【CoCセッション】『0Hzの声』


導入
いつものように貴方たちはリビングで共に過ごしている。
相ケ瀬巡
なあ、海行きたくね?
ふと思いついた様に、相ケ瀬がスマホをいじりながらポツリと呟く。
相ケ瀬巡
……なー、海行きてえんだけど。
そして、自分に訴えかけるように再び同じ言葉を繰り返す。
久々宇 賢作
急になんだよ、今は泳げねえぞ
相ケ瀬巡
泳ぐんじゃなくて、夜だよ、夜。
相ケ瀬巡
なんか3日後、この辺の海で流星群見れるらしいぞ
スマホの画面を見ると、確かに流星群が見れるのは3日後の日付だった。
日付だけを確認し終えると、彼はすぐスマホを自分のポケットへとしまい、貴方の様子を伺っている。
久々宇 賢作
ふーん…………お前そういうの興味あったのか
相ケ瀬巡
映えそうじゃん
久々宇 賢作
まあ、海に入らねえなら行っても良いな
貴方がその誘いを承諾すれば、顔には見せないが何処か嬉しそうに目を逸らす。
相ケ瀬巡
サンキューな。…あ、そういや3日後、昼間は友達と予定あるわ。夜現地集合でいいよな?
久々宇 賢作
ああ、良いけど……忘れて家帰んなよ?
相ケ瀬巡
んなことしねーよ。友達の車で海まで送ってもらうわ。
久々宇 賢作
なら安心だな。気を付けて来いよ
相ケ瀬巡
おう、ケンもな。
約束は3日後、それまで探索者は好きに過ごしてもらう。
約束の日
あれから3日後、貴方は約束された時間に海へと訪れた。
まだ流星群は始まっていないのか、静かな夜空が貴方を見下ろしていた。
だがひとつ気になる点がある、数分待っても相ケ瀬の姿が見えないのだ。
スマホを見ても連絡は無く、電話をかけても不思議と繋がらない。
久々宇 賢作
…………寝たか
数時間待っても相ケ瀬は現れず、貴方は諦め家に帰ろうと歩き出す。
相ケ瀬巡
…………ケン?
帰ろうと海から背を向けた時、後ろから声をかけられた。
いつの間に近くに居たのかと、驚いて後ろへと振り返る。
するとぐにゃりと一瞬視界が歪み、相ケ瀬の輪郭を捉える。
貴方は視界の歪みのせいでバランスを崩し、気がつけば相ケ瀬に抱き締められる形で支えられていた。
相ケ瀬巡
……なんで…………、…いや…………大丈夫か?……気ぃつけろよ。
そう言うと相ケ瀬は自分を支えていた手を離し、目を逸らす。
久々宇 賢作
…………ぁ、悪い……
SCCB<=33 心理学 (1D100<=33) > 85 > 失敗
久々宇 賢作
CCB<=60 目星 (1D100<=60) > 38 > 成功
目元が赤く腫れている、よく見たら隈も出来ており、ここ数日寝れていないのではと考えつく。
久々宇 賢作
…………顔酷いぞ、体調悪いなら帰った方が……
相ケ瀬巡
体調?…体調は……別に悪くねーよ……。
久々宇 賢作
ちゃんと寝てんのか?隈できてんぞ(顔に手を伸ばす)
相ケ瀬巡
……………………、……寝れてねえ…………。
久々宇 賢作
若いうちから夜更かししてると後に響くぞ。……なんかあったのか?
相ケ瀬巡
…………ケンが…………、………………いや…なんでもねえ……。
久々宇 賢作
…………は?俺?
相ケ瀬と何度か言葉を交わした後、何かを思い出したかの様に彼はあっと声を漏らす。
相ケ瀬巡
……そ、…そういや流星群、…まだ流れねーのな。暇だしその辺見て回ろーぜ。
そう言って貴方へと手を差し出し、照れくさそうに目を逸らした。
久々宇 賢作
(こいつ話題逸らすの下手だな)
久々宇 賢作
あ、な、んだよ……別に……いいけど…………(差し出された手に驚きながらも、おずおずと手を握る)
探索者がその手をとると、相ケ瀬は嬉しそうに、でもどこか切なそうに顔を俯かせた。
[探索可能場所] 
<海岸/浜辺/階段/道路>
♢海岸
凪いだ海が、揺らめく月明かりを映している。
そんな海を隣で眺めている、彼の呼吸音が酷く耳に残る。
そして相ケ瀬は何を思ったのか息を深く吸い、一言呟いた。
相ケ瀬巡
…………今日くらいは……素直で居るか。
そんな言葉を吐いた。
そして何処か寂しそうな目を、海から貴方へと目線を移し、逸らす事無く見つめた。
相ケ瀬巡
…なあ、俺の…………、
相ケ瀬巡
…………
久々宇 賢作
ん?どうした?
相ケ瀬巡
…いや、なんでもねえ…。
何かを自分に言おうとしたのか、口を開いたがすぐに噤み、再び相ケ瀬は海の方へと視線を戻した。
相ケ瀬巡
…………なあケン、……もし…………もしも、俺が死んだら…………ケンはどう思う?
久々宇 賢作
…………急に縁起でもないこと言うな(少し怒ったような声で咎める)
相ケ瀬巡
縁起でも………………、…………そうだな。………………ごめんな。
久々宇 賢作
…………お前が、いなくなったら……どうなるんだろうな…………俺、また塞ぎこんじまうかもな(自嘲気味に呟く)
相ケ瀬巡
………………。(今にも泣きだしそうな顔で俯く)
POW×1を振ってください。
久々宇 賢作
CCB<=14 POW×1 (1D100<=14) > 87 > 失敗
ぐにゃりと、視界が歪む。
目眩か何かかと、貴方は目頭を押え、目をつぶった。
そして再び開くと、そこは記憶にない施設の中だった。
貴方は動揺しつつ、ここは何処かと辺りを確認する。すると、視界の情報より先に手首に違和感を感じた。
腕を動かすと金属が擦れる音が鳴り、すぐに手錠をされている事に気がつく。
逃げないと。
咄嗟にそう思い、足を動かす。
しかしその行動さえ出来ずに、自分は床へと倒れ込む。
どうやら自分はこの部屋に身体を拘束され、監禁されていると考えつく。
逃げないと
逃げ出さないと自分は________
相ケ瀬巡
ケン?
はっと、相ケ瀬の声で意識が覚醒する。
慌てて周囲を確認すると、先程まで居た海に戻ってきている。
先程のは夢だったのか、嫌な汗が頬を伝う。
SANc(0/1)
久々宇 賢作
CCB<=69 SANc (1D100<=69) > 20 > 成功
久々宇 賢作
あ…………悪い、ぼーっとしてた……
相ケ瀬巡
…………大丈夫か…?
久々宇 賢作
ああ、もう大丈夫だ(安心させるように微笑む)
相ケ瀬巡
………………よかった。
♢浜辺
貴方達は手を繋ぎ、砂浜を歩いている。
手からでも伝わる相ケ瀬の心音がやけに煩く感じ、横に居る彼は何処か遠くを見つめていた。
相ケ瀬巡
…なあ、なんか握るの強くね?
相ケ瀬巡
……どこにも行かねーよ。
久々宇 賢作
え…………そ、そうか?悪い(慌てて離そうとする)
その言葉を聞き、貴方は咄嗟に手を離す。
どうやら自分は気が付かない間に、力強く手を握っていたようだ。
そんな自分の様子を見た相ケ瀬は、少し寂しそうに先程まで握っていた手を見た後、手を下ろした。
相ケ瀬巡
…別に、気にしてねーけど…。
相ケ瀬巡

相ケ瀬巡
……なあケン、
俺ら、どうやって出会ったか覚えてるか?
久々宇 賢作
あ?……俺がライブハウス通って……それで、ライブ終わりのお前に声かけて……だろ?
相ケ瀬巡
………………。
…………そっか……、……いや……、そうだったな…。
泣きそうな表情で、貴方の返事を聞いた相ケ瀬は力無くそう呟いた。
久々宇 賢作
お、おい、大丈夫か……?どっか痛いのか?
相ケ瀬巡
相ケ瀬巡
…………なんでもねえよ、…大丈夫…………。…お前は心配すんな…………。
久々宇 賢作
…………そう、か……
POW×1を振ってください。
久々宇 賢作
CCB<=14 POW×1 (1D100<=14) > 20 > 失敗
ぐにゃりと、視界が歪む。
目眩か何かかと、貴方は目頭を押え、目をつぶった。
そして再び開くと、そこは記憶にない街の中で、相ケ瀬と2人で立っていた。
どうやら自分達は何かを話している途中だった様で、自分は口を開いていた。
だが気になる点がひとつある、それは相ケ瀬の態度が素っ気ない事だ。
でも、自分自身こんな記憶は無い。
まるで知らない自分達を見ている、そんな気分だった。
相ケ瀬巡
もういい、もう知らねえ。
相ケ瀬巡
じゃあな、ケン。…もう帰んねーから。
そう言って、話していた相ケ瀬は去っていく。
自分は特にそれ以上声を出すことは無く、追いかける事もしなかった。
相ケ瀬巡
ケン?…俺の顔になんかついてるか?
はっと、相ケ瀬の声で意識が覚醒する。
慌てて周囲を確認すると、先程まで居た海に戻ってきている。
先程のは夢だったのか、嫌な汗が頬を伝う。
SANc(0/1)
久々宇 賢作
CCB<=69 SANc (1D100<=69) > 25 > 成功
久々宇 賢作
あ、いや……なんでもない
相ケ瀬巡
…なんか、ぼーっとすること多いな。考え事か?
久々宇 賢作
…………、……なんかさっきから、変な幻覚が……見えて…………
相ケ瀬巡
…………幻覚…………
相ケ瀬巡
……よくねーやつじゃねえといいけど…………。
♢階段
貴方達は道路に続く階段へと足を進める。
相ケ瀬巡
歩くの疲れたなー。ちょっと休憩すっか。
そう言って相ケ瀬は階段へと腰を下ろす。
久々宇 賢作
ああ、そうだな(ハンカチを敷いて隣に座る)
そして何処か落ち着かない様子の彼は、貴方が一緒に座った所を確認すると再び口を開く。
相ケ瀬巡
……なんかさ、家事とか買い物とかしてねえとさ、何話せばいいのか分かんねーな。
相ケ瀬巡
……一人の時は、ケンにあの話するかーとか、色々考えるんだけどな、俺。
相ケ瀬巡
……でも……今日は、……次ケンに会えたら…絶対言おうと想ってたから……これだけ言うわ。
相ケ瀬巡
…………俺は……、…………俺は
相ケ瀬巡
…………好きだ、ケン。
相ケ瀬巡
………………好きなんだよ……お前が
相ケ瀬巡
今にも泣きそうな顔で、そう呟いた。
久々宇 賢作
CCB<=14 POW×1 (1D100<=14) > 19 > 失敗
ぐにゃりと、視界が歪む。
目眩か何かかと、貴方は目頭を押え、目をつぶった。
そして再び開くと、そこは赤一色に塗られた部屋だった。
貴方は脱力感で身動きは出来ず、目を開き一点を見つめる事しか出来なかった。
嫌な程鼻にこびりつく鉄臭い匂いの先に居るのは、どす黒く、ずるりとうねり動く何か。
貴方はそれを理解____
???
駄目だよ
???
こんな記憶、知らないままでいい
何処か遠くで、そんな声が聞こえた。
久々宇 賢作
CCB<=45 アイデア (1D100<=45) > 81 > 失敗
相ケ瀬巡
…………返事、できねーか。
はっと、相ケ瀬の声で意識が覚醒する。
慌てて周囲を確認すると、先程まで居た海に戻ってきている。
先程のは夢だったのか、嫌な汗が頬を伝う。
SANc(1/1d3)
久々宇 賢作
CCB<=69 SANc (1D100<=69) > 91 > 失敗
久々宇 賢作
1d3 (1D3) > 3
system
[ 久々宇 賢作 ] SAN : 69 → 66
久々宇 賢作
…………ごめ、……また……幻覚、見てた…………
相ケ瀬巡
……そうか……。…………わりい、…俺こそ…………変なこと言ったな。……ごめんな…………。
久々宇 賢作
っ変じゃ、ない……(相ケ瀬の腕を掴む)
相ケ瀬巡
え…………
久々宇 賢作
……お前の……その、気持ちは……変なんかじゃ、ない…………お前がそう感じたなら、きっとそうなんだろ…………(苦しそうに言葉を紡ぐ)
久々宇 賢作
でも、…………だから……俺みたいのがずっと持ってちゃ、ダメなんだ………………(震えながら腕を離す)
相ケ瀬巡
……な、んだよそれ…………意味わかんねーけど…………。
相ケ瀬巡
…変じゃねえけど、ダメって……分かんねーよ……。
久々宇 賢作
…………だって……大変な思いをすることになる。これから先、ずっと……
相ケ瀬巡
………………そんなの…………もうおせえっつーの……。
久々宇 賢作
遅くない……っまだ、……まだ…………
相ケ瀬巡
………おせえんだよ。……少なくとも…俺に、とっては………………。(立ち上がりゆっくりと道路に足を進める)
久々宇 賢作
……どういう、意味だよ…………(立ち上がり歩み寄る)
♢道路
道路へと足を進める。
夜遅い為、車が通る気配はない。
相ケ瀬は上を見上げ、星空を見ていた。
久々宇 賢作
CCB<=50 聞き耳 (1D100<=50) > 70 > 失敗
ぼそりと、相ケ瀬が何かを呟いていることに気がつく。
しかし内容までは聞き取れない。
久々宇 賢作
なんか言ったか?
相ケ瀬巡
…………なんでもない…。
貴方達は一通り辺りを見て回り、再び海岸へと戻ってくる。
星が瞬く夜空は相変わらず自分達を見下ろし、静かな海岸で貴方の耳に聞こえるのは、波の音と隣に居る彼の呼吸音だけだった。
しかし、聞こえる呼吸音は徐々に乱れ始める。
何があったのかと、貴方は相ケ瀬の方へと振り向く。するとそこには顔を抑え、まるで声を押し殺しているのか肩で息を吸う彼の姿があった。
指の隙間からは雫がぼとりと砂浜へと流れ落ち、地面を濡らしている。
久々宇 賢作
おいっ!どうした!苦しいのか……?(駆け寄って背中を擦る)
貴方が彼に何か声をかけようとした時、静かな夜空に一本の線が描かれる。
それは二本、三本と増え、静かな夜空を照らしていく。
流星群が始まったのだと、貴方はそう理解した。
そんな夜空に呆気にとられていると、少し落ち着いたのか相ケ瀬の声が聞こえる。
相ケ瀬巡
…なあ、一つ聞いていいか?
久々宇 賢作
っなんだ……
相ケ瀬巡
お前、誰だ?
彼は微笑みながらそんな質問を投げかける。
久々宇 賢作
……っは………………?
相ケ瀬巡
……お前は、多分…………俺の知ってるケンじゃない……し、
…………俺も……お前の知ってる相ケ瀬巡じゃねえ………………。……でも…………、
相ケ瀬巡
……なあ、ごめん…………今は……一緒にいてくれないか、俺と。
相ケ瀬巡
…………頼む……。
静かな夜に流れる流星群は、彼の涙にも見えた気がした。
久々宇 賢作
…………なんだ、それ……巡は巡だろ…………(震える声で呟く)
相ケ瀬巡
……だって…………だってよ……、
相ケ瀬巡
…………3日くらい前か……。
…死んだんだよ、ケンは。……死んだはずなんだ……。
久々宇 賢作
え、…………
相ケ瀬巡
…急にいなくなったと思ったら、知らねー宗教団体に拉致られてた。…それで、死んだ。
久々宇 賢作
そ、んなの知らな…………
久々宇 賢作
…………いや、そうか……じゃあ、あの幻覚は…………
相ケ瀬巡
………………だから、お前は…………
ぐにゃりと、視界が歪む。
目眩か何かかと、再び貴方は目頭を押え、目をつぶった。
また変な幻覚を見るのかと考えていると、隣から相ケ瀬の声が聞こえる。
相ケ瀬巡
どっか遠くのケンへ、…俺の0Hzの声を聞いてくれ
相ケ瀬巡
俺はお前が好きだ、死ぬほど
相ケ瀬巡
だから…………、……あー、クッソ…………
相ケ瀬巡
一人にすんなよ……
相ケ瀬巡
…お前の隣にいる俺が、羨ましい
相ケ瀬巡
……なんてな。…………ごめんな……。
静かな波音だけが耳に響く。
貴方は重い瞼を開いて隣へと目線を移す、しかしそこには相ケ瀬の姿は無かった。
呆然と立ち尽くしていると、突然背中に衝撃を受ける。
相ケ瀬巡
やっと居た……マジでどこ行ってたんだよ
衝撃の正体はどうやら相ケ瀬だった様で、背中を抱きしめられている。
久々宇 賢作
…………巡?
相ケ瀬巡
海で待っても来ねえし、頑張って帰ってもいねーし…
相ケ瀬巡
…流星群の日付さ、あれ去年のだったわ。…だからめっちゃ怒ったのかと思った……。
相ケ瀬巡
……間違えて悪かったから、……いなくなんなよ……。
相ケ瀬の言葉を聞き、上を見上げる。
すると先程見ていた空とは違い、静かな夜空が広がっていた。
久々宇 賢作
え、あ……そう……だったのか
久々宇 賢作
…………巡、(腕をやんわり外して相ケ瀬に向き直ると、首に手を回して抱きしめる)
相ケ瀬巡
……っわ、…なんだジジイ……どうした…!?
久々宇 賢作
ジジイってやめろ。……さっきも、最後にこうしてやれば良かった…………
相ケ瀬巡
…………さっき?
久々宇 賢作
…………別のお前と、話してた。ずっと
相ケ瀬巡
……別の俺?え?……またなんかアレか?どっぺる……なんだっけ…会うと死ぬやつ……。
相ケ瀬巡
……大丈夫か?ぶん殴られたりしてないか?
久々宇 賢作
大丈夫だ。…………アイツ、寂しそうだった。お前が羨ましいって言ってた。……もっと何か、してやれたんじゃないかって…………(思い出しながら相ケ瀬の頭を撫でる)
相ケ瀬巡
……なんで羨ましいんだ…………??(宇宙猫顔)
…………つーか、…は…?……別の俺に…やんなよ、こんな…………(ごにょごにょと語尾が尻すぼみになっていく)
久々宇 賢作
なんでだろーな……。………………、…………なあ……巡(身体を離して相ケ瀬を見上げる)
相ケ瀬巡
……なんだよ?
久々宇 賢作
…………これから言うこと、冗談にしてもいいから、そしたら、笑い飛ばしてくれ(泣きそうな顔で笑う)
相ケ瀬巡
……笑わねえよ。……泣きそうだし、お前…。(真剣な顔を向ける)
久々宇 賢作
……、………………、好きだ……(直前まで合わせていた視線を思わず下げて告白する)
相ケ瀬巡
っ………………。……………………、(しばらくぽかんと目を見開いているが、突然強く抱き締める)
久々宇 賢作
わっ、ちょ、何…………っ
相ケ瀬巡
…………っ……なんか、…ぎゅーってなって……抱き締めたくなった…………。ええっと…………、(自分でも混乱しているかのように取り留めなく言葉を紡ぐが、抱き締める力は強くなる)
相ケ瀬巡
わかんねえ……、…いや、分かるわ……、…………これは、そうだ…………俺も…………、
相ケ瀬巡
………………好きなんだ。…ケンのこと…………すげえ好きだ、これ…………。(ダメ押しのようにぎゅっと抱き締める)
久々宇 賢作
っ…………本、当に……?(息を詰まらせながら尋ねる)
相ケ瀬巡
…今、めちゃくちゃ嬉しくて……なんか顔あちーし…………、…胸、苦しーし…………、…なんか……すげえ幸せで……だから、本当だ…………。…………本当に好きだ、ケン……好きだ…………。
相ケ瀬巡
…やべー……超はずい…………でも言いてえ…、…………好きだ…………。
久々宇 賢作
……ぁ、も……っもう……分かった、分かったから……痛えしっ…………(段々と頬に熱が集まるのを感じ、腕の中で暴れ始める)
相ケ瀬巡
あ、わりい
相ケ瀬巡
(そっと身体を離す)
相ケ瀬巡
あー……えっと…………、……えーっと…………。
……て、手…とか、繋ぐ、か…………?(しどろもどろになりながらも手を差し出す)
久々宇 賢作
ふはっ……高校生かよ……(吹き出しながらも手を握る)
相ケ瀬巡
かわいい…………
久々宇 賢作
…………は!?
相ケ瀬巡
いや、わりい……今好きとかわいいしか出てこねえ……、
相ケ瀬巡
あー……えっと、えーっと…………そうだ、流星群、なんかな、今年はほんとは今日から三日後らしい、……ケンと見たい。
……見たかったんだわ、ケンと。…予定、空いてっか?
久々宇 賢作
あ、ああ…………空いてる……
相ケ瀬巡
っ…………(しばらく我慢していたが再びぎゅっと抱き締め)
……帰るか、一緒に……。
久々宇 賢作
…………うん……(緩んだ口元を隠すように俯いて、こつんと頭を預ける)
次の日
貴方は次の日、仕事はたまた休日で買い物に行くためだろうか、支度を済ませ外へと出かける。
今日は人通りが少ないのか、気になる程街中が静かだった。
久々宇 賢作
CCB<=50 聞き耳 (1D100<=50) > 18 > 成功
背後から歩幅を合わせた足音が聞こえる。
貴方は違和感を感じ少し足を早める、すると同時に後ろから聞こえる足音も早くなる。
違和感から確信に変わり、自分は後ろを振り向く事なく目的地へと向かおうとする。
ゴッ
鈍い音が響く。
そして遅れてから、頭に痛みが伝わる。
突然の出来事で、貴方は体のバランスを崩し地面へと倒れ込む。
薄れる意識の中、殴った相手を確認する。
するとそこには黒いフードを深く被った、見知らぬ男が立っていた。
その男はスマホを耳に当てて、何かを話していた。
???
ああ、言われた通り生贄は確保したぞ。
すぐ連れていくから準備して待ってろ
???
きっとあの方は喜ん______
その声を最後に、貴方の意識は暗闇へと落ちていく。
目覚め
目を覚ますと、そこは記憶にない施設の中だった。
いや、何処かで見た気がする。
貴方は動揺しつつ、ここは何処かと辺りを確認する。すると、視界の情報より先に手首に違和感を感じた。
腕を動かすと金属が擦れる音が鳴り、すぐに手錠をされている事に気がつく。
逃げないと。

咄嗟にそう思い、足を動かす。
しかしその行動さえ出来ずに、自分は床へと倒れ込む。
どうやら自分はこの部屋に身体を拘束され、監禁されていると考えつく。
逃げないと
逃げ出さないと自分は________
そうだ、死んでしまう。
貴方は力強く手枷を膝へと叩きつける、何度も、何度も何度も。
手首からは血が滲みだし、痛みも感じる。
しかし、貴方は止めることなくその行為を続ける。
だが悲しいことに手枷は壊れる気配が無く、ただ探索者の血で濡れ、光を反射していた。
この空間から逃げだす力が今の貴方には存在しない。
そんな絶望感からSANc(1d2/1d5)
久々宇 賢作
CCB<=66 SANc (1D100<=66) > 25 > 成功
久々宇 賢作
1d2 (1D2) > 2
system
[ 久々宇 賢作 ] SAN : 66 → 64
貴方が呆然とし手錠を見ていると、ドアがある方向から荒いノック音が響く。
???
入るぞ
その声と同時にドアが開かれる。
ドアの先には黒いフードを深く被った人物ともう1人、同じような格好をした人物が居た。
???
ちゃんと大人しくしているみたいだな。
まあ、その腕は見逃してやるよ。
くすくすと笑うその人物は、貴方の腕を見てそう口に出す。
???
下手に傷がついたらあの方も嫌がってしまうかもだしな、変な行動はすんなよ
???
どうせ逃げれねえんだから、ちゃんと頭使おうな?
そこまで話終えると、彼の後ろにいたもう1人の黒いフードの人物へ何かを耳打ちした後この部屋から出ていく。
1人残されたその人物は見張りか何かだろうか。
ぐにゃりと、視界が歪む。
目が覚めて直ぐに無理な行動をしたせいか、頭が重い。
???(1)
…………ケン。
扉の前で貴方を監視していた人物がそう発する。
???(1)
…逃げるぞ、一緒に。
久々宇 賢作
…………え
その言葉を言うと、彼は貴方に手を差し出してくる。
フードの隙間から一瞬見えた髪色は、相ケ瀬のそれと一緒だった。
久々宇 賢作
…………(おずおずと手を伸ばす)
貴方が彼の手を取ると、頭にフードを被される。
気づけば目の前に居る人物はフードを脱ぎ、普段と変わらない様子だった。
相ケ瀬巡
良い作戦があっからさ!
相ケ瀬巡
…大丈夫、俺を信じろ。
彼はひとつ深く息を吸い、扉を開いた。
久々宇 賢作
お前、こんなとこ忍び込んで何考えてやがる!危ないだろ!(小声で叱る)
久々宇 賢作
CCB<=45 アイデア (1D100<=45) > 31 > 成功
相ケ瀬に違和感を感じる、寂しそうに笑う彼は、きっと。
部屋から出るとそこには長い廊下が続き、遠くには階段が見える。
相ケ瀬は何かを口にする前に手を引き、階段がある場所まで全速力で走り抜け、階段を上り始めた。
ここは地下だったのだろうか、彼に引っ張られるがまま貴方は足を進めた。
屋上
階段を駆け上がり、辿り着いた場所は屋上だった。
相ケ瀬巡
下は信者の奴らが見張ってて、時間が経ったらどっか行くはずだから…。…でも万が一のこともあるし、こっちの端っこの方にいようぜ
そう言って、彼は端の方を指さす。
久々宇 賢作
あ、ああ…………なあお前、は……(相ケ瀬について行きながら、何か聞こうとするも言い淀む)
相ケ瀬巡
……どうした?
久々宇 賢作
…………いや、……ありがとう
相ケ瀬巡
…………おう。
久々宇 賢作
…………ごめんな(少し迷った後、相ケ瀬を抱きしめる)
相ケ瀬巡
………………サンキューな。(困ったように笑いながら、緩く抱きしめ返す)
久々宇 賢作
ん……(複雑そうな表情を浮かべながら身体を離す)
相ケ瀬巡
……優しいんだな、お前も。…………お陰様であったかかったわ。(眉を下げ、久々宇の頭を撫でる)
貴方達が数回会話を交えると、ドアの先から怒号が聞こえる。
ドンドンと激しく叩かれるドアはすぐにも壊れそうだ。
相ケ瀬巡
……んだよ、思ったよりはえーな…。
相ケ瀬は貴方を自分の後ろへと誘導すると、懐から拳銃を取り出す。
久々宇 賢作
おい、それ……っ
相ケ瀬巡
言ってる場合じゃねえだろ…っ……(咎めるように久々宇に手のひらを向ける)
相ケ瀬巡
CCB<=20 拳銃 (1D100<=20) > 5 > 決定的成功
ドアが壊れると同時に相ケ瀬は発砲をする。
その銃弾は一番前に立っていた人間の足元に命中し、その人物は体勢を崩した。
しかし体勢を崩した人物を踏みつける様に、別の人間がぞろぞろと貴方達を逃がすまいと屋上へと入り込んでくる。
相ケ瀬巡
死なせねえ、絶対。
絶体絶命な状況でも、相ケ瀬は動揺することも無く冷静だった。
だが徐々に間を詰められ、自分達は屋上の更に隅へと追いやられてしまう。
「早くその生贄を返せ、無駄死になんてしたくないだろ」「手間をかけさせるな」「あぁ、あの方がお怒りになる」「いっそあいつも生贄にしたらどうだ?」
そんな雑音が貴方達を責め立てる。
ぐにゃりと、視界が歪む。
何度目か分からないが、貴方は思わず目を閉じてしまう。
すると、前にいる相ケ瀬から声をかけられる。
相ケ瀬巡
ケン
相ケ瀬巡
…俺は……この世界の俺が羨ましい。…けど……、
相ケ瀬巡
……お前にはさ、元気でいてほしーわ。
久々宇 賢作
…………巡、
その言葉を最後に、トンッと胸を軽く押される。
貴方の体勢は後ろへと崩れ、そのまま下へと落下していく。
貴方は突然の事で驚き、目を開く。
視界の先には、心底嬉しそうに笑う相ケ瀬の姿があった。
相ケ瀬巡
ケン!…じゃねー奴!
相ケ瀬巡
俺は……お前のこと嫌いじゃねえからな!
久々宇 賢作
馬鹿ッ………!
病室
ピッピと鳴る心電図モニターの音が聞こえる。
探索者はその音で目を覚まし、動かない体を無理やり起こすとそこは病室だった。
相ケ瀬巡
ケン!!(久々宇が動いたのを見ると強く抱き締める)
その表情は普段通りで貴方の知っている彼だと分かる。
相ケ瀬巡
身体、動かせそうか?大丈夫か?
久々宇 賢作
…………巡、か……。……ああ、動かせないこともねえ……(痛みに顔を歪ませる)
相ケ瀬巡
よかった……。…………いなくなった時マジで焦ったわ、…でもすぐ見つかって……よかった、マジで…。
相ケ瀬巡
なんか、警察に聞いたわ。やべー宗教がどうのって…。大変だったな……
久々宇 賢作
……アイツ、は…………
相ケ瀬巡
あいつ?
久々宇 賢作
前話した、別のお前……アイツが助けてくれたんだ…………
相ケ瀬巡
…………。……下にクッション敷いた状態で屋上から飛び降りたのって、そいつの作戦か?
久々宇 賢作
多分、そうだ……
相ケ瀬巡
…あぶねえことさせてんな……。…でも……そんくらいしか方法が無かったのか…?
……まあ…助けられたなら感謝しねーとな……なんか、ちょっと気に食わねーけど……。(少し拗ねたように口を尖らせる)
相ケ瀬巡
…俺よりかっけーじゃん……。(ぼそりと呟く)
久々宇 賢作
??
相ケ瀬巡
…まあでも、屋上には宗教関係者以外いなかったってよ。警察が言ってた。……そいつも逃げたんじゃねーの?
久々宇 賢作
そうか、良かった…………(ほっと息を吐く)
数日後貴方は無事退院をし、警察が調べ終わった後の建物に訪れる。
彼は誰だったのだろうか、確かに自分の知る相ケ瀬ではあったが、自分の知らない彼でもあった。
彼は____
ぐにゃりと、視界が歪む。
歪む視界の中、相ケ瀬の輪郭を捉えた気がした。
『0Hzの声』
PC:生還
KPC:生還
SAN値回復1d10
♢後遺症
ごく稀に視界が歪む事がある、しかしその歪みは一瞬で特に日常生活に支障はない。
※KPCと出会うことは二度とない。
久々宇 賢作
1d10 (1D10) > 2
system
[ 久々宇 賢作 ] SAN : 64 → 66
背景
世界にはありとあらゆる場所に歪みが存在する。
普通の人間が普段通りの生活していれば、基本的にどの歪みにも気が付かず、干渉する事も無い。
しかし、今シナリオに来てもらうのは探索者だ。探索者は世界の歪みに知らない所で触れ、干渉する事になる。
歪みの原因になるのは平行世界の軸である。
平行世界とは言え、世界の何処かでは交わる瞬間は数えれる程にはある。その交じりによってお互いの世界の一部に、歪みが発生する。
その歪みに干渉をすると、交じわる一瞬の間自分の生きている世界軸と、知るはずもない世界軸両方に存在する事になる。
そして探索者が今回どう言った歪みに触れるのかと言うと。KPCと海へ行こうと約束した日時と、別世界の自分達が同じ海へと行こうと約束した日時が合致し、世界線が一瞬交わり合った所で探索者は別世界軸のKPCと出会う事になる。
しかし、別世界軸のKPCは約束の数日前、神話的事象で探索者を失っており、約束した日時に探索者が訪れる事は無いと思っている。
そして探索者を失い、生に意味をを見い出せないKPCはその海で命を絶とうとする。
だが、死んだはずの探索者が約束の時間に、待ち合わせした海で自分自身を待っている姿を見つける。
生き返ったのかと、死んだのは嘘だったのかと、泣きそうになる感情を抑えて探索者へと駆け寄る。しかし、探索者と話していくうちに何処か違和感を感じる。自分の知らない思い出や出来事。そして最後には自分の知っている探索者では無い事に気が付く。
素直になれなかったKPCが、平行世界が交わる刹那だけ、探索者へと本心を語るそんな時間。
「何処か遠くの君へ、僕の0Hzの声を聞いて」
♢別世界軸KPCの処理
・普段言わない素直な言葉を話す。
・昔の話等は分からないため、最初は適当に話を合わせる。
・キャラによっては泣いてしまうかもしれない、あとは別世界軸KPCの感情を想像して好きに回して欲しい。

そしてシナリオの後半、別世界軸KPCは自分達と同じ結末にならないように、探索者の死ぬ運命を変えに動く。
♢シナリオの進行/(別世界軸の進行)
※平行世界として3日程のズレが存在する
3日後の流星群を見に行こうと約束をする
(探索者が宗教団体に生贄として殺される)

確認不足で実際の流星群は更に3日後だと知る
(実際に流星群が流れ、2人で眺める)

探索者が宗教団体へと拉致される
(時空の歪みをこじ開け、拉致された探索者を救いに行く)