【CoCセッション】手足失くして愛限り無し


その1

足が痛い。燃えるように痛い、それなのに体の温度はどんどんと下がっていく。

 

目を開こうとして、何かが目にかかったまま乾いていたのだろうか、すぐに開くことが出来ず、何か乾いたものを無理やり剥がすようにして、瞼を開けた。

 

目を見開いたときに入るのは前面に映る赤の色。

 

立ち上がろうとして気づく。自分の身体を支えようとして、気が付く。

支えるはずの腕が、後ろ手に縛られている。

 

 

顔に影がかかって、そっと顔を上げた。

そこには、心配そうな顔を向ける斎場和明の姿。斎場はあなたの傍により、目の前で顔を覗き込んでくる。

 

 

【斎場和明】

…………起きたか、要。……おはよう。

 

微笑みながらあなたにそう呼びかける。

 

【死望要】

い”……っ?……ぁ、カズ…さん……(痛みに顔を歪めながら目を開けると斎場を見つけ、少し緊張を緩める)

 

【斎場和明】

……うん、意識ははっきりしてるな。じゃあ……大丈夫そうだな…。

 

 

 

【斎場和明】

…要、今日も……俺と一緒にここにいよう。…危なくないように……

 

目の前の斎場はそっとあなたの足を撫でる。

 

そして、深刻そうな顔でゴクリと唾を飲みこんでから、後ろ手に隠していた肉切り包丁を、あなたの太ももに迷いなく差し込んだ。

 

【死望要】

あの、カズさん……?危ないって、何が……ひっ、や…め……あ”ア”アああああ”ッッ!

 

【死望要】

(斎場の様子に不安を抱き、おずおずと疑問を投げようとするが、凶器が目に入るとその目に怯えを滲ませ、脚に包丁が突き立てられると目を見開いて絶叫した)

 

あなたの足を激痛が襲う。にも拘わらず、斎場は包丁を引くどころか押し進めてくる。

 

足が痛い、痛い、燃えるように痛い。いったいなんだ? これは? 親しい人物の奇行と、自身の体を襲うひどい痛みに、SAN値チェック1d2/1d2+1

 

【死望要】

SAN:【1d100】を振りました。結果は「66」成功です。(成功値76以下)(各ダイス目:66)

 

【死望要】

【1d2】を振りました。結果は「2」です。(各ダイス目:2)

 

《CON*5》

 

【死望要】

CON:【1d100】を振りました。結果は「95」失敗です。(成功値50以下)(各ダイス目:95)

シークレットダイス【1d100】を振りました。結果は「7」失敗です。(成功値70以上)(各ダイス目:7)

 

HPダメージ-1d4+1

シークレットダイス【1d4】を振りました。結果は「2」です。(各ダイス目:2)

 

斎場は困ったような笑顔を浮かべながら、そのまま包丁を押し当て続け、あなたの顔を覗き込む。

 

【死望要】

ひッ……ぃい”ったいっ……!かずさ、ごめ…なさっ、や”めて、くださ……ッ!(覗き込んできた斎場に怯えながらも、涙を流しながら訴えかける)

 

【斎場和明】

…ごめんな、要……痛いよな。…でも、動くと綺麗にできないから……。

 

 

 

【斎場和明】

……だいぶ、慣れてきてるな…要も……。(ぼそりと呟くように言う)

 

 

切り裂かれた肉の間から、白いものが覗いている。

 

 

 

斎場の動きが止まる。何事かと見やれば、軽くため息を吐き、床に転がっていたのこぎりに手を伸ばした。

 

【死望要】

ひ、う”……ッ!!……ゃ……いやだッ!……かずさんっ、な…んで……っ!(理解できない斎場の行動への恐怖と失血していく感覚に歯をガチガチと鳴らしながら、必死に問いかける)

 

【斎場和明】

…はは……、やっぱり、骨は硬いなあ……。(眉を下げて困ったように笑いながら)

 

【斎場和明】

……ごめんな、今までよりもっと、痛いかもしれないけど…もう少しで終わるから……、頑張ろう、要…。

 

【斎場和明】

…頑丈なのって、苦しいよな……。(目を伏せる)

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「90」失敗です。(成功値80以下)(各ダイス目:90)

シークレットダイス心理学:【1d100】を振りました。結果は「93」失敗です。(成功値45以下)(各ダイス目:93)

 

【死望要】

……ぐ……っお…わるって、なに、が……ぁ”、ぅう”っ……(斎場が恐ろしく感じてしまい顔が見られず、目をぎゅっと瞑って痛みに耐える)

 

深く息を吐き、斎場はあなたの足の上へと乗ってくる。避けた傷口にのこぎりを突き立て、押さえつけたまま何度もずらす。

 

ブチリブチリと嫌な音と感覚が足先から脳へと届く。うるさいくらいの切断音と、心臓の鼓動がどくどくと早鐘のように死の危険を全身に知らせる。

 

斎場の方を見れば、跳ね返る血で頬が濡れるのも気にせず、手振れも起こさずあなたの足へとのこぎりを突き立て続けている。

 

《CON*5》

 

【死望要】

CON:【1d100】を振りました。結果は「43」成功です。(成功値50以下)(各ダイス目:43)

 

HPダメージ-1d3

シークレットダイス【1d100】を振りました。結果は「76」失敗です。(成功値70以下)(各ダイス目:76)

シークレットダイスSAN:【1d100】を振りました。結果は「13」成功です。(成功値52以下)(各ダイス目:13)

シークレットダイス【1d3】を振りました。結果は「3」です。(各ダイス目:3)

 

【死望要】

あ”ッ……う”、……かず…さん”ッ……や”っめ…てぇ”…っ(痛みで気が遠くなりそうになりながらも、必死で制止の声をかける)

 

あなたの呼びかけも虚しく、斎場は傷口を一点に見つめながら、腕に力を込め続ける。ダンッ、と床にのこぎりが当たる鈍い音が響き、あなたは切断が完了したことを理解するだろう。

 

頬にかかった血を拭い取る相手をしばらく呆然と見ていると、切り取った足を大事そうに抱えて、斎場はその場から降りる。

 

どこか嬉しそうにあなたの足を抱きしめたまま、あなたの視線に気が付くとはっと顔を上げる。

 

【斎場和明】

……お疲れ様、よく頑張った…要。(そっと手を伸ばし、頭を撫でる。)

 

【斎場和明】

…意外と時間かかっちゃったな、ごめんな……。

 

そして、場違いなほど明るい声で、唐突にあなたに尋ねる。

 

【斎場和明】

そうだ、夕飯、何食べたい?

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「47」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:47)

 

想像を絶するような痛みであったにもかかわらず、自分は気絶もせずにいる、そんなことに気づく。

 

【死望要】

は”ぁ…………っ!…あっ…ぅ、え…………?(頭へ伸ばされた手に怯えるように身体を大袈裟に跳ねさせるが、いつも通りのぬくもりと投げかけられた質問に困惑した様な声を漏らす)

 

【斎場和明】

ああ…うん、ビックリしたよな……。ごめんな、無神経だったな…。(はっとしたように撫でていた手を引っ込める)

 

【死望要】

あ…、お俺もっ…………ご、ごめん…なさい……(斎場の言葉に思わず自分からも謝罪してしまう)

 

【斎場和明】

ふふっ……、要が謝る必要はないよ。(心底おかしそうに吹き出し、少しからかうように笑う)

 

【死望要】

え、あっ……は、い……へ、へっ…………(先程と打って変わっていつも通りの様子に見える斎場に戸惑いながら、頬を引き攣らせながら渇いた笑いを零す)

 

部屋全体を見渡すと、6畳程度の広さの、部屋────と言ってもそこはプレハブの小屋のようなところで、隙間からは地味に光が差し込んでいることに気が付く。

 

 

部屋には【ベッド】が一つと、壁際に【本棚】、足元に転がった無数の鋸や鋏。

 

 

廊下の先には、【大きな金属製の扉】があるにはあるが、ココからちょうど反対の方向にあり、向こう側までは、這っていかなければならないだろうということがわかる。

 

【斎場和明】

……それにしても、要と……こうして喋れるなんて久しぶりで、嬉しいな…。

 

斎場は笑って、いったん足を置いて傍に戻ってくる。そしてあなたを抱きしめ、愛おしそうに再度頭を撫でて首元にすり寄った。

 

【死望要】

……え、あの……ッあ…ふ、ん……っ!……っそ、な…に……時間…経ってるん、すか……?(上半身へのぬくもりに声が漏れてしまうが、斎場の言葉に疑問を投げかける)

 

【斎場和明】

……うん、一応、な…………。(死望の首元にすり寄ったまま、疑問に答えるのが億劫であるようにはぐらかす)

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「56」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:56)

 

あなたが斎場と最後に会った記憶は、斎場に旅行に誘われ、2人である山のコテージを尋ねようとしたところだ。

 

道中、車に乗って向かっていた気がする。そのあとどうしていたのか、朧気で記憶はない。

 

【死望要】

ひっ、ん……、あ、の……今日、何日ですか…………?(首元にむず痒さを感じつつ、出かけた日付を思い出そうとしながら聞く)

 

【斎場和明】

うーん……何日経ったかな……。

…………ごめんな、あんまり……考えたくないんだ……。

 

【死望要】

そ……そう、ですか……すみません……(斎場の様子から結構経っていそうだなと考えつつ、それ以上の詮索は止める)

 

【斎場和明】

……それにしても、まだ…意識が続いてるんだな…。……そうか…………。

 

死望の頬に手を当て、しばらく思案するように黙り込んだ後、顔を上げコクリと頷く。

まるで、何かを行う前の決心がついたとでも言うように。

 

 

そして、眉を下げて笑いながら一度離れ、その手に鋸を持ち、また再びあなたの前へと立つ。

 

【斎場和明】

……これは悪手、なんだろうな……でも…………。

 

【斎場和明】

…いや、ごめんな、嫌われても…しょうがないよな……。…でもまだ、要を自由にするわけにはいかないんだ…。

 

【斎場和明】

……全部終わったら、好きに罵っていい。…要の気が済むまで、仕返ししてくれて構わない。……だから、今は…ごめんな。

 

【斎場和明】

(自分自身に言い聞かせるように、間髪を入れず呟き続ける)

 

そして彼は、息を吐いてあきらめたようにまた微笑みなおした後、あなたの残された片足の上へと乗りあげる。

 

【死望要】

……え、えと……カズさん……?……ぁ、り、理由っ聞かせてくださいっ、俺でも、何かできるかも……!(斎場の言葉に先ほどの恐怖が蘇り、焦った顔で捲し立てる)

 

【斎場和明】

…………話しても、忘れちゃうだろ。(苦笑いし、目を伏せて呟く。)

 

足の上に斎場の重さを感じる。相手を落とそうと身を捩っても、片足が無くなった身体はうまく動かせず、足の上に乗る斎場はびくりともしなかった。

 

先ほどと同じ絶望が来ると、あなたは理解しながら目を閉じる。ブチリ、ブチリと何かが引き千切られていく感覚と共に、全身が震える。

 

段々と血の気が引いていくその鋸の刃が刺さった肌からは、果汁のように血が噴き出していた。嫌な鉄臭さが鼻をついた。

 

【死望要】

え…ぁ”ああ”ッ!…あ”っぐ、ぅう”うう……!アア”、あア”ああ”ッ!(含みのある物言いに一瞬首を傾げるがすぐに痛みが全てを塗りつぶし、狂ったように叫び続けることしかできなくなる)

 

神経が無理やり切断されているのにもかかわらず、その神経は千切れる瞬間強烈に突き刺すような痛みを超えた感覚をもたらす。

 

切られているのは足だと言うのに、頭が焼き切れてしまうかのように痛かった。刃が突き刺さった足もバーナーで焦がされている最中のように、熱く、痛く、燃えている。

 

あまりの痛みに、足先から燃えているのではないかとすら思う。強く強く瞼を瞑って、痛みに頭を殴られ続けている間も耐えようと、現実を見ないように目を閉じる。

 

段々と強い痛みの感覚に、意識が脳からはじき出される。その瞬間、固く閉じられた瞼を、何か温かいものが触れた。

 

【斎場和明】

…大丈夫だからな…、……おやすみ、要…。

 

斎場の声が聞こえて、そのままあなたは、少しでも痛みを拾うまい、とその薄く残っていた意識すらも飛ばす。

 

あなたは、目を覚ます。

 

 

 

ずきずきと痛む手足を押さえようとして、両腕、両足が亡くなっていることに気が付く。その状態であなたは、壁にもたれかかるような体勢で、毛布に包まれていた。

 

痛みはするが、何とか動くことはできそうだ。辺りを見渡してみても、斎場の姿が無い。

 

グチャリグチャリと、いまだ乾ききっていない血液が跳ねる嫌な音をすぐ近くに聞きながら、あなたは上体を這わせて移動することとなるだろう。

 

今の要の服装→インナーとトランクスだけ履いてる と思ってもろて……

 

完全に根元から切断されてるわけじゃなく、太もも、二の腕のちょっと先の方(膝、肘側)で切られてるやつがいいな

 

【死望要】

っふ……ぅ、ぐ……ッは、ぁ…………(目線だけを動かしながら、つい斎場を探そうとベッドの方へにじり寄る)

 

探索可能場所:自分自身・ベッド・本棚・大きな金属製の扉

 

比較的綺麗なベッド。シーツが替えられたばかりなのか、あまり血の跡などは見受けられない。

 

ただ、気を付けて見てみると、薄らと残った血液の跡がシーツにも見受けられた。洗濯でもしたのだろうか…?

 

【死望要】

目星:【1d100】を振りました。結果は「90」失敗です。(成功値65以下)(各ダイス目:90)

 

ベッドの下に多数の道具が無造作に詰め込まれている。此処にある道具は未使用の物ばかりのようだ。鋸の刃が、光で煌めいている。

 

カズさんはいない

 

【死望要】

ひ…ぃ……、…………っく……ぅ、ふ……っん……(大量の凶器に一瞬怯みつつも、斎場が戻る前に少しでも現状を把握しようと本棚へと這っていく)

 

雑多な本棚。無数のレポートのような書類が片付けられている。

 

あまり丁寧に片付けられているとはいえず、無理やり片づけたかのように、書類同士の隙間に別の書類が詰め込まれているためか、調べるのは骨が折れそうだ。

 

また、本棚の側の床にも、いくつかのノートが無造作に散らばっている。

 

【死望要】

図書館:【1d100】を振りました。結果は「67」成功です。(成功値68以下)(各ダイス目:67)

 

中段に、無造作に突っ込まれている書類が気になる。

 

あなたが床に落ちていたノートを口にくわえ、首を伸ばせば、何度目かの挑戦でなんとか書類にノートが触れ、目の前に落ちてくることだろう。

 

ベショ

 

【死望要】

い”っ…………ぅ”……(軽い痛みに顔をしかめた後、書類に目を落としていく)

 

『OriginalShoggothを生み出す、あるいは溶かすことができる細胞活性促進剤及び細胞質溶解剤についての研究・投与に関する研究が終わった。

この薬の投与目的は、人間をOriginalShoggothに変質させることだ。人間にはないOriginalShoggothの回復力を持たせること、そして細胞を変質させることが薬の効果として挙げられる。

この薬の製造にかかる時間は、一度に服用する分を生成するならば大体120時間前後である。回復効果を薄めて遅効性にすることにした。また、この薬には細胞を変質させるというその特性から、癌腫瘍を生み出すという短所も存在するようだ。そうした効果をなくしてしまう必要がある。いかにして人間に異変に気付かせずに効果を出すかが重要項目だ。

薬を調合し、投薬実験を続けてみた結果、結果が出ない個体もあるものの6割以上の確率でこの細胞形成促進剤を口にした・あるいは血管から注入した人間はOriginalShoggothへと変容した。注射器で注入した場合、拒否反応が強く、一気に変質してしまうケースも存在した。また、大幅な記憶力の低下が引き起こされ、白痴状態になってしまうものも存在する。そのため、日常生活に返すことが出来ず、この副作用を何とかしなければならない。また、この完全に変質し、オリジナルの個体としての自我を失った状態の存在には、その唾液などを主とする体液にこの薬と類似した成分が含まれている。そのため、投与された被検体が逃げ出した際には体液などに触れることなく、確保する必要となる。さながらゾンビ映画よろしく、症状が接触した他者にまで見られる可能性があるからだ。

全体を通して、実験ケースの一割程度が、OriginalShoggothとして変質するのではなく、細胞内に効果が表れ、かなり強い回復力だけを発現させるケースがある。きっかけは不明。投与時の状況や素体の持つこの薬の成分との相性、などが関連すると考えられる。この場合、OriginalShoggothへと変質させるために追加で薬を投与し続けることで、デメリットと共に細胞を定着させることが出来る。

ただ、これだけではなかなか日常的に人間に摂取させることは難しい。病院などで投与すると警察等にすぐに見つかってしまう可能性が高いため、必ず食事を摂るであろう場所を設け、一気に摂取させることでOriginalShoggothを量産することができるだろう。』

 

 

「細胞活性促進剤・細胞質溶解剤についての報告・まとめ」

 

めぼす?

 

【死望要】

目星:【1d100】を振りました。結果は「13」成功です。(成功値65以下)(各ダイス目:13)

 

細胞質溶解剤についての記述は途切れている。続きの紙を探してみても見つからない。また、▼書類に書かれたメモを入手する。

 

▼書類に書かれたメモ:

『「人間の数が増えれば、信仰者の数が増え、古き良き時代を再来させることが出来るだろう。」←?』

 

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「78」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:78)

 

斎場の筆跡であることがわかる。

 

【死望要】

……?……カズさんの字…………ぃ”……っ(驚いた様子で資料から目を離すと、手足の付け根からじくじくとした痛みを感じて自身の身体に目を向ける)

 

切り取られた手足はそのまま、床の隅に転がされている。自分が流した血で毛布は赤く染まってしまっている。

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「96」失敗です。(成功値80以下)(各ダイス目:96)

 

よく生きてるなぁ……と思う。

 

這って移動するのに慣れていないためか、本棚に身体を強くぶつけてしまう。HP-1

 

【死望要】

いたっ……、

 

【死望要】

……ふぅ……っ、は……(痛みを振り払うように頭をぶんぶんと振ると、扉の方へ這い寄っていく)

 

大きく固く閉ざされた、鉄製の扉だ。プレハブ小屋のような簡素なつくりの部屋の中で、扉だけが大きく異質な雰囲気を放っているようにも感じる。

 

中側にも南京錠が付いているが、現在それは外れている様子だ。開こうとしても、外側から固定されているのか、開きそうにない。

 

また、顔を挙げれば、この扉に続く途中の廊下に、また別の扉が見えた。どうやらここにも部屋があったようだ。

 

這いずるあなたの目線の先には、大きな金属製の扉へ向かう血に濡れた足跡が見える。どうやら出入りは此処からしているらしい。

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「3」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:3)

 

【死望要】

聞き耳:【1d100】を振りました。結果は「42」成功です。(成功値65以下)(各ダイス目:42)

 

扉の前に、大量の血痕が残っている。その上につけられた足跡は、スニーカーのものであるとわかる。それ以外にも一つ、あなたのものではない革靴の足跡が残っていることがわかる。

 

【死望要】

聞き耳:【1d100】を振りました。結果は「65」成功です。(成功値65以下)(各ダイス目:65)

 

外からも、血の臭いがする。

 

外から漏れ聞こえる音はなく、風の音がする。どうやらどこか屋外にある建物の様らしい。

 

【死望要】

(途中の扉をちらりと見てみる)

 

スライド式の扉。わずかに開いている。

 

【死望要】

……?(中の様子が見られないかと扉のすき間に近づく)

 

中は比較的綺麗で、血の跡は少ない。丸机や棚が置かれている。

 

詳細は入って近づいてみないと分からなそうだ。

 

【死望要】

……ん……、ふん…………(鼻先や頭を使って引き戸を開けようとする)

 

鼻先や頭を使って力を込めれば、なんとか扉を開けることが出来る。

 

地面に無数の足跡と共に、【書類】が散らばっているのが見える。紙の束や給湯ポットが置かれた大きな【丸机】、それ以外にはガラクタが乱雑に詰め込まれている【棚】が見える。

 

その大きな棚には救急箱や錠剤らしきものや液体が入った瓶が並んでいる。

 

【死望要】

……ふっ、ぅ…………は、(少し疲れた様子で書類の方にゆっくりと移動する)

 

書類は足元に無数に散らばっている。どうやら棚に置かれていたファイルが落ちて、床へと散らばってしまったらしい。

 

何かの研究レポートと、手書きの文字が書かれているルーズリーフらしきものも何枚か混じっているようだ。

 

概要としては、大まかに把握したところ、何かの調査レポートと、あなたの身体の状態について書かれているようだ。

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「61」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:61)

 

ふと、這いずった先に、気になる文言が目に留まる。何度も読みこんだものなのか、その書類には蛍光マーカーで線が引かれているのがわかった。

 

▼「OriginalShoggothについて」

『OriginalShoggothの組織の塊は、人間の大きな破片のようなものに見える。明るい茶、もしくは褐色、あるいは人間と同じような健康的な肌色の者、毒々しい桃色であり、乳首、へそ、筋肉や骨が付きだしていたり、目などの人間らしい器官が存在したりする。形成途中のそれらの器官を持ったそれらは、体は震えており、規則正しく呼吸している様に伺える。自由自在に触手を伸ばしたり生やしたりと、体の形を変えることができ、それらの形は一定の変化を持たない。

高い知性を保有していることもあり、油断ならない。だが、記憶力は大きく人間よりも劣る。また、自分たちが持つ強い破壊衝動、過食衝動を押さえることが出来ず、その為、人間としての形を何とか保っていたとしてもそれらを衝動により崩してしまうことも多い。

また、彼らで小さな個体を持つものは人間らしい体をもって人間社会に紛れ込むことができる。『某有名な香水メーカーの社長は、実はこうした存在ではないのか』、と言われており、この例の最たるものだと言えよう。長きにわたり黒い噂として存在しており、社交界から消えることはない。』

 

 

読み終われば、人間に擬態する悍ましい化け物がいることを悟り、あなたは血の気が引くだろう。SAN値チェック0/1

 

【死望要】

SAN:【1d100】を振りました。結果は「84」失敗です。(成功値74以下)(各ダイス目:84)

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「21」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:21)

 

あまり、長い間読んでいたような雰囲気ではなく、取り急ぎでざっと調べていたような雰囲気を感じる。調べ始めてから今まで、そう日は経っていなさそうだ。

 

【死望要】

……、はぁ…………(小難しい資料を読み終えるとため息をついて棚を見上げる)

 

這いずっている今の状態では、棚の上を見ることが難しそうだ。上部には薬らしきものが多く並んでいることがわかる。

 

一番下には、救急箱やカップラーメンと言った非常食が押し込まれていることがわかる。あなたの荷物なども置かれている。

 

【死望要】

ぁ……!(私物を見つけて少し驚く)

 

【死望要】

目星:【1d100】を振りました。結果は「100」失敗です。(成功値65以下)(各ダイス目:100)

 

私物を確認しようと近づくが、手足のない今の状態では開けることができない。また、傷口から滴った血が私物についてしまう。

 

あなたは、顔を挙げ、棚の上の方を眺める。体勢を変えて、何とか目を凝らせば、薬の入った小瓶が並んでいるのが見えた。

 

その中で一つ、奥の方にある瓶の中に入った何かがびちびちと動いているのが見えた。SAN値チェック0/1

 

なんとか気を取り直し、もう一度棚に目を凝らしてみるが、目に入るのは無数に見知った薬の瓶ばかりであるような気がする。

 

一般的な薬のラベルが貼られているものから、茶色い小瓶に入った白い錠剤、透明な瓶に入った無色の液体など、外観からは中に入っている薬がわからない薬が多い。

 

だが、薬の並ぶ段の端に、棚板からはみ出すように置かれた破り取られた紙きれを発見する。棚を少し揺らせば落ちてきそうだ。

 

【死望要】

(他のものが落ちてこないように揺らしてみる)

 

むいむい

 

落ちてきた

 

ベショ

 

▼「細胞質溶解剤について」

『OriginalShoggothを溶かすことができる細胞質溶解剤についての研究・投与に関する研究について記載していく。

この薬の投与目的は、OriginalShoggothの要素を保持した人間から、この要素を排除することだ。この際、OriginalShoggothの回復力は喪失し、細胞をもとの人間の細胞へと変質させることが薬の効果として挙げられる。

この薬の製造にかかる時間は、一度に服用する分を生成するならば、大体18時間前後である。数には限りがあり、製造にかかるコストは細胞活性促進剤を上回る。これは経口摂取を前提としており、即効性がある。

ただOriginalShoggothが体内に居る人体に摂取させる場合、OriginalShoggothが全身に定着していなければその全体に対して効果を及ばさない。また、OriginalShoggothが定着した場合、宿主の意識ははっきりしているが体の主導権が無意識にOriginalShoggothに奪われているため、薬を摂取させる際に、宿主に抵抗される可能性が高い。

そのため、薬を服用させる際には宿主の身体の抵抗を奪う、もしくは其れに気づかれないよう摂取を行うなどの工夫が必要となる。』

 

 

読み終われば、自分の生命力、そしてこの状況でも動いていることを鑑みると、自分の体の中にこのOriginalShoggothとなるための薬が入っているのでは?と感じてしまう。SAN値チェック1/1d3

 

【死望要】

アイデア:【1d100】を振りました。結果は「72」成功です。(成功値80以下)(各ダイス目:72)

 

【死望要】

SAN:【1d100】を振りました。結果は「91」失敗です。(成功値72以下)(各ダイス目:91)

 

【死望要】

【1d3】を振りました。結果は「2」です。(各ダイス目:2)

 

【死望要】

……うーん…………、ふぅ……っ(文字を読むのに疲れてきたが、丸机の方にも紙束があったのを思い出し、そちらへ向かう)

 

給湯ポットと【一冊の大学ノート】、一本のボールペンが転がっている。卓上時計があり、時刻は夕方を示している。

 

口を用い、中身を開けてみると、見覚えのある文字(斎場の筆跡)が綴られている。

 

2021年XX月XX日

 

とりあえず、思考の整理と心の整理を兼ねて、記録をつける。要はだいぶやられてるみたいで、説明しても説明しても起きるたびに忘れてしまっている。意識が朦朧としてるせいか、あの薬のせいか、それとも…痛みのせいか。

 

ここ最近は説明もしてやれてない。要にとってみれば、今の俺は異常者なんだろうな。…でも、下手に説明して暴れられるのは、やっぱりリスクだ。

 

俺の退院祝いだ、なんて言って要を旅行に誘った。その途中で、俺が運転してた車に何かが…いや、誰かがぶつかってきた。慌てて外に飛び出して、要も血相変えて確認しに来たけど、そのときに…その人に要が噛まれた。それでそのあと、もっとよくないことが起きた気がするけど、俺もぼんやりとしか覚えてない。

 

轢かれたその人は、全身傷だらけなのに嘘みたいにケロッとしてて、全然話が通じなくて、すぐどこかにいってしまった。追いかけようとしたけど、要が首の皮食いちぎられて気絶して、急いでなんとかしようとしてるうちにいなくなってた。とにかく山荘に辿り着けば、応急手当の道具もあるかもしれないと思って車を走らせてたけど、傷はどんどん治っていくし、山荘に到着した辺りで意識も取り戻したけど、要も話が通じなくなってて…。山荘の管理人さんに呼び止められた。

 

それで事情を話して、治るまでここを借りることになった。俺も詳しいことはよくわからないけど、最初に車にぶつかってきた人は管理人さんの知り合いらしい。

 

 

2021年XX月XX日

 

昨日は書きかけで寝落ちした。俺も疲れが溜まってるのかもしれない。

 

でも要は、もっとつらいんだ。

 

ここを借りてからの要の異常で特に気になったのは、肉をやたらと食べたがることと、あとはやっぱり会話が通じないこと。最初は、事故って動揺してるのかとも思ったけど、ずっと治らないからやっぱり違うよなって。見た目は変わらないけど、事故の後に起こった出来事も加味すれば、なんかゾンビみたいだって思って俺もかなり焦った。早く何とかしないとまずそうだし、改めて管理人さんに事情を聴いたら、「OriginalShoggoth」っていうものを人間に戻すための研究成果を見せてくれた。資料を見る限り、まず身体に大きな絶大なダメージをくわえて細胞を活性化させて、そのあとに薬を使う治療法がある、っていうのがわかった。

絶大なダメージ、がどのくらいかわからなくて、最初は左足の小指だけ切った。

 

 

2021年XX月XX日

 

次の日になったら、切ったはずの小指が生えてた。足の小指じゃ足りないんだって思った。

それで……それで、繰り返してたら、こんなことになってしまった。

 

生えてきてよかった、とは思った。今も思ってる。でも、生えてくるたびにまた、会話もできない状態の要に、俺は……。

生える速度がどんどん上がってる気がする。完全に体に定着するのはいつになるんだろう。いつになったら、融解剤を投与できるようになる?

 

あと何回だろう。

 

 

2021年XX月XX日

 

とうとう血の量も大分減った。気絶するまでの時間が長くなってきた。

何度も要を傷つけて、そのたびに要が泣いて、絶望してるのを見て……でも、それでも、要の苦しみに比べたら、俺なんか。

 

あともう少し、でも、本当にこれでいいのか?

 

 

また、斎場がやっている行為が自分のためであることを知り、自分はやはり体内に化け物を飼っているのでは?ということに気が付いてしまい、戦慄する。SAN値チェック1/1d4

 

【死望要】

SAN:【1d100】を振りました。結果は「46」成功です。(成功値70以下)(各ダイス目:46)

 

あなたがそうして調べていると、ガラン、と何かが外れる音がして、外の扉が開く音がした。斎場の少し驚いたような耳慣れた声がして、あなたははっとする。

 

どうやら戻ってきたらしい。あなたがその場でいると、斎場がすぐに姿を現した。