!狩屋くん、上手だね。」
狩「とれた!やった!」
藤「僕もやってみようかな…。」
藤 DEX×3→成功
藤「あ、取れた。」
狩「すごい!これかわいいね。ぬいぐるみ。」
藤「うん、かわいい。…狩屋くんとお揃いのやつも取りたいな。
狩「これ欲しいの?じゃああげるよ、藤谷くんに。」
藤「え、でも…。狩屋くんと僕で一緒のやつ、1個ずつ持とうよ。」
狩「いいよ!じゃあ俺もやる、藤谷くんのやつ!」
藤 DEX×3→失敗
藤「取れない…。悔しいな。」
狩「200円なくなった」
藤「もう1回やる…!」
塵 狩屋。APP18だぞ。店員さんに取りやすい位置に置いてもらうんだよ。
竹 いいよ、それでバフかけても。 APP×5にしてもいいよ。
狩 APP×5→成功
塵 APPスマイル成功した
狩「お願いします!これ、どうしても取りたくて…。」
店員「あ、もう全然大丈夫ですよ。この辺に置いておきますね。」
狩「やった!ありがとうございます!やった、取れた。すごい、藤谷くんとお揃い!」
藤「また、家の見えるところに飾ろう…!」
狩「(ぬいぐるみをぎゅっと抱き締める)」
藤「(ぬいぐるみを狩屋のほっぺたにくっつける)」
狩「(びっくり)どうしたの?」
藤「なんか…やりたくなって。ぬいぐるみも…可愛いから。」
狩「じゃあ俺も…(藤谷の唇にぬいぐるみを押し当てる)」
狩「奪っちゃった!」
藤「…えー…。…それはちょっと、嫌だな…。」
狩「嫌なの!?…嫌がられちゃった…。」
藤「だって、キスって好きな人とするものじゃん。」
狩「ごめん…。」
藤「でもいいよ。そんなに気にしてないよ。」
狩「(藤谷くんおれのこと嫌いなのかな…)」
竹 そういうすれ違い方もね
藤「僕、カラオケにも行ってみたいんだ。あんまり歌とか知らないから、狩屋くんが歌ってるの、ほとんど見てるだけになっちゃうかもしれないけど…。」
狩「いいよ、行こう!」
藤「うん。…あ、プリクラ撮ってない」
狩「プリクラだけ撮りに行こう!どれがいいかな。透明感の出るやつとかがいいかな?」
狩「このね、ア〇ハルってやつね、カメラ動かせるんだよ、自分らで。」
藤「えー、すごい…これにしようか。」
狩「うん!」
狩「(ムービーを撮れる台にスマホを置き、撮っているところを撮影する。)
狩「(プリクラを撮りながら、ぎゅっと藤谷を引き寄せる)」
藤「(狩屋よりも更にぎゅっと引き寄せる)」
藤「あ、…目つぶっちゃったかな、今」
狩「ほんと?大丈夫!修正すればいいよ!」
藤「すごいね、修正って…。これはどんなものを書くのが普通なの?」
狩「なんか名前とか、今日集まった内容とか、女の子だと女子会とか書いたりするって言ってた!」
藤「じゃあ、僕たちだと男子会になるの?」
狩「…デート?」
藤「デート…っ……かあ…、」
狩「(『デート』のスタンプを貼る)」
竹 アイデアってもらおうかな。
塵 急に?
狩 アイデア→失敗
竹 楽しい!と思う。
藤「楽しいなあ、これ!一緒の思い出にしよう。」
狩「これ、スマホに貼る!」
藤「僕も…!」
狩「じゃあ、カラオケ行こう!カラオケ何時間入る?」
藤「あ、僕夕方…あの、コ〇ダ…シロノ〇ールっていうやつ食べたいから、それまでにしようか。ご飯はカラオケで食べよう。」
狩「(Pretenderを歌っている)」
竹 どれくらい上手く歌えたかDEX×5で!
狩 DEX×5→ファンブル
竹 じゃあめっちゃハウリングする。かつ、置いてあった水が藤谷にかかる。べしゃって
狩「ごめん藤谷くん、大丈夫!?」
藤「だ、大丈夫大丈夫。」
狩「ちょっと待ってて!(フロントに電話し)タオル、ちょっと貸してください。」
藤「歌ってると手当たっちゃったりするよね。大丈夫だよ、全然。」
狩「寒くない?」
藤「うん、平気。」
狩「髪も濡れちゃった…(ゴシゴシ)」
竹 じゃあここでもう一回アイデア振ってもらおうかな。
狩 アイデア→失敗
狩「マイクちょっと反応悪いかも?」
藤「あ、でも僕、もっと狩屋くんの歌聞きたいな。」
狩「じゃあ、もっと歌う!」
藤「今流行ってる曲とか、いっぱい教えて。」
狩「(L〇SAの炎を歌う)」
藤「これは何の曲なの?」
狩「さっきのは、鬼〇の曲だよ。」
藤「〇滅…あ、前見に行ったね。」
塵 個人的にはアイネク〇イネとか歌ってほしい
藤「(ずっとタンバリンをしゃんしゃんしている)」
狩「(V6の曲を入れ)母さんがDVD持ってるからね、振り付けもできるよ!(歌いながら踊る)」
藤「うわ、すごい!…狩屋くん、本当にアイドルみたい。かっこいいね。」
狩「あとは何歌おうかな?」
藤「あ、でも僕、あれは知ってるよ。パプ〇カ。紅白で見てたから…。」
藤狩「(2人でパプリカを歌う)」
藤 DEX×5→成功
藤「(上手に歌えた)」
狩「(パ〇リカも踊る)」
藤「(狩屋の見よう見まねで踊ってみる)」
~夕方、退店時間~
藤「狩屋くん、そろそろコメダだね。」
狩「うん!」
藤「(店から出たところで、狩屋の手を握る)」
狩「(手を握り返し)寒いね!」
藤「そうだね、最近寒くなって来たよね。」
狩「走ればあったかくなるよ!」
藤「でも、人の多い場所で走ったら危ないよ。…ゆっくり歩いて行こう。」
竹 アイデア振っとこう。
狩 アイデア→成功
竹 藤谷くんがいつもよりも明るい気がするなと思います。
狩「(楽しんでるな~)」
竹 いつもよりももっと楽しんでるなって気がする。
藤谷と狩屋は2人でカフェに入る。今もにこにこと楽しそうに話をする藤谷にあなたは違和感を覚えていた。
そんなことを知ってか知らずか藤谷は気になる話を持ちかける。
藤「3日くらい前に舞台を観に行ったんだ」
なんでもいきなり家に黒い封筒が届いたらしい。中を見ればチケットが1枚入っていて、何かに呼ばれるように劇場まで足を運んでしまったと言う。
藤「行く前にネットとかで少し調べたけど、HPみたいなものは全く見当たらないし、そもそもチケットに舞台のタイトル以外何も書いて無くて…。すごく楽しかったんだけど、なんだか大事な物も置いてきたような気がして……まあ、気のせいだと思うんだけど」
狩「感動したんだ!」
藤「うーん…それがちょっとどんな舞台だったか、あんまり覚えてなくて。」
狩「そうなの?じゃあ、2人でもう1回見に行こうよ。」
藤「でも、もうチケット持ってなくってさ。どこで買えるのかとかも、調べても出てこないからよくわかんなくて。でも、劇場は僕の家から近いから、これから行けるよ。」
狩「ほんと!じゃあ行ってみようよ!」
藤「うん。」
狩「なんて劇だったの?」
藤「え?…えっと、それもちょっと覚えてなくて…」
狩「そんなことあるんだ」
藤「舞台のタイトルはチケットに書いてあったんだけど、でもどんなタイトルだったか思い出せなくて。」
狩「写真、撮らなかったの?」
藤「うん。なんかチケット、長い方も短い方もどっちも回収されちゃってさ。」
塵 とりあえずこの後劇場に行ってみるよ、じゃあ
あなたが劇場に行きたいと伝えると快く藤谷は案内してくれるだろう。
藤「(再び手を繋いでくる)」
狩「(繋ぎ返す)」
店を出てあなたたちは先ほどよりも少し赤く色付いた街を歩く。
初めは大きな通りを歩いていたが、歩けば歩くほど藤谷は路地へと入って行く。
人けのない道を抜けるとそこには広い空き地があった。
藤「あれ、絶対ここだと思ったんだけど…なんでだろう。」
狩「1本道間違えちゃったのかな?なんか複雑な道通ってきたし。」
藤「ここまでの道ははっきり覚えてるんだけど…。ごめんね、こんなところまで連れてきたのに。」
狩「大丈夫だよ!」
藤「じゃあ…そろそろ暗くなってきたし、今日はもう帰ろうか。」
竹 引き返す途中、藤谷は妙なことを言い始める。
藤「あれ、僕の家どっちだったっけ?」
狩「道、忘れちゃったの?藤谷くん、今日疲れてるんじゃない?」
藤「そ、そうかな…。 でも、あの舞台を見てからなんだか気が楽になったような気がするんだけど…。」
狩「そうなの?まあ、今日元気そうだったもんね!」
藤「本当?うんなんかよくわからないけど、心が軽くなった感じがしててさ。…でも、ほんとに楽しかった、今日は。」
狩「おれも!また遊ぼ!」
藤「うん。またカラオケと、あとプリクラ撮ろうね。」
狩「約束ね!」
藤「うん!」
狩「(一緒に藤谷くんの家まで帰る。)」
あなたは家に帰って来た。
思い出したように時計を見れば20時を少し過ぎた頃だった。
探索者は今から寝るまでの間何をしますか?
塵 母親に、今日の劇場のことについて聞く。
狩「今日、なんかいそういうところがあるって言われたんだけど、何にもなかったんだけど、前はあそこ何かあったの?」
竹 じゃあまあ、それで劇場の名前が分かることにしよう。
狩「(劇場の名前で調べてみる)」
劇場のことを調べてみれば、HPよりも先に大量の事件や事故の記事が出てくる。
内容はこの劇場を使ったことがある劇団の役者が次々と死んでいるというものだった。同じ劇団員に恨まれ刺殺や撲殺、駅のホームに突き落とされるなど殺意のあるもの。舞台公演中に照明器具が落ち下敷きになった役者が死亡、夜まで自主練習をしていた役者が誤って舞台から落ち死亡などの不慮の事故。更には自殺まで、何十人もの役者が亡くなっていた。
1件2件だけではない、これだけ多くの事件や事故があれば当然気味悪がって客足も減るだろう。
結果今から十数年も前に劇場は取り壊しとなっていた。
竹 でも一応HPも下の方に出てきますね。
狩「(HPを見る)」
綺麗な劇場の写真が何枚かスライドで出てくる。
赤く柔らかそうな椅子が並ぶ座席は2階までありかなり広そうだ。公演情報もかなり前で止まってしまっているが月に何度も様々な劇団が公演を行っていた。
舞台が好きな人々に愛される素敵な劇場であったことがよくわかる。
竹 アイデア触れます。
塵 夢に出てきたのとどれくらい似てるかな?
竹 お、リアルアイデアですね。じゃあ振らなくても、朝見たおかしな夢の場所にそっくりだということがわかる。
あなたは調べれば調べる程出てくるおかしな話に頭を抱える。
藤谷はこんなところで何を観たのだろう。血なまぐさい話ばかりだが藤谷の言っていた、楽しかったとはどういう意味だろう。
あなたは情報だけを抱えて眠ることになる。
狩「(そんな複雑なことは考えてない)」
次の日あなたはインターホンの音で目が覚める。
ぼーっとする頭を無理矢理起こし玄関へ向かう。だが外へ出てみても来客の姿はない。代わりに郵便受けに真っ黒な封筒が入っていた。
狩「ママ、手紙届いてたよ。」
狩屋母「ちょっと今手が離せないから、中身も確認しておいて。」
狩「うん!」
封筒の大きさは長財布くらい。差出人の名前も更には
宛名も書いていない。
中にはチケットの半券が入っていた。もぎった小さい方ではなく、手元に返してもらえるあの長い方の半券。
・チケット
公演タイトル→演目『 × × × 』
公演時間→日付は今日、時間はお好きな時にと書いている
その他座席や出演者などの情報は一切載っていない。だが場所には心当たりがある。
狩「ママなんか変なやつだったよー」
狩屋母「ちょっと不思議だけど、昨日まさとが言ってた劇場のことじゃない?」
狩「うん。でも潰れてたよ?」
狩『(藤谷にLINEで)なんかおれのとこにも黒い封筒のチケット、届いてたんだよね、なんか千切ってあるやつだけど。この前言ってたやつ!』
藤『この前?僕何か言ったっけ』
狩『え、この前遊びに行ったとき言ってなかった?』
藤『知らない。僕そんなこと言った?狩屋くん、舞台に興味あるの?』
狩『ないよ!』
狩「(母親に)藤谷くん覚えてないって!でもおれ昨日言ってたよね?夢じゃないよね?」
塵 うーん。まあじゃあ、空き地だろうけど一回行ってみようってなるわ