【CoCセッション】思牙にも懸ける


その1

吸血とは選択である、誰かがどこかで歌っていた。
遥か昔から、遥か宇宙の彼方から、遥か月の光から、それらは日常に現れる。
その日は本来であれば、いつもと大差のない夜だっただろう。
薄曇りの空には、大きな月が煌々と輝いていた。
満月まではあと一日、という少しだけ物足りない月だ。
貴方は秋栗と行動をともにしていた。しかし、その様子はどうも可笑しい。何を話してもどこか上の空で生返事ばかり。
胡桃沢努
(考え事、してるのかなァ……)
不審に思って、貴方が秋栗に尋ねると、曖昧に微笑まれる。
[目星]が振れます。
胡桃沢努
CCB<=83 目星 (1D100<=83) > 42 > 成功
微笑んだ犬歯が異様に尖っていることに気がつく。また、異様に血色が悪いと確信できるだろう。
胡桃沢努
……まほろ、風邪引いたァ…?
秋栗舞星
秋栗舞星
いや、そんなことはないよ。……何故そう思ったのかね?
胡桃沢努
…お顔、いつもより白いからァ……。
貴方が指摘をすれば、罰が悪そうに秋栗は目をそらす。そして、観念したようにため息を付いてから話し始めた。
自身の異変に気づいたのは三日前、なんの気なしに外に出た途端、異様に具合が悪くなった。ふらふらと日陰に隠れ、混乱していると自分の腕の一部が灰に変わっていた。それだけでは飽き足らず、固形物の食事が一切受け付けられなくなり、血液に対する渇望が心のなかでくすぶりだした。その症状はまるで、物語の吸血鬼のようであったと。
胡桃沢努
え……、…じゃァ……ケーキも、食べられないのォ……?
秋栗舞星
……ああ、今は食べられない。……味見はかろうじて行えているがね。味覚も変化している気がする
秋栗舞星
やむを得ず病院には一度掛かったのだがね、心音が聞こえないと騒ぎになりそうだったので逃げてきたのだよ
秋栗舞星
食事をとらずとも活動に支障はないものの、空腹感は消えなくてね。紛らわせるため冷蔵庫のトマトジュースを飲んでみたのだが、あまり効果は無かったよ。…………今も血液に対する強い渇望を感じる。……油断すれば、きみに噛み付いてしまいそうなほどに
秋栗舞星
所謂、物語などで語られる吸血鬼の弱点は一通り該当しているようでね、きみにも迷惑をかけるかもしれない……。ただ代わりに、力が強くなり、再生力がつき、超常的な力や暗視能力が身に付いたようだ。原因についても全く見当がつかなくて参っていたのだよ。
秋栗舞星
病院では心音がないと言われたが、自分で確認してみた所、体温が異常に低く拍動が遅いようだ。体温のあるきみが触れると、酷く熱く感じる
胡桃沢努
…………。……オレにも、…秘密にしたかったァ……?(黙って聞いていたが、悲し気に目を伏せる)
秋栗舞星
……きみを怖がらせたくなかったから
胡桃沢努
……まほろだから、怖くないよォ…。
…………早く…治さないとだねェ…。……お腹空いてるの、辛そうだしィ……。
秋栗舞星
ありがとう、きみは優しいね。原因不明のままでは解決策も見つけるのは困難だろうから、まずはそこから考えなくてはね……
胡桃沢努
ウン……。…三日前は……何か、特別な出来事はあったァ…?
秋栗舞星
特に、心当たりはないな……
秋栗舞星
……ノワくん、先程も述べたようにぼくは今きみを傷つけることが容易にできてしまう。ぼく自身も正しく自分の状態を理解できているわけではないし、暫く距離を置くべきではないだろうか……(苦々しい表情で告げる)
胡桃沢努
…………。……距離、置いたらァ…………、……もう…会えなくなる気がするゥ……。
胡桃沢努
…………傷つけられるより、…そっちの方が……オレは怖いィ…。
貴方が納得、或いは反論しようとしたとき、間抜けなチャイム音が会話の腰骨を折る。何かと玄関を開ければ、どうやら荷物が届いたらしい。適当にやり取りを行い貴方は荷物を受け取るだろう。
胡桃沢努
……荷物、…まほろのォ…?
その荷物は、油紙に包まれた縦 30cm、横 21cm の厚みのある重たいものであった。感触からして、大判サイズの分厚い本だと分かるだろう。梱包は非常に丁寧で、仰々しい封蝋までされている。時代錯誤な贈り物である。
秋栗舞星
頼んだ覚えはないけれど……いや、だが封蝋の紋章に何か覚えがあるような気がする…………
胡桃沢努
…まほろが好きな、あんてぃーく…みたいィ……。
秋栗舞星
封蝋はシーリングスタンプという名称で最近流行っているし、そういう趣向が一般に普及しつつあるのは興味深いね。様々な時代のエッセンスを現代にも取り入れることでより豊かな環境の構築に繋がるだろう
胡桃沢努
様々な時代……。…たくさん積み重なってェ、…今が出来てる…って、なんか素敵だねェ……。
胡桃沢努
(送り主の名前を探す)
そう、宅配便なのだから、送り主の伝票がついているのだ。伝票を見れば、馬鹿正直に住所と送り主の名前が記載されていた。
『 常夜市月架町 6 丁目 6 番地 6 号 月架教会 B1 有鹿 瞳太郎 』
胡桃沢努
教会、って書いてあるねェ……。
常夜市月架町は、貴方達が住む地域から三駅ほど離れた川の向こうにある場所であった。近くもなく遠くもない距離だと思えるだろう。
胡桃沢努
…夜とか、月とか入ってるしィ……、…ちょっと吸血鬼っぽいかもォ…。
秋栗舞星
イメージとしては、間違っていないね
[図書館]が振れます。
胡桃沢努
CCB<=70 図書館 (1D100<=70) > 79 > 失敗
秋栗舞星
CCB<=50 図書館 (1D100<=50) > 15 > 成功
『月架町(つきかけちょう)』
人口 20 万人ほどの町である。川沿いにある町で、古くから吸血鬼の伝承がある。100 年前に吸血が訪れて今も暮らしている、などと嘯かれている町だ。そんな荒唐無稽な話で町おこしをするほど、それ以外に特徴がないらしい。
現在、町では連続行方不明事件が起きているそうだ。また、ふらふらと徘徊する行方不明者を見た、という情報も出ている。事件に対し、現代のヴァンパイア・ハンターを名乗る女性がコメントしていた。彼女の名前は新木 紅莉栖(にいきくりす)と表記されている。
『この事件は確実に吸血鬼の仕業です、皆さん、決して夜中に理由もなく外出しないように』
......写真のなかの彼女の瞳は、真剣そのものであった。
秋栗舞星
……一先ず、開封してみるかね?
胡桃沢努
ウン…。
開封すれば、そこにあったのは一冊の分厚い本。題字には。
『初心者も安全!吸血鬼らくらくマニュアル!』
......と、書かれていた。
些か頭痛のする題字だ、字体や装丁が古風なぶん違和感が凄まじい。しかもこれ、手書きの本では?
中身を改めれば、膨大な量の吸血鬼に関する知識が綴られていた。これを完全に読み切るのは不可能に近いだろう、読んだ端から忘れかねない。索引がついており、必要な知識だけを収集するほうが効率はいいと言えた。
胡桃沢努
初心者も安全って書いてあるゥ…、…よかったァ……。
貴方が本とにらめっこをしていると、秋栗が思い出したと声を上げる。曰く、封蝋の紋章を見たことがあると。
遡ること一週間前、秋栗は無性に献血が行いたくなった。理由はわからない、とにかく衝動的に、矢も盾もたまらず近くに偶然通りがかった献血バスにふらりと乗り込んだ。その時、封蝋の紋章と同じものを衣服につけた男性が採血の担当をしていたことを思い出した。採血後、微熱と虚脱感に襲われぐっすりと眠ってから今まで、完全に忘れていたそうだ。
よくよく状況を考えれば、その男性以外献血バスにはいなかったし、口調も見た目もおかしかったという。どこか古めかしく、妖艶に言い含めるような声音で血を抜き取ってきたのだ。
胡桃沢努
…すごォく、怪しいねェ…!
秋栗舞星
ああ……、原因として第一候補に挙げられるだろう
胡桃沢努
献血したらァ、お菓子とかもらえるって…聞いたことあるゥ……。…どうだったァ…?
秋栗舞星
け○けつちゃんのタオルを貰ったよ
胡桃沢努
けん〇つちゃん、好きィ……!今度見せてェ…。
秋栗舞星
ああ、確かバスルームの棚に仕舞ったのだったかな……(言いながら浴室に向かいタオルを取ってくる)
秋栗舞星
ほら、気に入ったのならきみが使いたまえ(ピンクのタオルを広げて胡桃沢に渡す)
胡桃沢努
わァ、カワイイ……!
…ありがとォ、…大切にするねェ……!
胡桃沢努
(自身のナップザックに括り付ける)
秋栗舞星
ああ、きみならそうしてくれるだろうさ(満足気に微笑む)
さて、手がかりはまったくない。原因は見えてきたのだが......と考え始めたところで、外から雨音が聞こえた。どうやら降り出したようだ、開けていた窓から雨粒が吹き込む。
胡桃沢努
💦(いそいそと、窓を閉める)
その雨粒に、秋栗は真っ青になって窓から距離を取る。酷く怯えているようだ。
胡桃沢努
……。……水も、嫌ァ…?
秋栗舞星
っ……ああ、非常に恐ろしく感じるんだ
飲料用の水もダメで、風呂や水仕事も一切できない状態だそうだ。同居していれば最近確かに水に触れていなかったと思い出せるだろう。幸い、吸血鬼に代謝は存在しないらしく体は清潔そのもの。匂いは薄く香る薔薇、まるで朝露に濡れた蕾のような芳香だ。......気分はあまり、よくないだろうが。
胡桃沢努
……ケーキ、…作るのも…難しそうだねェ……。
秋栗舞星
全く、傍迷惑にもほどがある……っ。一日触れられなかっただけでも、取り戻すのにどれだけ時間がかかると思っているんだ……(恐怖といら立ちの混じった焦燥感を顔に浮かばせる)
胡桃沢努
………………。(俯く)
胡桃沢努
…………本、見てみるゥ……?(誤魔化すように小さく口を開く)
秋栗舞星
…………ああ、そうだね
吸血鬼マニュアル
分厚い本の内容の一部抜粋である。
この本は、指定した単語、それに類する単語で情報を取得することが可能。
吸血鬼マニュアル
『初心者も安全!吸血鬼らくらくマニュアル!』 著:有鹿 瞳太郎
~序文~
このマニュアルは、新たに訪れし我が血族、同胞に教授すべく作られたものである。右も左も分からぬ新米吸血鬼よ、恐れることはない、私がついている。本書で綴られる『吸血鬼』の知識は、全て『我が血族』にのみ該当することである。血族以外の同胞たちと、多少は重なる特徴があるだろうが、混同するのはオススメしない。吸血鬼とは、全く一定した形を持たぬ存在なのだ。
妙に自信満々な序文である。
胡桃沢努
…本、くれた人が書いたみたいだねェ……。
胡桃沢努
…………献血の人が、この本書いた人なのかなァ…?
秋栗舞星
ではあの人は吸血鬼だったという事か……
胡桃沢努
本当にいるんだァ…。
胡桃沢努
…えっとォ……、…吸血鬼に血を吸われたら、どうなるのかなァ…。…書いてあるかなァ……?
胡桃沢努
(なかった)
胡桃沢努
…初心者でも安全じゃないねェ…。
胡桃沢努
「吸血鬼」
『吸血鬼の食事』
『吸血鬼は、名前の通り血液が主食となる。最も適しているのは美しい処女の生き血だ。しかし、昨今夜も明るく処女の生き血を手に入れるのも困難であろう。特に、新米の吸血鬼ならばなおのこと。ここで私が提示する代替品は『牛乳』である。笑っているかもしれないが、大真面目だ。母乳とは血液が変化したものである、つまり『牛乳』とは牛の血なのだ。トマトジュースなどより、よほど腹を満たすことだろう、成分無調整だとなおよし。
『吸血鬼と水』
『我が血族は水を忌む。特に力を得たばかりの吸血鬼には水は猛毒である。私ほどの存在であれば、聖水に一週間浸されでもしなければ堪えないが。想像したら辛くなってしまった、閑話休題。雨水や聖水にとどまらず、吸血鬼は流水を渡ることが出来ない。所謂河川や海だ、近づくこともままならないだろう。命に関わることなので、ゆめゆめ水には近寄らぬように。どうしても、流水を渡りたい場合は蝙蝠に姿を変えるといい。』
『吸血鬼と超常の力』
『吸血鬼は様々な能力を所有する。我が血族は特に、他者を操る瞳術と、血液を使った魔術が得意だ。瞳をじっと見つめ、優しく囁いてやれば大抵の人間は思うがままだ。しかし、対象の体を傷つけるような命令を聞かせることは難しいだろう。あくまで、我々の瞳術は『心の隙間』にこっそり割り込むようなものなのだ。血液を使った魔術は、無機物のコントロールに向いている。自身の血液を塗りつけた物体を自在に操ることが出来るのだ。精密なコントロールには、長いときと訓練を要するだろう。つまり新米には向いていない、が、希望はあるので頑張れ。』
『吸血鬼の弱点』
『これは死活問題である、ので結論から言うと銀の弾丸だ。我が血族は、水を除けばほぼほぼ傷つけられるものがない。銀の武器、或いは魔力が付与された武器はこの体を傷つけるに値するだろう。君も銀器には気をつけるといい。また吸血鬼は『誓い』や『約束』にも縛られる。簡単に約束事をしないように。』
『吸血鬼と人間』
『純正の、私のような吸血鬼と新米くんのような後天的な吸血鬼が存在する。後天性の吸血鬼は、瞬間的には純正の吸血鬼を上回る力を持っている。勿論、君にもあるだろう。但し、長期的な目で見ればその能力の発達は遅い。一長一短である。だが君の時は永い、安心して吸血鬼として生きるといい。瞬間的に力を得る方法は、今回は記載しないでおく。ホイホイ使われても困るからな。』
『吸血鬼と薔薇』
『吸血鬼、ことに我が血族は薔薇を好む。おやつ感覚でむしって食べてしまう。私はあまりやらないが。ある種類においては、薔薇に囲まれた場所には入れない血族もいるようだ。気の毒。入れないと言えば、我々は『招かれていない』施設に入ることができない。言ってしまえば『招かれれば』どこにでも入れる。そういうものなのだ。無論、招くものは『人間』である必要がある。この世は、一応人間の比率が多いからな、多いから偉いというわけでもないが。』
『吸血鬼と恋愛』
『吸血鬼は享楽的だ。愛も恋も、血液の肴程度に気楽に摘む。そう、その程度のものであった、私にとっては。ああ、恋をするのに300年はかかるというのは本当だったのだな。君は愛する人が、恋しい人がいるだろうか?いるなら私に教えてくれ、この心をどうしたらいいのかを。』
『吸血鬼と鏡』
『吸血鬼は鏡に映らない、カメラやビデオなどの記録媒体にも。故に、身だしなみは側仕えのものにさせるように。いや、大変なのだぞ、髪型も衣服の乱れもチェックしようがないのだ。服は鏡に映るのだが......。しかし、昨今のカメラはすごいな、対価を惜しまねばこの私ですらくっきり映る。業革命以後の発展には、ほとほと感心する。人間は勤勉なのが取り柄だな。』
『吸血鬼と吸血衝動』
『これは愛や恋に似ている。いや、それは私の話だった、失敬。単純に吸血衝動とは食欲である、存在を満たす欲と言い換えてもいい。吸血鬼にとって血液は甘美な『存在意義』なのだ。特に好ましい相手の血を飲み干したい衝動は凄まじいだろう。甘く熱い血潮渦巻く恋しいものよ......。』
胡桃沢努
「処女」ってなァに…?
秋栗舞星
処女とは、性交渉が未経験の女性を指すことが多いね
胡桃沢努
…せいこうしょうは、えっとォ……赤ちゃん作るやつだっけェ……。
秋栗舞星
ああ、人間は愛情の確認などとほざきながら快楽を得る為にセックスを行うこともあるが、生物が子孫を残す為の行為だ
胡桃沢努
(ちょっとむずかしい)
胡桃沢努
…あ!牛乳、飲めるってェ……。よかったァ……。
胡桃沢努
…シチューとかなら、食べられるかなァ…?
秋栗舞星
牛乳は冷蔵庫にあるから、飲んでみようかな
秋栗舞星
シチューか……具材を抜いて、クリームスープのような状態にすれば可能だろうか……(考え込みながら牛乳をコップに注ぐ)
胡桃沢努
…川も、渡れないんだァ……。…住所に書いてあった、教会?に行くにはァ…………。
胡桃沢努
……え…!…コウモリ、なれるのォ…?(期待に満ちた眼差しで秋栗を見つめる)
秋栗舞星
蝙蝠……えっと、以前跳ねる水に驚いて身体が変化したことがあるから、可能ではあるのだけれど……
胡桃沢努
……なるの、嫌…?
秋栗舞星
いや、……では少しの間、他所を見ていて貰えないだろうか
胡桃沢努
(ぎゅっと目を瞑り顔を手で覆う)
秋栗舞星
ありがとう
秋栗舞星
…………待たせたね(蝙蝠に姿を変えると、小さく羽ばたいて胡桃沢の肩に乗る)
胡桃沢努
……!!カワイイ……!!(愛おしそうに頭を撫でる)
秋栗舞星
や、やめたまえよ……擽ったい……!(身体を捩る)
胡桃沢努
あ、ごめんねェ……💦
胡桃沢努
でも、これならァ…月架町まで行けるねェ…。
……この蝙蝠は秋栗なのだと、貴方は認識する。SANc0/1
胡桃沢努
CCB<=66 SANc (1D100<=66) > 50 > 成功
秋栗舞星
ああ、そうだね。……ノワくん、今夜は一晩起きて朝に眠るのはどうだろうか
胡桃沢努
……夜の方が、起きてるの…楽に感じるゥ…?
秋栗舞星
それもあるのだがね、今日は時刻はさして遅くはないが、この雨ではまずぼくが外に出ることはかなわないだろう。それに加え日光の下での行動も不可能となれば、記載された場所に向かうには翌日の夜になるのを待つしかない。幸い、天気予報は明日の天気を晴れだと告げている。きみを付き合わせてしまうのは忍びないが、……どうだろうか?
胡桃沢努
ウン…!オレもそれがいいと思うゥ……。
…行方不明事件、だけ…ちょっと怖いけどォ……。
秋栗舞星
すまないね、きみを危険に晒したくはなかったのだけれど……
ある意味茶番タイム。
翌日の夜明けまで探索者たちは自由時間となる。夜中に遊ぶのだ。外には出られないけど。
胡桃沢努
……牛乳以外に、…薔薇も食べられるんだァ…。
秋栗舞星
生花は食べたことがないな……
夜も長い、となれば腹も空く。すると秋栗は食事を作ろうと言ってくる。
秋栗舞星
ノワくん、きみもお腹がすいたろう。ぼくが振る舞おう。水には触れられないからきみに手を貸してもらいたいのだが、どうかね?
胡桃沢努
まほろも大変なのに、…ありがとォ……。
ウン…!一緒に作るゥ…!
秋栗舞星
ありがとう。きみに、作ってあげたいんだ
手伝うなら、水に触れられない以外は素晴らしい手際の良さで、秋栗は食事を作る。
秋栗舞星
手伝ってくれてありがとうノワくん。ぼくは牛乳をいただくから、ノワくんが召し上がりたまえ
胡桃沢努
…こちらこそ、ありがとォ…!
……最近…、一緒にご飯…食べられてなかったからァ……、…オレ嬉しィ…。
胡桃沢努
…あ!……ねェ、…牛乳寒天ゼリーにィ…、冷蔵庫のエディブルフラワーのせたら…、ケーキみたいにならないかなァ…?
秋栗舞星
それは素晴らしいアイデアだ、早速試してみようではないか!
胡桃沢努
(できた)
胡桃沢努
カワイく出来たァ…!
秋栗舞星
美しいスイーツだ。身体が変わってもやはりきみのアイデアはぼくを高揚させるよ
胡桃沢努
嬉しィ……。…早く、またいつもみたいに…色んなケーキ、一緒に作れるようになりたいなァ…。
胡桃沢努
…いつもみたいに……。(眉を下げ、自身の言葉を口の中で転がす)
秋栗舞星
そうだね、早くこの異常を正さないと
胡桃沢努
……お腹、すいたしィ……もう食べようかァ…。
…いただきまァす……。
秋栗舞星
ああ、しっかり食べたまえ(グラスに注いだ牛乳をちびちび飲みながら、食事を摂る胡桃沢を嬉しそうに見つめている)
ちな、食事、だいぶ、美味い。
胡桃沢努
……えへへェ……、…美味しィ……。(満足げに目尻を下げて笑う)
秋栗舞星
良かった。きみが美味しそうに食べてくれると、なんだか胸のすく思いだ。……洗い物をお願いしてしまうけれど、良いかね?(少し申し訳なさそうに告げる)
胡桃沢努
もちろんだよォ…!ピカピカにするねェ…。
胡桃沢努
……まほろ、今日はいっぱい…嬉しいこと、言ってくれるねェ……。
秋栗舞星
そうかい?きみが笑える一助になれているのであれば、これほど喜ばしいことはないよ
胡桃沢努
……オレも…、…まほろのいちじょになれるように頑張るゥ…。
胡桃沢努
(洗い物した)
秋栗舞星
きみはもう充分ぼくを救っていると思うけれどね……
秋栗舞星
さて、次は何をしようか。今は作品作りは難しそうだから……構想を練るか……それとも、テレビでも見るかい?
胡桃沢努
夜中のテレビって、どんなのやってるのかなァ…?
秋栗舞星
現代は夜中でも色々と見られるようになっているのではないかね?付けてみようか
夜中でも映画やアニメ、ニュースを好きに見られる時代になった恩恵に与る。貴方達はなんでもない娯楽を、音と映像で摂取していた。
ふと、テレビに映るのはラブロマンス映画、しかも吸血鬼の。吸血鬼の女性が聖職者に恋し、堕落させ心を乱すと言った内容のものだ。聖職者は堕落した夢と、規律正しい生活を右往左往して憔悴していった。おしまいでは、吸血鬼の女性が眠る棺桶に聖水を垂らし彼女の体を破壊する。
しかし、彼女は再び聖職者の前に現れて、貴方は私を無くしたことを惜しむだろう。そう言い残して二度と聖職者の前には現れなかった。言葉の通り、聖職者は生涯そこで別れてしまったことを悔やんだ。
……コメントに困る映画を最後まで見終わった、エンドロールのそのとき、室内を揺らす雷鳴と光が炸裂する。一気に弾けた光は、一瞬で世界に暗闇を招いた。
ブレーカーが落ちたのだ、と気づくのには多少時間が必要だった。貴方はろくに世界が見えなくなる。
胡桃沢努
ッ……!(大きな音に咄嗟に耳を押さえうずくまり、身を震わせる)
秋栗舞星
!……大丈夫かい?ノワくん(躊躇なく立ち上がると胡桃沢の正面に座って背中をさする)
胡桃沢努
…………、…ぁ……まほろォ……。…………ありがとォ……、…びっくりしたァ……。(徐々に落ち着きを取り戻すと顔を上げる)
胡桃沢努
……、まっくらだねェ……。
秋栗舞星
ああ……ブレーカーが落ちたのだろう。……今のぼくは夜目が利くから、ノワくんはここで待っていてくれたまえ。すぐに戻るよ
胡桃沢努
……1人じゃ、危なくなァい…?
…………手……、繋いでてもいいなら……オレも行きたいィ……。
秋栗舞星
ふむ…………構わないよ、では一緒に行こうか(胡桃沢の手に冷たい指先を触れさせる)
胡桃沢努
……本当に冷たいねェ……。…寒さは無いィ…?
秋栗舞星
ああ、寒くはないけれど……きみの手が、いつもよりもずっと熱く感じる……
胡桃沢努
…熱いの、嫌ァ…?
秋栗舞星
いいや、そんなことはないさ。ノワくんの手だし
胡桃沢努
よかったァ……。
胡桃沢努
(ブレーカー戻した)
胡桃沢努
……さっきの映画、悲しいお話だったねェ…。
秋栗舞星
……そうだね、人種や身分が愛の障害となるというストーリーはよく見られるが、この作品は結末がいささか特殊なものだと言えるだろうね
胡桃沢努
聖職者サンが、吸血鬼サンのこと好きだって…ちゃんと気づいてたら、悲しい終わりにならなかったのかなァ…?
秋栗舞星
どうだろうね。人はまず気付き、それを認めて初めて自分の感情と向き合えるというものだよ。彼が自らの気持ちを肯定できなければ、ハッピーエンドに辿り着くことは困難だろう
胡桃沢努
…好きなのに、好きを殺しちゃってたかもしれないんだァ……。
秋栗舞星
人間の感情というものは複雑だからね複雑に入り混じったものは、認識しづらくなるのだよ。隠し味が入っていることは分かっても、その正体を掴みあぐねてしまうようにね
胡桃沢努
ふくざつ……。……ウン、…そうだねェ…………。(小さくため息をつく)
秋栗舞星
何も初めから全てを認める必要など無いのさ。ひとつずつ見つけて、少しずつ認めていけばいい。丁寧に抽出されたそれらを合わせれば最後、きっと美しいに違いないのだから
胡桃沢努
…ひとつずつ……、……それなら出来るかもォ……。(秋栗の顔を見て、少しスッキリしたように微笑む)
秋栗舞星
きみ一人が難しければ、ぼくも手伝おう。ぼくらはそうしてやってきたのだからね
胡桃沢努
…ウン…………!……相棒、だもんねェ……!
秋栗舞星
ああ、ぼくらは唯一無二さ
胡桃沢努
………………オレ……、……ずっと…考えてて……不安で、つらいことがあって、…でも…言えなくてェ……。
……でも……、…まほろの身体が戻ったらァ……、…ちゃんと伝えなきゃって……伝えたいって思ったァ……。
秋栗舞星
……うん、そうか…………。それは、辛い時に突き放すようなことをしてすまなかったね。戻ったら聞かせてくれたまえ、ノワくんの話を
胡桃沢努
…………ウウン、大丈夫ゥ……。
…だから……、…今日は………………その…………。
……今日だけ…………、……い…一緒に寝てもいい……?(バツが悪そうに目線を泳がせる)
秋栗舞星
、…………ああ、良いとも。空も明るんできたし、そろそろベッドに向かおうか?
胡桃沢努
ウン……、…あ!オレ…シャワー浴びてくるゥ……。
胡桃沢努
(ジャー)
秋栗舞星
(ギュウニュウゴクゴク)
胡桃沢努
(ブオー)
胡桃沢努
さっぱりしたァ…。(戻ってきた)
秋栗舞星
お帰りノワくん。すまないね、ぼくは入れなくて……
胡桃沢努
ウウン…、…今は身体、汚れないんでしょォ…?
…まほろの匂い、あんまりしないのは…悲しいけどォ……。
秋栗舞星
そうなのだけれど……いや、きみが嫌じゃないのならいいんだ。……早く元に戻る方法を見つけなくてはね
胡桃沢努
ウン…!
秋栗舞星
…………ほら、入りたまえよ(布団に潜り込むと、一人分のスペースを開けて胡桃沢を招く)
胡桃沢努
…ありがとォ……、…お邪魔しまァす……。(もぞもぞ)
吸血鬼の体温は非常に低い。ひんやりとしたそれは死体の温度を想起させた。貴方が触れると、そこが酷く熱いと秋栗は笑う。
拍動は遅く、耳を澄ませなければ聞き取ることが出来ない。暫く触れれば、その部分にだけ熱が移った。貴方の手はわずかに温度が下がっている。熱を奪われたようだ。
胡桃沢努
…………、……ほんとに、音…しないィ……。…不思議だねェ……。(秋栗の胸元に耳をくっつける)
秋栗舞星
ノワくん、寒くないかい?きみ、どんどん冷えていっているんじゃ……(熱が奪われた胡桃沢の手や頬に、溜息を吐く)
胡桃沢努
胡桃沢努
…えへへェ……、…心はあったかいよォ……。
……それに、オレぇ……寒いの苦手じゃないしィ……。
秋栗舞星
そうか、なら良いのだが……
胡桃沢努
胡桃沢努
…………、……あったかく戻ってからも…一緒に寝てもいィ……?
秋栗舞星
……勿論、きみの熱を奪った分、ぼくに返させておくれよ
胡桃沢努
ウン……!…………へへ…、…楽しみィ……。
胡桃沢努
……おやすみなさァい、…まほろォ……。
秋栗舞星
ああ、おやすみノワくん……
貴方はベッドに潜り込む。何はともあれ、睡眠は必要不可欠である。秋栗の異変やらで動転して冴えていた神経も、柔らかなマットレスに沈んでほぐれていく。うとうと、微睡みが体を満たしていく。
[聞き耳]を振ってください。
胡桃沢努
CCB<=70 聞き耳 (1D100<=70) > 22 > 成功
布切れの音がする。秋栗のものだろうか。
眠りのはざまにある貴方のそばに、暗闇が立っている。それは濃い感情を集めた塊だ。真っ黒で、真っ赤で、渦巻いている。冷たいものが血液に流れていく、それが緊張だと貴方は自覚した。SANc1/1d3
胡桃沢努
CCB<=66 SANc (1D100<=66) > 74 > 失敗
胡桃沢努
1d3 (1D3) > 2
system
[ 胡桃沢努 ] SAN : 66 → 64
冷たく熱い感情の塊は、貴方の首筋に凍てつく指を添える。体は金縛りにあったように動かない。息が苦しい。どこにも力を込められていないというのに。
ふいに、体を縛り付ける緊張が解けて、感情の塊が霧散する。貴方が起き上がって、それを見やれば呆然とした顔で秋栗が座り込んでいた。かちり、と秋栗の犬歯が噛み合わずに鳴る。
秋栗舞星
ご、ごめんノワくん…………(ハッとして頭を下げる)
胡桃沢努
…………?…おはよォ、…どうしたのォ……?
秋栗舞星
ぼく、気が付いたら、きみを…………
秋栗舞星
きみの血を、吸おうとしていて……本当にすまない、きみを傷付けようとするなんてどうかしていたよ
胡桃沢努
…………?……血、吸ったらよくないのかなァ……?
…痛いのォ……?
秋栗舞星
多分痛い、し……一度飲んだら、抑えがきかなくなりそうなんだ…………
胡桃沢努
…オレ、まほろがお腹いっぱいになれるならァ……痛くても平気だよォ…。……でも…抑えがきかなくなるのは、ちょっと困るかもォ……。
胡桃沢努
…首にマフラーとか、巻いてた方がいいかなァ…?
秋栗舞星
うん……そうしてくれた方がいいかもしれない…………すまないね
胡桃沢努
あったかくもなるし、良いと思うゥ……!
……牛乳、飲んでても吸いたくなっちゃうんだねェ…。
秋栗舞星
抑えられると思っていたんだが、……迂闊だった
胡桃沢努
…オレも、一緒に寝たいって言っちゃったからァ……。…そんなに悪いって思わないでェ……。
秋栗舞星
ああ……そうだね、ありがとう
胡桃沢努
……まほろ、我慢するのも大変そうだしィ……、…今日はやっぱり…それぞれの布団で寝るゥ…?
秋栗舞星
…………戻ったら、一緒に寝るから(小指を差し出す)
胡桃沢努
やったァ……!…約束ゥ……!
胡桃沢努
(小指を絡める)
秋栗舞星
うん、約束だ(満足そうに指切りをする)
胡桃沢努
(自分の布団ですや)
秋栗舞星
すや
秋栗舞星
おはよう、ノワくん
胡桃沢努
おはよォ…。……起きたのに暗いの、不思議な感じィ…。
秋栗舞星
ぼくはよく徹夜してしまうから……たまに見る光景だよ(苦笑する)
胡桃沢努
たまには…しっかり休んでねェ…。
…今日は、ご飯食べたらァ……月架町、行ってみるゥ…?
秋栗舞星
ああ、心配には及ばないさ。そうしようか、眠くはないかい?途中で起こしてしまったからね
胡桃沢努
ちょっとぽやってするけどォ、平気だよォ…。…動いたら、目ェ覚めると思うしィ……。
秋栗舞星
そうか、では食事にしよう
胡桃沢努
(食べた)
日が落ちた頃合い。昨夜の大雨はすっかり上がって、雲ひとつない満月の夜が広がっていた。扉を開けて、秋栗はそうだと立ち止まる。
秋栗舞星
……すまないが、また他所を向いていてもらえるかね?
胡桃沢努
(ぎゅっ)
秋栗舞星
(コウモリなた)
胡桃沢努
(カワイイ…!)
胡桃沢努
川、渡るもんねェ…。
秋栗舞星
ああ、……やむを得ないからね
月架町は、流水……つまり川を渡らなければ入ることの出来ない地域だ。四方を水に囲まれているわけではないが、貴方達の地域から向かうにはどうしても川を超える必要がある。蝙蝠に変化すれば多少は水に耐性ができるらしいが、それでも恐ろしいらしく貴方から離れることはなかった。
胡桃沢努
…ポケット、入るゥ…?
秋栗舞星
そうさせてもらおうかな、他の乗客が驚くかもしれないからね。きみも、ぼくに話しかけると独り言を言ってるように見られると思うけど……
胡桃沢努
……お話しないの、悲しいからァ……、…こっそり話すゥ……。
秋栗舞星
スマホでも耳に当てていれば、電話していると思われるだろうさ
胡桃沢努
それ、いいかもォ…!まほろ、すごォい……!
秋栗舞星
ノワくんが変質者に絡まれたりするのはよろしくないからね
胡桃沢努
(へんしつしゃ…??)
胡桃沢努
(電車に乗って月架町に着いた)
月架町についた頃には、日が完全に落ちていた。現在時刻は20時、しかし町に人気は少ない。全くいないわけではないのだが、ある程度の規模があるだろう町にしては不自然だった。街灯や、広告、建物の灯りばかりが目立つ。町の主要施設が明記された看板のあたりなどは、ほぼ無人であった。
胡桃沢努
静かだねェ…。…事件あるから、みんな家にいるのかなァ……?
探索箇所
『月架教会跡地』
『月架町立図書館』
『月架総合病院』
『月架町交番』
『月架公園』
『月架小学校』
胡桃沢努
…えっとォ……、…とりあえず教会、行ってみるゥ…?
秋栗舞星
そうだね、送り状にも書いてあった場所だ
『月架教会跡地』
そこは廃教会であった。入り口の扉は半壊してなかが覗いている。屋根の一部も崩れ落ちており、月明かりが錆びた十字架に差し込んでいた。
入ろうとすれば、秋栗が後退する。十字架に怯えているのかと言えば違うとかぶりをふった。
疑問に思うのと、ぴちゃり、と水が跳ねる音を聞くのは同時だった。教会の入り口、室内まで水が足首までを飲み込むくらいに浸水しているのだ。昨日の大雨のせいだろうか。この状態では、水が平気な貴方でも入ることは難しいだろう。
胡桃沢努
胡桃沢努
胡桃沢努
びしょびしょだァ……。
秋栗舞星
これは……今、中を調べるのは得策ではなさそうだね……(冷や汗をかきながら後退る)
胡桃沢努
有鹿サン、大丈夫かなァ…?
秋栗舞星
これほどの水では、どこかに避難しているかもしれないね
胡桃沢努
色んなところ、行ってェ……、探してみるゥ…?
秋栗舞星
ああ、幸いまだ夜は長い。もう少し調べてからでも遅くはないだろう
胡桃沢努
ウン…!
胡桃沢努
図書館、まだやってるかなァ…?
…吸血鬼の本とか…あるかもォ…。
秋栗舞星
まだ暫くは開館しているようだが、早めに行っておくとしようか
『月架町立図書館』
夜間も開かれている珍しい図書館だった。大量の書籍があるが、吸血鬼についての文献が目立つだろう。この町では吸血鬼が信じられているのだ。とはいっても、本気で信じていると言うよりは八百万の神の一柱くらいのノリだろう。非常に都合がいい解釈である。
[図書館]と[目星]でそれぞれ別々の情報が出ます。
胡桃沢努
CCB<=70 図書館 (1D100<=70) > 38 > 成功
『吸血鬼』というストレートな題字の本を見つける。
胡桃沢努
CCB<=83 目星 (1D100<=83) > 4 > 決定的成功/スペシャル
『吸血鬼』
『吸血鬼』 著:新木 紅莉栖

『吸血鬼とは、大量の情報で構成されている。その情報は、矛盾し、全く一貫していない。それは吸血鬼が本当の弱点を隠すためではないかと言われている。
確かに、それも一理ある。だが、しかし、こういった見方もできる。我々人間が千差万別であるように、吸血鬼もそれぞれ全く違うのだと。銀の弾丸で死ぬ吸血鬼もいれば、鉛玉で死ぬ吸血鬼も存在する。
面白いのは後者の吸血鬼だ。このタイプは、文献によると吸血行動でゾンビを増やす。かなり害意のある厄介な種族でもある。何が面白いのか、という話に戻ろう。この種の吸血鬼は、体のなかにある太陽を鉛玉で撃ち抜くことでしか殺せないのだ。体内にある太陽、いや、これが吸血鬼にも備わっているというのが実に面白い。太陽神経叢、自律神経を司る、腹部にある第二の脳と呼ばれる器官だ。その放射状に伸びる組織が、光をはなつ太陽に似ているためにそう呼ばれているらしい。』
以上の内容が貴方には気にかかっただろう。
胡桃沢努
太陽……。
胡桃沢努
まほろは、どっちなのかなァ…?
秋栗舞星
自分ではあまり分からないな、……分からない以上、昨日ノワくんの血を吸わずに済んで本当に良かった…………
胡桃沢努
えっと…ごめんねェ……。…まほろ、頑張ってくれて…ありがとォ…。
秋栗舞星
いや、ぼくこそ安易に了承すべきでは無かった。今後はきみの安全を確保できる状態かどうか確認するようにしよう
胡桃沢努
……、…ちょっと寂しいけどォ……、…オレも頑張るゥ……。
秋栗舞星
すまないね
胡桃沢努
有鹿サン、いなかったねェ……。…交番で聞いたらわかるかなァ…?
秋栗舞星
ああ、確かに……事件と何か関わりがある可能性も捨てきれない、行ってみよう
『月架町交番』
小さな交番で、駐在さんが会話している声が聞こえた。 相手は女性のようだ。 貴方達がその付近を通ると、交番から出てきた一人の女性に声をかけられる。 長いストロベリーブロンドをなびかせる、見目のよい女性であった。
女性
貴方達、よそのひとかしら。こんな時間に出歩いていると危ないわよ、吸血鬼に襲われちゃうわ(大真面目に忠告する)
貴方たちは彼女が新木紅莉栖だと分かる
胡桃沢努
…まほろォ…この人新木サンだねェ…、吸血鬼ハンター?の……(ヒソヒソ)
秋栗舞星
ああ、有鹿……さん?について何か知っているかもしれない(ヒソヒソ)
新木
ああ、ごめんなさい。私は新木 紅莉栖(にいき くりす)、ヴァンパイア・ハンターなの……まあ、信じられないでしょうけどね。兎に角、お家に帰りなさいな、本当に危ないの
胡桃沢努
……あ、あのォ……、
新木
何?
胡桃沢努
……オレたち、…有鹿サン…という人を、探しててェ……
胡桃沢努
…何か、知らないですかァ……?(半分秋栗に身を隠すようにしながらも言葉を発する)
新木
有鹿ね、知っているわ。本当、困った吸血鬼なのよ……ええ、この町に住んでいるわ。普段はあんまり、害のある悪さはしないのだけれど
胡桃沢努
…きょ、教会にィ……、いると思ったんですけどォ……、…………水、たくさんで……いなくてェ……。……どこにいるか、知らないですかァ…
新木
どうして有鹿に会いたいのかしら?
胡桃沢努
……に、荷物…………プレゼント、くれたからァ……。…お礼、したくてェ……。

吸血鬼ハンターである以上事情を全て説明すると秋栗に危害が及ぶ可能性があるので、

なるべく伏せたまま情報を得たい

必要であれば言いくるめを振る
KP
KPは伏せることを推奨しないけど言いくるめは許可できる

推奨しないんだ…

じゃあぶちまけます
胡桃沢努
……ま、まほろが…………、…有鹿サンのせいで吸血鬼になっちゃったからァ…………
胡桃沢努
戻して、ほしいんですゥ…………。
新木
噛まれたの?献血……?ああ、それは確実に有鹿の仕業ね

中学生に優しい世界
新木
それは有鹿を問い詰めなきゃいけないわね。私も協力するわ、一応知り合いが迷惑をかけてしまっているから
新木
今夜の……23 時 30 分頃に教会で落ち合いましょう、あそこが有鹿の家だから。さっき水浸しになっていたって言ってたけど大丈夫よ、時間までには掃除されているはず、有鹿はそういう吸血鬼よ
胡桃沢努
わァ……!…ありがとう、ございまァす……!(ぺこぺこと頭を下げる)
秋栗舞星
ご協力感謝します(胡桃沢に合わせて頭を下げる)
新木
いいのよ。全く、400歳の有鹿よりよっぽど貴方たちの方が分別を知っているわ。爪の垢を煎じて飲ませてやりたい
胡桃沢努
400歳…、…すごォい…!
秋栗舞星
思った通り、長寿なのだね……
新木
……さて、私はそろそろ行くわ。また教会でね
胡桃沢努
はァい…、…お願いしまァす……。(再度頭を下げる)
秋栗舞星
ではまた

あと病院と公園と小学校か

学校は好きこのんでは行かへんな
胡桃沢努
…時間、まだ少しあるねェ……。……どこかで、暇つぶしするゥ…?
秋栗舞星
そうだね、歩き通しで疲れたろう。公園で小休憩としようか
胡桃沢努
ウン……、…何か危なくなったらァ…頑張って逃げようねェ……。
胡桃沢努
(公園きた)
『月架公園』
町の中央に位置する大きな公園だ。ライトアップされた噴水があるが、ここも無人である。遊具やベンチばかりが目立って、夜の公園はどこか不気味だった。秋栗は噴水には近づきたがらない、どころか公園の前で立ち止まる。
胡桃沢努
💦
胡桃沢努
…お水、あるねェ…。💦
秋栗舞星
いや……入れないのだよ。歓迎されていない気配を感じる
胡桃沢努
……あ!…えっとォ……、…招待されてない…のかなァ……?
秋栗舞星
!そういうことかもしれない……すまないが、きみが招いてくれないだろうか?
胡桃沢努
ウン……!
…えっとォ……、…………いらっしゃァい……?(公園の中ほどに立つと、秋栗に向け両手を伸ばす)
秋栗舞星
ああ、では失礼しよう……(ゆっくりと公園に足を踏み入れ、胡桃沢の両手を取る)
胡桃沢努
……なんだか、初めて会った時のことォ…思い出したァ……。…まほろがお茶会、来てくれた時ィ……。(嬉しそうにクスクスと笑う)
秋栗舞星
ふふっ、ぼくも同じ事を思い出していたよ(胡桃沢の笑顔を見て微笑む)
胡桃沢努
まほろもォ…?……ヘヘ、嬉しィ……。
貴方たちが公園に入ると、公衆トイレの方から物音がする。 様子をうかがえば、ずるずると足を引きずったように歩く人間が出てきた。 酔っ払いだろうか、訝しんで観察すれば、すぐにそれが間違いであると気づくだろう。

イチャついてる場合じゃねえ
その体は、水分が失われ干からびていた。うめき声を上げて、周囲を見回していた異様な人間は、貴方をみとめる。上げられた声は、歓喜と興奮の色が濃かった。捕食対象として迫られている、貴方の本能は警鐘を鳴らした。SANc1/1d4+1
胡桃沢努
…………!!
胡桃沢努
CCB<=64 SANc (1D100<=64) > 36 > 成功
system
[ 胡桃沢努 ] SAN : 64 → 63
秋栗舞星
CCB<=43 SANc (1D100<=43) > 48 > 失敗

ア!
秋栗舞星
1d4+1 (1D4+1) > 2[2]+1 > 3
system
[ 秋栗舞星 ] SAN : 43 → 40

ボロボロね
胡桃沢努
…に、逃げなきゃ…危ない、かなァ……?
秋栗舞星
っああ、不味そうだ……!
貴方に害意の腕が伸ばされたとき、既に黒い影が立ちふさがっていた。秋栗だ、秋栗が敵意を顕に干からびた人間を射すくめている。その姿は、まるで漆黒の礼服を纏ったかのように黒い影を形成していた。眠る前に起きた騒動の、感情の塊を想起させる。
貴方が声をかけるよりはやく、秋栗の爪が鋭く満月の下きらめいた。ただ食餌を求める虚ろな化物を、一撃のもとに葬り去る。はずだった。爪の攻撃は確かに届いていた、だが化物は虚ろに吠えている。その腕が秋栗の腕を掴むと、瞬時に手首の先から灰へと変わった。
逃げるべきだ、貴方は直感する。
胡桃沢努
まほろ、駄目…ッ……!!(秋栗の腕を引き走ろうとする)
秋栗舞星
っ……!(弾かれたように戻り、胡桃沢を抱きすくめ飛び上がる)
胡桃沢努
わッ……!?
その手は蝙蝠のように変化し、人気のない月夜へ舞った。貴方達は月夜のもと、逃げるように空を飛ぶ。真横に月があるように、星々と空が近くに思えた。
秋栗舞星
……便利な使い方もできるものだね。…………さっきは、ありがとう(肩を竦めて感謝を述べる)
胡桃沢努
……すごォい…、空…飛んでるゥ……!
胡桃沢努
え……!……オレこそ……、まほろが、守ってくれたァ……。……ありがとォ……。
胡桃沢努
…………手、大丈夫ゥ……?
秋栗舞星
問題ない。ご覧よ、もう元に戻りかけてる。これが制御できるうちはいいけれど……先程のように反射的に戦闘体勢になってしまうことがあるんだ(小さく零す)
胡桃沢努
よかったァ……。…………まほろの手は…オレたちの宝物だからァ…。
胡桃沢努
……こんとろーる、難しいんだねェ…。
秋栗舞星
きみもね。……まだ慣れていないというのもあるのだろうね(苦笑する)

告白ね、

許して
胡桃沢努
……慣れる前に、戻れた方がいいけどォ…。
秋栗舞星
勿論そのつもりさ。ただ戻る前に、また似たような状況にならないか、気がかりでね……
胡桃沢努
…さっきの、行方不明の…ゾンビさん?かなァ……?
……新木サンが、危ないって言ってたの……このことかもォ……。
秋栗舞星
ああ、迂闊に歩き回るのは却って危険かもしれないね
胡桃沢努
…建物の中なら…安全なのかなァ……?
秋栗舞星
一度向かってみようか
胡桃沢努
…入れそうなのは、……あそことォ…………、…あれェ……?(病院と学校を指さす)
秋栗舞星
……どちらがいいかね?
胡桃沢努
……病院の方ゥ……。(緩く秋栗にしがみつく)
秋栗舞星
ああ賛成だ……良い判断だよ(冷たい表情で上半身を胡桃沢に寄せる)
『月架総合病院』
通常の外来、見舞いの時間は終了している。夜間救命センターのみが貴方達には確認できた。とはいっても、二人とも現状病院の世話になるような状態ではない。
『月架総合病院』
そのとき、救急車のサイレン音が聞こえてきた。大急ぎで救急車は病院に収容されていく。
[聞き耳]を振ってください。
胡桃沢努
CCB<=70 聞き耳 (1D100<=70) > 45 > 成功
救急隊員の会話が聞き取れる。

ふむ
救急隊員の会話
「またか……いったいどうなってるんだ?」
「本当に吸血鬼がいるとしか、思えないよな……」
「だよなあ……兎に角さっさと輸血!まだ間に合うかもしれない!」
切迫と困惑が混ざる短い会話であった。

病院終わり
胡桃沢努
……あの人、血ィ…吸われちゃったのかなァ……?
秋栗舞星
……そうかもしれないね。やはり危険な吸血鬼が跋扈しているのか……
胡桃沢努
…病院も、あんまり入れそうにないねェ……。
秋栗舞星
ああ、思いの外忙しそうだ。専門性の高い場に素人が踏み入っては迷惑だろう

メタい質問してもいい?

どうぞ

学校て行く必要ある?行った方がいい?

どっちでもいい、必要では無い
胡桃沢努
…教会の隅っこで、隠れて待ってよォ……。
秋栗舞星
ああ、そうだね。直に約束の時だ(胡桃沢の手を取り、教会へ向かう)

ナチュラルに手繋ぎ始めたぞ‼️

おい‼️

ちょごめんって

そろ自転車乗る

もうでも、まとめてやりたいフェーズなんだよな