【CoCセッション】これは詳細を省くが 結論だけ言うと お前はイヌ


その1

 朝がやってくる。昇る太陽の光が冬空の青に溶け、かすかな輝きが木々の葉の霜を照らしている。小鳥たちのさえずりは、貴方に朝が訪れたことを知らせる様にちゅんちゅんとかわいらしい鳴き声を上げている。

 九時頃起床した藤谷あまねは寝惚け眼を擦りながらリビングへ向かう。テーブルには母親の書置きと朝食が用意してあった。貴方は牛乳でも飲もうと冷蔵庫の扉を開ける。しかし、貴方の想像していた光景がその空間には存在していなかった。かろうじて牛乳はあったものの、がらりとした冷蔵庫の中には、ほとんど食材が入っていない。賞味期限の切れた卵、残り少ないみそのパックに生気を失ったしなびた野菜。これでは昼食が作れない。

 

 買い出しに向かわねばなるまい。外に一歩踏み出すと、容赦ない冬の寒さが貴方を襲う。空は晴れ渡っているというのに、空気はこんなにも冷たいのだ。陽の当たる道に踏み出せば、頼りない太陽の光が貴方を包む。それだけでも冷え切った体をかすかに温めてくれる。貴方の足取りは、自然と早まることだろう。

 

塵 目星か聞き耳を振ってください。

竹 目星82で振ります。→88失敗

竹 聞き耳65で振ります。→7成功

 

買い物をするための道の途中、貴方の耳は小さな音を捉えた。それは「くぅん」とか弱そうな小さな動物の鳴き声だった。その先に視線を向けると、近くの茂みが風もないのに不自然に揺れている。何事かと、貴方が茂みの中をのぞいてみると、茂みの中に、隠れるようにして一匹の子犬が力なく倒れていた。それは灰色のポメラニアンだった。怪我をしているのだろうか所々赤い色が毛からにじみ出ており、元はふわふわなのであろう毛並みは泥で汚れてしまいばさばさ、お腹はぺちゃんこ。小さな体は小刻みに震えており、一目見ただけでも弱り切っていることがわかる。

 

「(うちで世話するわけにもいかないし……)」

竹 応急手当30で振ります。→72失敗

 

貴方が治療のために触ろうとすると怯えたように後ずさりする。それでも優しくなでてあげると、ぱたぱたとしっぽを揺らして貴方の指先をなめてくる。ざりざりしてる。砂っぽい。もう少し傷をよく見ようと子犬を抱き抱えようとしたとき、突然周囲の音が止んだことに貴方は気が付く。風の音も木々の葉の音も、小鳥たちのさえずりも、待ちゆく人々の声も朝という世界を作り上げている音のそれら全てが、突如として無くなったのだ。あたりを見ているのであれば、音と同じように車はおろか通行人すらいない。そんな無人の光景が広がっていた。

 

塵 アイデアが振れます。

竹 アイデア85で振ります。→87失敗

 

突然の事態に混乱する頭。ただならぬ事態に貴方が息をのむと、貴方の耳は無音の世界から一つの音をひろった。

「……わん」

「…きこえますか…わん」

「…」

「…あの子を…たす、けてあげて…わん…」

そんな、気の抜けるほどかわいらしい声を認識すると貴方は耐え難い眠気に襲われ、そのまま地面に倒れ伏してしまう。薄れゆく意識の中、最後に見たのはかわいらしい子犬の前足だった。

 

 

 

 

貴方は眠っている。眠っている地面が硬い上に冷たい。徐々に自分の体温が奪われていく感覚に貴方はころりと寝返りを打つ。そのように、すやすやと眠っていたのだが、やけに周りが騒がしいように感じる。誰かがこちらに向かっているような音と声がするのだ。もう少し眠っていたいというのに人一倍やかましい声で貴方の意識は覚醒する。

 

「野郎!!!いつまで寝てんだ!とっとと起きねえか!!!」

 

そのようなドスの効いた罵声であなたは叩き起こされる。突然の大きな声に驚いた貴方は目を覚まし、あたりを見回したとき自分が今どこにいるのか貴方には一瞬わからなかった。やけに茂みや建物がでかく感じられる。いや、それどころか自分の視線が低くなったような気がする。先ほどまでの子犬の姿もない。

 

「アニキ!ようやく起きやしたぜコイツ!」

「てめぇどこのシマのもんじゃ!?」

 

そういえば先ほどからあたりがやかましい。貴方が声のする方向に視線を向けると、そこには自分よりも背丈の高い犬が三匹、驚くべきことにその犬たちが「喋っている」。

大きな黒い犬と茶色い犬が二匹、貴方に向けて歯茎をむき出しにしている。それはさながら、親の敵のようにキャベツを食べるコーギーのよう。この三匹にすでに敵意があることは一目瞭然だ。

しかしそんな異常事態にも関わらず、頭はどこか冷静でこの状況を理解しようとしていた。それは犬たちの瞳に反射した自分の姿だ。ころころとした小さな身体に、くりっとしたつぶらな瞳、元はふわふわだったのだろう泥だらけの毛、何よりも愛くるしいこの前足。その姿は先ほどまで自分が助けようとしていた子犬だ。突然子犬の姿になっていること、その他野良犬に囲まれた危機的状況を瞬時に理解した探索者はSANc1/1d3

 

竹 SANチェック→81失敗

竹 1d3振ります。→SAN値2減少

 

 あなたが逃げようと姿勢を低くしたところで、今まで黙っていたボス犬らしき黒い大型犬が口を開いた。

 

「お前…他の奴らとは違う目をしているなぁ…」

「そう、まるで自分を人間とでも思ってる飼い犬の目だ、気にくわねぇ」

「見たところ捨て犬みてぇだが、ガキの頃からすてられるなんざぁ哀れな犬だ」

「お前が今までぬくぬく育ってきた場所(あったかホーム)はもう無ぇ、野生で生きるとはどういうことか、外のルール教えてやるぜ」

「あにき」「やっちまいましょう!」と言いがかりをつけてくる。そして戦闘開始。

 

 

塵 子犬のステータスを決めます。STRを1d6で振ってください。

竹 1d6振ります。→STR 5

塵 CONを1d6+3で振ってください。

竹 1d6+3で振ります。→CON 6+3=9

塵 SIZを1d3+1で振ってください。

竹 1d3+1で振ります。→SIZ 1+1=2

塵 DEXを1d6+3で振ってください。

竹 1d6+3で振ります。→DEX 3+3=6

 

〈戦闘〉

行動順: ボス→下っ端A→下っ端B→藤谷

 

ボスの噛みつき30→失敗

下っ端Aの噛みつき30→成功

藤谷の回避12→16失敗

藤谷のダメージ→1

下っ端Bの噛みつき30→成功

藤谷の回避12→1クリティカル

藤谷の噛みつき30→25成功+回避不可(クリティカル報酬)

下っ端Aのダメージ→2

 

ボスの噛みつき30→失敗

下っ端Aの噛みつき30→失敗

下っ端Bの噛みつき30→成功

藤谷の回避12→28失敗

藤谷のダメージ→2

藤谷の噛みつき30→94失敗

 

ボスの噛みつき30→失敗

下っ端Aの噛みつき30→失敗

下っ端Bの噛みつき30→失敗

藤谷の噛みつき30→失敗

 

ボスの噛みつき30→失敗

下っ端Aの噛みつき30→失敗

下っ端Bの噛みつき30→失敗

藤谷の噛みつき30→失敗

 

ボスの噛みつき30→失敗

下っ端Aの噛みつき30→失敗

下っ端Bの噛みつき30→100ファンブル

塵 下っ端Bは地面にめり込んで耐久が1減りました。

藤谷の噛みつき30→成功

下っ端Aの回避26→失敗

下っ端Aのダメージ→3

ショックロールCON×5=50で振ります。→失敗、下っ端A気絶

藤谷「(ちょっと誇らしげ)」

 

ボスの噛みつき30→成功

藤谷の回避12→32失敗

藤谷のダメージ→4

 

 

犬たちの最後の一撃により、貴方は全身から力の抜ける感覚がする。自身のか弱い足が、ぷるぷると小刻みに震えたかと思った。それは体を支えることはできないと、貴方の体の限界を告げる合図だった。力の抜けた小さな体は、ぺちゃりと地面に倒れ伏してしまう。足先や尻尾を動かすこともできず、ただ視界が薄れていく。ああ、どうしてこんなことになったのだろうか。瞼を開けていることもできなくなった体は静かに眠りにつこうとする。あの犬たちの声が遠のいていくのを聞きながら。

 

塵 聞き耳が振れます。

竹 聞き耳65で振ります。→34成功

 

遠くの方から、犬だけではなく男性の焦ったような声が聞こえ、自身の体が何かに抱き上げられるような感覚がした。

 

 

 

 

体が、何やらフワフワなものに包まれていて、とても暖かい。布団だろうか?低反発クッションがとても気持ちがいい。重たい瞼をゆっくりと開けると、そこはどこか見覚えのある部屋の中だった。先ほどまでのことは夢ではないぞとあなたに聞かせるように狂おしいほど愛らしい子犬の前足、ひいては自分の姿が窓ガラスに映って見える。どうやらここはリビングのようだ。自分の周りを確かめてみると、何やら簡易的なゲージのような柵が少しの空間を作るようにぐるりと建てられており、そのゲージの中の空間に自分と、自分が寝ていたであろうクッションと毛布、水が入っている深皿が置いてあるのがわかる。突然見知らぬところで目を覚ましたことによりSANc0/1

 

竹 SANチェック→45成功

塵 アイデアか目星が振れます。

竹 アイデア85で振ります。→2クリティカル

 

自身の体の怪我が手当されていることに気が付く。貴方が困惑しているとリビングの奥の扉から、誰かが入ってくる。それは狩屋聖人だ。狩屋は貴方が起きているのを見ると安心したように微笑み、「起きたんだ!よかったー!」と頭をなでてくる。状況から察するにどうやら彼が自分をここまで連れてきて、手当をしたということはわかる。

 

竹 SANチェックしてもいいですか

塵 どうぞ

竹 SANチェック→成功

 

藤「くぅん……(狩屋くん……)」

狩「どしたのー?」

 

塵 探索可能場所は リビング/狩屋の自室/キッチン/脱衣所 です。他にもいくつか部屋があるものの、扉が閉められているため入ることはできません。

 

藤「(狩屋くんが拾ってくれたのかな……。助けてもらえたけど、でも、犬だ…………)」

 

●リビング

広々とした空間のリビング。外の光が差し込む大きな窓があるほかに統一された家具が置かれている。床に敷かれたカーペットやふかふかのソファ、大型テレビ、その他どの家具を見てもそこそこの代物だということが伺える。現在貴方はそんなリビングの一角に簡易的なゲージで柵をされた空間にしまわれている。

 

塵 探索可能場所は ゲージ/部屋全体/窓/テレビ です。

 

▼ゲージ

現在貴方が閉じ込められている一種の独房。ふかふかのクッションと毛布で寝かせられていたらしい。水の入っている深皿も置いてある。どこかに調べに行きたい場合、まずはここから出ないといけない。

 

竹 落ち着くためにまず水を飲みます。

 

水は飲める。なんだ?飲んだことのない味だな…うまい!水うめー!!!水サイコー!!SAN値+1

 

藤「(はわわ……)」

狩「そんなに美味しいんだ!よしよし!」

藤「(このまま戻らなくてもいいかもしれないな……)」

藤「(いや、流石にだめだよね……)」

 

出してほしい旨を伝えようと藤谷が柵にガシガシと前足で押す。

 

狩「うん?出たいの?」

 狩屋が柵を開け、リビングに出す。

 

狩「怪我してるんだからあんまはしゃいじゃダメだよー?」

藤「(狩屋くんは優しいな……)」

ぺこりと狩屋に頭を下げる。

狩「え!!(芸ができるってことは飼い犬なのかなぁ)」

 

 

▼部屋全体

塵 目星が振れます。

竹 目星82で振ります。→100ファンブル

 

貴方がきょろきょろと周りを見渡していると狩屋は何かを手に取り近づいてくる。

狩「退屈するかなって思って…これなら遊べると思って買ってきたんだけど、どうかな?」

そう言ってボールを見せてくる。

 

貴方はそのボールを見ていると、「このボール…憎いわん…」と思う。腹の底から湧き上がるこの球体に対する憎悪と嫌悪と怒りと本能から、かわいらしい顔は徐々に怒りをあらわにした表情となり、自然と歯茎はむき出しになってしまうことだろう。このボールをどうにかしないといけないと思う。具体的に言うと鋭角が欲しい。しばらく(1d3+1ターン分)ボール遊びをすることになる。

 

竹 1d3+1で振ります。→2+1ターンボール遊びをした。

遊び終えると虚無になってしまうのと自分の体はどうなってしまったのかと賢者タイムに走ることになる。SANc0/1

竹 SANチェック→成功

 

狩「そんなに楽しかったんだ!」

藤「(狩屋くんが嬉しそうならいっか)」

 

竹 今部屋の鋭角にときめいたりしますか?

塵 ちょっとキュンってするかも

 

藤「(角、好き……)」

藤「(外の様子はどうなんだろうか。ぼくが、こうなった時とあまり変わらないのだろうか……。今は何時なのだろうか……)」

 思案しながら窓を眺める。

 

▼窓

少し見上げる程度の高さに窓がある。窓の外を見たい場合は窓の近くにソファがあるため、これに登れる。登る場合は【登攀】+20で登れる。子犬だから。成功すると登れる。失敗するところころと転げ落ちてしまうが、見かねた狩屋が乗せてくれる。

竹 登攀60で振ります。→27成功

短い手足を慌ただしくばたつかせ、何とかソファの上に登ると見慣れた街並みが広がっている。どうやらここは貴方の住む街の住宅街であることが分かる。

 

藤「(別世界ではないな……)」

 

竹 現在時刻は推定できますか?

塵 お昼頃です

 

藤「(母さんにおつかい頼まれてたのに、ほっぽって来ちゃった……。早く、戻らなきゃ……)」