【CoCセッション】潜熱の解け先


目を覚ましたらそこは見知らぬ部屋。
……ということもなく、よく見慣れたあなたの寝室だ。
昨日からあなたはひどい熱を出しており、今日もその熱が下がらずにいる。
あなたが熱を出したと、勤め先のオーナーから聞いた皆世が家に来ている。
皆世照仁
…心音さん、…調子は如何ですか。
皆世照仁
……まだ下がりそうにありませんね…。(心音の額に手を当てると、目を伏せる)
心音理澄
…………早く帰れよ
皆世照仁
……いけません。…よく静養しないと…治りが遅くなってしまいますよ。
心音理澄
……良いっつってんだろ……自分でできる…………
皆世照仁
……いいえ、回復の兆しが見えるまでは叶いません…。…病人を働かせるわけにはいきませんからね。
心音理澄
…………勝手にしろ(皆世に背を向けて布団に潜り込む)
皆世照仁
……何か…症状を軽減させるものを買ってきましょう。…静かに寝ていてくださいね。
皆世はそう言うと、上着を持って部屋を出て行った。
熱が上がっている感じがする。
心音理澄
…………はぁ……クソ…………(眠るまいと意地になってぐっと目に力を入れる)
1d100を振ってください。
心音理澄
1d100 (1D100) > 7
あなたは再び目を覚ます。
どうやら少しうとうととしてしまったらしい。
NPCは帰ってきたのだろうか、と何気なく部屋に視線を移したあなたはそこで異変に気付いた。
部屋のそこかしこに、キノコのように見える何かが生えている。
それは一見群生したマッシュルームにも似ていたが、その色は絶えず変化し、目がくらむような感覚がする。
心音理澄
幻覚か……
なによりあなたを驚かせたのは、床に倒れ伏した人物の存在だ。
仰向けになってぼんやりと天井を見るその人物は20代半ばほどの男性に見えたが、しかし少しも動く様子はない。
呼吸をしている様子もなく、死体かとも思うだろう。
心音理澄
!(人影を見つけると警戒してベッドから飛び起きる)
しかしよく見ればその体は奇妙に歪み、軋んでいる。
よく見ればその体は繊維質の何かが裂けるようにいくつも亀裂が入っており、その中で部屋にあるキノコと同じような色が瞬いている。
あなたは気づいてしまう。
倒れた男の体はまさにキノコのように変容しているのだ、と。
心音理澄
幻覚……?
また、あなたは気づいてしまう。
あなたの腕に、あるいは足に、皮膚から。
同じような色のキノコが生えかけている。
SANC 1/1d3
心音理澄
きのこ…………
心音理澄
1d100 SANc (1D100) > 94
心音理澄
CCB<=45 SANc (1D100<=45) > 32 > 成功
system
[ 心音理澄 ] SAN : 45 → 44
あなたは、しかし熱のためか頭がぼんやりとする。
キノコの瞬きに目を焼かれて、しばし、目を閉じることになるだろう。
心音理澄
き、きのこ……
皆世照仁
……心音さん…、…どうしたのですか…。
皆世照仁
…きちんと身体を休めていましたか?
皆世の声に、遠のきかけた意識がはっきりする。
皆世が買い物袋を片手に心配げにあなたをみていた。
心音理澄
う…………きの……、は?
部屋の中を見ても、何も異変はないように思える。
皆世照仁
…何かあったのですか?
心音理澄
……いや…………別に…………(冷や汗を流しながらも皆世から視線を逸らし念のため自分の腕を確認する)
特に変化はない。いつも通りの腕だ。
聞き耳が振れる。
心音理澄
……はぁ…………(少し安心した様子でため息をつく)
心音理澄
CCB<=70 聞き耳 (1D100<=70) > 80 > 失敗
なんとなく爽やかないい香りがする。
皆世からのようだが、なんの香りかよくわからない。
心音理澄
(病人の部屋に香水付けてくんなよ……)
皆世照仁
…何もないなら…よかった。
……軽食の準備をしてきますから、…大人しくしていてくださいね。
心音理澄
…………ガキかよ、俺は……(苛ついた様子で布団をかぶる)
アイデア+20
を振ってください。
心音理澄
CCB<=70 アイデア (1D100<=70) > 67 > 成功
皆世から漂っていた香りが、ローズマリーの香りであることに気が付く。
心音理澄
ハーブ……?アイツ何作るつもりだよ…………
「流行の症状」「ローズマリー」の二つを調べられる。
心音理澄
インスタ見よ
心音理澄
流行の症状……
目星or図書館
心音理澄
CCB<=70 目星 (1D100<=70) > 65 > 成功
ネットニュースで次のような内容を知ることができる。
・最近高熱が出て幻覚を見る、という症状が流行っている。
・幻覚はひどく恐ろしい怪物を見るというもので、原因が不明のため医療機関でも効果的な治療ができず、それによって一時的に精神的にひどく不安定になる人もいるようだ。
・一般的な解熱剤はあまり効果がなく、安静にしているしかない。
・人によってはしばらくそういった幻覚や悪夢に魘される日が長く続くこともある。
・原因がよくわからず、接触感染の様子はなさそう。また、流行っている地域が限られているため、旅行者などは気をつけるように。
以上のような症状が流行しているのは、どうやら自分が住んでいる地域のみであるとわかる。
心音理澄
幻覚…………、でもきのこだったしな……
心音理澄
ローズマリーって風邪に効くのか……?
知識or図書館
知識は+20で
心音理澄
CCB<=90 知識 (1D100<=90) > 25 > 成功
ローズマリーは「マリアのハーブ」とも言われ、欧州ではポピュラーなハーブである。
香りがよく、強壮剤などとして利用されることがある。
料理には肉料理からお菓子まで幅広く使われるほか、魔除けの効果があるとも言われている。
ということをあなたは知っている。
心音理澄
店でもつまみには使うけど……
1d100を振ってください。
心音理澄
1d100 (1D100) > 91
熱が上がってきている感じがする。頭がくらくらする。
熱のせいか長い時間何かを調べたり考えたりするのがつらい。
寝床で転がったところで、ごそり、とその下から何か音がした。
ごそごそ、それはまるで虫が這い回っているような音に聞こえる。
どうしますか?
心音理澄
(布団をまくって上体を起こす)
ごそり、ごそり   かさり
虫が這い回るにしてはやけに音が大きい気がした。
それはじわじわと近づいてきているような気がした。
あなたがまんじりとせずにいるならば、そうして、ベッドの下からひどく巨大な蜘蛛が這い出てくるのを見ることになるだろう。
ベッドの下に収まっていたのが不思議なほどのそれは、あなたに向かってカチカチと威嚇するようにハサミを鳴らした。
イボだらけの膨らんだ体と剛毛の生えた長い足。
腹部はマダラな菫色で、それが上半身に至るにつれてこい藍色になっている。
おぞましい巨大な蜘蛛は、たしかにあなたを見ている。
SANC 1/1d5
心音理澄
CCB<=44 SANc (1D100<=44) > 26 > 成功
system
[ 心音理澄 ] SAN : 44 → 43
全体として紫がかった肢体のそれは下手をすればあなたよりも大きなその体をよじり、完全にベッドの下から這い出すと、巨体に似合わぬ動きであなたのすぐそばまでやってくる。
心音理澄
っ…………(気味の悪さにベッドの上で後ずさる)
それは体の大きさに見合った大きさのその口で、あなたに、噛みつく。
牙が食い込み、そして、同時にどろりとした何かがその傷から流し込まれる。
焼かれるような痛みが走って、あなたの意識は遠のいていく。
心音理澄
うあ”っ……!
あなたはベッドの上で目を覚ます。
周りにあなたが先ほどまで見ていたものは影も形も無い。
夢だったのだろうか?
あなたが部屋の中を見れば、ベッドの間近に一枚紙が落ちているのに気づく。
心音理澄
…………(噛まれた箇所を思わずさすりながら紙を拾う)
小さな紙片だ。
「Eat and Drink.」という震えた文字が書かれている。
目星が振れる。
心音理澄
CCB<=70 目星 (1D100<=70) > 90 > 失敗
心音理澄
(裏を見る)
紙の裏側には小さく震えた字で「マリアのハーブは毒をはらう」という一文が書かれている。
あなたがそれを確認するとともに、紙片はぽろぽろと端から崩れて跡形もなく消えてしまった。
心音理澄
なんで痙攣してんだよ
あなたが噛まれた箇所をさすると、特に痛むような部分もないとわかる。
しかし。
あの巨大な蜘蛛に噛まれた、そのぶぶん。
そこがちょうどミミズ腫れのようになっている。
血が滲むものではないが、ただ、それを見て、あれが果たして本当にただの夢であったのかあやふやになるような感覚を得るだろう。
SANC 1/1d2
心音理澄
CCB<=43 SANc (1D100<=43) > 100 > 致命的失敗
心音理澄
1d2 (1D2) > 1
system
[ 心音理澄 ] SAN : 43 → 42
1d100を振ってください。
心音理澄
1d100 (1D100) > 89
目が霞む。やたらと心細く、なんとなく怖いような気もする。SAN減少値+1
system
[ 心音理澄 ] SAN : 42 → 41
system
[ 心音理澄 ] SAN : 41 → 42
ぺたり、とあなたの手足に何かが巻きつく。
緑色の、それは触手といってもいいような何かがあなたに巻きついる。
その触手の先には形のいい指が多数ついていて、それがあなたを捕え、縛めている。
心音理澄
幻覚…………
気づけばあなたの足元に、紫色の、巨大な花弁を持つ花が「口」を開けている。
飢えた生き物のように、花弁は開いたり閉じたり、あなたを飲み込もうと待ち構えている。
その花弁の中には、すでにほとんど溶けかけたなにかの肉片がぷかぷかと、大量に浮かんでいる。
ああ。
これは自分を溶かし、食べるつもりだ。
あなたにはそういうふうに直感されることだろう。
SANC 1d2/1d5
心音理澄
CCB<=42 SANc (1D100<=42) > 55 > 失敗
心音理澄
1d5 (1D5) > 1
system
[ 心音理澄 ] SAN : 42 → 41
system
[ 心音理澄 ] SAN : 41 → 40
あなたの足がそこに飲み込まれる。
溶ける。
あなたの腰が、腹が、じわじわと飲み込まれていく。
溶かされる。
あなたの意識が熱のせいか、揺れて、明滅する。
心音理澄
……っふ、…………はぁ……ッ……(立て続けに襲う幻覚に疲弊した様子で荒く呼吸をする)
あなたを呼ぶ声に、意識が浮上する。
ベッドに横たわるあなたを、心配そうに皆世が覗き込んでいた。
皆世照仁
……大丈夫ですか。…魘されていましたが…。
心音理澄
………………照仁……(目だけを動かして皆世の姿を確認する)
皆世照仁
…失礼します。(額に優しく触れる)
皆世照仁
……熱が上がっていますね…。…軽食を済ませたら…解熱剤を飲みましょう。
心音理澄
ん……、そうだな…………(久しぶりに人肌に触れた気がして安心感を覚える)
皆世照仁
(…やけに素直ですね…。……流石にこの熱では…反抗する体力も残っていないのでしょうか…。)
皆世照仁
……先ほど、クッキーを買ってきたのです。…試食させていただいたのですが、ハーブの香りと味が良かったので…。…後ほど召し上がってください。
心音理澄
……ハーブ…………
皆世照仁
…ミルクティーを淹れてきますね。
皆世が去って間もなくすると、どこかかから何かが囁くような音が聞こえる。
《聞き耳》をどうぞ。
心音理澄
CCB<=50 聞き耳 (1D100<=50) > 61 > 失敗
心音理澄
幻聴…………
布団の中から何かが聞こえるような気がする。
心音理澄
(こんなホラー映画があったなと思いながら布団を捲ってみる)
布団の中を確かめるなら、あなたは見るだろう。
あなたの体から、黒っぽい玉虫色の粘性のある何かがこぼれ落ちている。
にじむように、身をよじるように。
それは一瞬液体のようにも見えるが、ぞろぞろと不規則に動き、まるで口のような器官を作り上げてはそこから「てけりり」「てけりり」と耳に触る音をこぼしている。
ごぽり、と。
粘性の音がして、そうしてそれは、あなたによく似た顔貌を形作る。
あなたからこぼれおちて、そうして、あなたを飲み込もうとする。
熱に浮かされた頭でも、そのおぞましさを理解することは容易だった。
SANC 1d2/1d5
心音理澄
CCB<=40 SANc (1D100<=40) > 8 > スペシャル
心音理澄
1d2+1 (1D2+1) > 1[1]+1 > 2
system
[ 心音理澄 ] SAN : 40 → 38
心音理澄
っ……、……ぁ…………ハ、ハァッ…………あ、ぁ……あッ…………っは、……あ…………うぁ、あ…ああっ……!(怯えながらも目を逸らすことができず、震える喉から絞り出すように声を上げる)
皆世照仁
心音さん
名前を呼ばれる。
……それとともに、あなたが見ていたそのおぞましいものは消え失せるだろう。
部屋の入り口から、不思議そうな顔をした皆世があなたを見ている。
皆世照仁
…如何したのですか…?
心音理澄
っ…………(皆世が目に入ると、少しの間ぎゅっと目を瞑って感情を整理する)
心音理澄
……ちょっと、寝惚けてただけだ。…………何でもない(息を整えてから皆世の顔を見る)
繰り返し、繰り返し。
熱に浮かされるようにあなたは恐ろしいものを見ている。
これがいつまで続くのかわからない。
また、なにか恐ろしいものを見るかもしれない。
ごくごくありふれた日常と、思い出して体の芯が冷たくなるような裏腹の悪夢。
皆世照仁
……顔色が良くありませんね…。
…軽食の準備が出来上がりましたので…どうぞ。(ミルクティーと、皿に並べたクッキーをトレイに載せ、ベッドサイドにしゃがみ差し出す)
ここで取った行動でエンド分岐が変わります。
心音理澄
……紅茶一杯淹れるのにどんだけ時間かけてんだよ、殺すぞ(クッキーを手に取り一口で頬張ると、紅茶のカップに手を伸ばす)
皆世照仁
…そうですね…、遅くなってしまい申し訳ありません…。……ミルクから煮出していたもので…時間がかかりました。
クッキーは思ったよりもあっさりとした味で、バターの甘さに続いてさわやかなハーブがふんわりと香った。
少し甘めのミルクティーによく合うし、あなたはその味にとても安心するだろう。
心音理澄
甘っ…………けど、まあ……悪くは、ない……(少し顔を顰めつつもクッキーと紅茶を全て平らげる)
皆世照仁
体力が落ちていますから…、糖分は意識して取った方がよろしいかと…。
皆世照仁
……食べ終わりましたね。…それでは、こちらも…どうぞ。(解熱剤を差し出す)
心音理澄
ふん…………(解熱剤を受け取って飲み下す)
皆世照仁
……これで…少しは辛さが軽減するとよいのですが…。
心音理澄
……………………帰るのか
皆世照仁
いえ、…もうしばらくお邪魔させていただくつもりですよ。
…職場に復帰できるようになるまでは様子を見てくださいと、オーナーに言われていますから…。
心音理澄
……そうかよ…………別に、薬飲んだし、もうやることねえけどな(俯いてぼそぼそと話した後、再び布団にもぐる)
クッキーを口にしたあなたは、なんとなく体が軽くなったように感じる。
まだ薬が効くには早いだろうにと、あなたは不思議に思うだろう。
皆世照仁
……薬が効くと決まったわけではありませんし…まだ油断はできませんよ。
…何かして欲しいことや…用意した方が良いものがあればお伝えください。
心音理澄
……………………、……暇かよ(暫く皆世の顔を見つめた後、寝返りを打つと身体ごと皆世の方に向けて呟く)
心音理澄
……その辺の片付け、とか…………やれば
皆世照仁
ええ、承りました。…作業の合間に、この部屋で仕事を進めることをお許しください。…パソコンを開いているだけなので、邪魔にならないとは思いますが…。
心音理澄
ああ……そこの、机使え
皆世照仁
…ありがとう、感謝いたします。
心音理澄
……なんでお前が感謝してんだよ
熱はまだ高いが、とても穏やかな気持ちだ。
そばの誰かがいるからか、体が温まったからか。
気づけばうとうとと眠気が襲ってくる。
──悪夢はもう見ない。
ほどなく、熱も下がるだろう。
おめでとうございます。シナリオクリアです。
報酬:
クリア 1d6
ミルクティーを飲んだ 1d3
看病された 1d2
神話技能 夢の数(4回)+1
心音理澄
1d6+1d3+1d2 (1D6+1D3+1D2) > 4[4]+1[1]+2[2] > 7
system
[ 心音理澄 ] SAN : 38 → 45
心音理澄
スヤ……
■シナリオ背景
これはとある魔術師の最後の夢が熱病を媒介にしてPCから滲み出したものである。
その魔術師は多くの事件を経て、バオート・ズックァ=モズの毒に侵されたまま最期の時空の旅をしていた。タウィル・アト=ウルムと深く縁があった彼はかの化身の力を借りて空間を渡っていたのだが、たまたまPCの住む土地のそばを通ったときにその体に宿った毒がそこに住む人々にも移ってしまった。
彼が抱えるものよりはずっと微かではあるものの、その毒を媒介にPCはじめとした人々は魔術師の最期の夢を追体験している状態であり、またそれはタウィル・アト=ウルムの力が影響して半現実として顕現することになっている。
毒が漏れた事実に気付いた魔術師はそれを払う手段としてのローズマリーのクッキーを配ることにした。
彼の寿命は尽きようとしており、またタウィル・アト=ウルムも住人たちのことまでは干渉する気がないため、この悪夢を抜け出せるかどうかはPCがクッキーを口にするかどうかにかかっている。NPCは事前に渡されたクッキーと食べているため、NPCがやってくると夢からの幻影は消えるようになっている。このためNPCに害は起こらないが、一方でNPCはPCに起きている出来事を感知できない。
また、親しい相手であるNPCの用意する食べ物はPCの疲弊した精神を癒やし、落ち着くための一助となっている。
毒は放っておいても時間経過で抜けるものではあるが、何も手を施さずに回復を待つ場合は長らく悪夢と幻影に苦しめられることになるだろう。