【CoCセッション】思牙にも懸ける


その3(後日談)


~数日後~
胡桃沢努
…………。…まほろォ……、……あのォ……
胡桃沢努
…………今日、夜ゥ……。…話したいィ…、……大事な話ィ……。
秋栗舞星
ああ、そうか。……良いとも、話したまえ
胡桃沢努
ウン……。…いきなりだと、…びっくりさせちゃうと思ったからァ……。
胡桃沢努
…時間、作ってくれてありがとォ……。
秋栗舞星
構わないさ、きみが言うのであれば、ぼくらに必要な話なのだろう?
胡桃沢努
……まほろにとっては……必要ない話かもォ……。…………それでもいいィ……?
秋栗舞星
…………いいよ、きみの話なら聞きたい
胡桃沢努
……ありがとォ……。…じゃァ、夜ねェ……。

~夜~
秋栗舞星
……ではそろそろ聞こうじゃないか、きみの話(二人分のホットミルクをテーブルにおいて席に着く)
胡桃沢努
…あ、ウン……。
……あのねェ……、
胡桃沢努
……まほろは……、……Caraξel Eldritcψは…いつまで続けられると思うゥ……?
秋栗舞星
いつまで、か…………難しい質問だ。だがぼくらが僕らとしてあり続ける限りはCaraξel Eldritcψは存在し続けると、そう思うのが自然ではないかね?
秋栗舞星
それとも、きみには見えるのかい?…………Caraξel Eldritcψの終着が
胡桃沢努
…………。…………、…最近……、…前よりも…オーダーが減ってるって……オレは感じるゥ……。……まほろは…感じないィ……?
秋栗舞星
ふむ、確かにそれは数字が示す通り明らかな変化だね、ぼくも気付いてはいたさ
胡桃沢努
…オレは…………、……オレは……数字だけじゃないって……思うゥ……。
秋栗舞星
……どういう意味かね?
胡桃沢努
…………。…………ズレてるんだ、…オレたちィ……。
……オレの感覚とォ……まほろの感覚が、ズレて…………、…それが……オレだけじゃなくてェ……お客サンにも伝わってるからァ……。
胡桃沢努
………………あの時……、…「未来」を作った時からァ……。
秋栗舞星
ずれ……、それは、「未来」は……ぼくらの未来は…………、……きみは?きみは……何を考えている?教えてくれ
胡桃沢努
…………オレの、考え………………
胡桃沢努
…………オレは…………、……オレは……あの作品は…………、…「未来」は……………………不完全だったと、…思うゥ…………。
胡桃沢努
………………「未来」だけじゃなくてェ……、……あれ以来…………。……Caraξel Eldritcψは…、…………魔法を、かけられてないィ……。
胡桃沢努
…………このまま……誰にも魔法を…かけられなくてェ……、…ずっとオーダーが減ったら…………、…オレたちの毎日は…どんな風に変わるゥ…?
……このアトリエは…、……オレたちの場所は…どうなるのォ…?
胡桃沢努
…………Caraξel Eldritcψは……、…………いつまで……続くんだろォ……。
秋栗舞星
…………きみが最も恐れることはなんだ?
胡桃沢努
…………、……最も……(俯き、考え込む)
胡桃沢努
………………まほろと…離れること……、…………ウウン…違うゥ……。
胡桃沢努
…………まほろと離れてェ……、……オレもまほろも…………、…また…昔みたいに、一人ぼっちになることォ……。
秋栗舞星
……ふむ、……では再確認するが、きみの望みはCaraξel Eldritcψを続けて魔法をかけ続けることで相違ないかね?
胡桃沢努
……オレの望み……。
…………オレは……、…まほろのかける魔法が…大好きだったァ…………。……まほろといれば…どこまででもいけるってェ……、…なんでも作れるって……ドキドキして、…キラキラしてたァ……。
胡桃沢努
……だから、きっと…………。…オレの望みは……オレたちにしか作れないもので……、…どこまでもいくことォ……。……オレたちなら…、…なんでも作れるって……信じていられることォ……。
…………だと、思うゥ……。
秋栗舞星
…………今は、そう信じられないと?
胡桃沢努
………………、…………。(目を泳がせるが、小さく頷く)
秋栗舞星
…………そうか。………………それできみは、それでも、きみは……Caraξel Eldritcψとして歩める道を求めているのだね?(瞼を閉じ、短く息を吐くと真っ直ぐ胡桃沢を見つめ尋ねる)
胡桃沢努
…………、……ウン…………。(震える声を振り絞る)
秋栗舞星
……ふむ、……では以上の点を軸に解決策を練ろう。ノワくん、きみから先に述べておきたい事があれば聞いておくが
胡桃沢努
…………ぇ……、…解決策ゥ…………、?(思わぬ返答に目を丸くする)
秋栗舞星
え…………だってきみ、続けたいのだろう?
胡桃沢努
つ、…続けたいィ……、…でも…そうじゃなくて、…そのォ…………、
…………嫌いに…ならないのォ……?…オレのことォ…………。
胡桃沢努
…………まほろを…傷つけたのにィ……。
秋栗舞星
嫌う?何故?きみもぼくも続けたい。しかし障害がある。ただそれだけの事だろう。遅かれ早かれ、表面化していたはずの問題を提示されただけで、どうしてぼくがきみを嫌うのかね
胡桃沢努
…………っ…………、(肩から力が抜け、大粒の涙をぽろぽろと流す)
秋栗舞星
どっ……!?どうしたのかねノワくん、……ほら、落ち着きたまえよ、どうしたというのだ(慌てて立ち上がるとハンカチを差し出す)
胡桃沢努
…ぁ、…う…………、…ごめん……ごめんなさァい…………。(両手でハンカチを受け取り、目に押し付ける)
胡桃沢努
………………まほろが、…………まほろも……続けたいって…思っていてくれたァ……、……オレの話聞いても……。……そしたら…、…嬉しくてェ……。
秋栗舞星
きみと続けたいに、決まっているじゃないか。……謝ることはない。寧ろぼくの方こそ、問題点に気付かず悪かった(落ち着かせるように背中を擦る)
胡桃沢努
…お、…オレもォ……ずっと、言えなかったからァ……、……まほろに嫌われるのもォ……、…傷つけるのも…怖かったァ…………。
胡桃沢努
……でも……、…黙ってたら…………Caraξel Eldritcψが終わっちゃうって…………、…だから……どうすればいいのか…分からなくてェ……。
胡桃沢努
………………ありがとォ…………、……それでも…続けたいって…思ってくれてェ……。
秋栗舞星
きみは、おかしなことを言うのだね。ぼくはもう、一人での飛ぶなんて考えられない。ノワくんと飛ぶ事こそが至高だというのに
胡桃沢努
…………ウン……。……オレ……まほろに信じてほしいって言ったのにィ……、…オレの方が…信じられてなかったァ……。
胡桃沢努
……今度こそ、…ちゃんと信じるよォ……。…オレも…解決策、考えてみるゥ…………。
秋栗舞星
ああ、そうしたまえよ。ぼくも信頼に足る人間であるよう努めるとしよう
~翌朝~
~チュンチュン~
秋栗舞星
ノワくん起きたまえ!今日は忙しくなるぞ、出立の準備をしたまえ!(朝四時)
胡桃沢努
…………んん…………、……ぇ…………?(秋栗の声に身じろぐと、目をこすりぱちぱちと瞬きをする)
胡桃沢努
…………おはよォ、まほろォ……。……しゅったつ、って…なァに……?
秋栗舞星
ぼくらも旅立つときが来たという事さ、さあ行き先はヨーロッパだ!きみはどの国から学びたい?やはり王道のフランスかね?だがオーストリアやベルギーも捨てがたいな……とにかく現地に行かなければ何も始まりはしないのだよ!さあ、起きたまえ!(朝四時)
胡桃沢努
……エ…………!……よーろっぱァ……?…………学ぶ、…………?(事態が飲み込めずぽかんとした様子を見せる)
秋栗舞星
…………ノワくん、ぼくはあの後考えたのだよ。どうすれば、ぼくはぼくでいられるのか、Caraξel Eldritcψでいられるのかを
秋栗舞星
ぼくは新たに学ぶ時だと思ったのだよ。勿論これまでも修練を積んできたとも。しかし、このままではぼくは変われない。そう、変わりたいのだよ
秋栗舞星
そのためにぼくはきみと新天地へ行きたい。きみの隣で変わりたいんだ。…………だめ、かな?
胡桃沢努
…新たに学ぶ……、…………オレの隣でェ…………。…………まほろ、すごォい……!
胡桃沢努
…オレ、思いつかなかったァ…………。……そっか…そっかァ……、…世界は…広いもんねェ……!
胡桃沢努
……オレも…ヨーロッパ、行きたいィ…!……新しいもの、たくさん見てェ……、…オレも変わりたいィ……。
秋栗舞星
秋栗舞星
……!ありがとう、きみと共に変わっていけるのなら、何も恐れることはない
胡桃沢努
…………、(一瞬目を見開くと、くすくすと笑う)
……ヘヘ、…そっかァ……。……オレ、気づいたァ…………。
胡桃沢努
……ケーキ作るの、上手なのが…魔法なんじゃなくてェ…………、
…まほろの魔法は……まほろの「たましい」のかたちのことだったんだァ……。
胡桃沢努
………………オレ、…ヨーロッパで働いてみるゥ……。
……オレたちのアトリエ、留守にしちゃうからァ……。…お金もらってェ…、色んな経験をして……この場所を守りたいィ……。
胡桃沢努
……きっと……すごく難しくて、大変なことだけどォ……。
まほろの隣なら…頑張れるゥ……!
秋栗舞星
…………ああ、そうか。……きみがずっとそうしていてくれたから、ぼくも変わる決意ができたのだね
秋栗舞星
ありがとう、きみに心からの感謝を述べるよ。ぼくも、きみの隣でなら、きっとやり遂げてみせるとも
胡桃沢努
…へへ、……オレ、まほろの役に立てたんだァ…。
……オレも…、…まほろを……Caraξel Eldritcψを信じさせてくれて、ありがとォ……!
秋栗舞星
きみはいつでもぼくの支えだよ。…………っふふ、どういたしまして
秋栗舞星
1d10 知名度 (1D10) > 2
秋栗舞星
5d2 知名度 (5D2) > 7[1,2,1,2,1] > 7
~in パリ=シャルル・ド・ゴール空港~
秋栗舞星
秋栗舞星
流石に大きいな……
胡桃沢努
広ォい……!……なんか、甘い匂いするゥ……!(きょろきょろと辺りを見回す)
秋栗舞星
ノワくん、ここで逸れては困るからあまりぼくから離れないでくれたまえ
胡桃沢努
…………、…手ェ……繋いでもいィ……?
秋栗舞星
ああ、もちろんだとも(胡桃沢の手を握る)
胡桃沢努
(ニコ!)
胡桃沢努
……あ…!……マカロン、カワイイ……!
秋栗舞星
ああ、焼き加減が素晴らしいね
胡桃沢努
全部、食べたくなっちゃうねェ……。
……まほろが習いたいセンセイはァ……、…どの辺りにいるのォ……?
秋栗舞星
ストラスブールにいらっしゃる先生だ。アポをメールで送ったから、今夜はどこかに泊まるとしよう
胡桃沢努
わかったァ…!
秋栗舞星
ノワくんは、今日の内に見ておきたい場所はあるかい?
胡桃沢努
えっとねェ……、…この…青いチョコのお店とォ……、ルーブル美術館と……あと……ドゥードゥーっていう、ぬいぐるみのお店ェ……。(観光マップを指さす)
秋栗舞星
ああ、構わないよ
胡桃沢努
やったァ……!楽しみィ……。
胡桃沢努
(観光した)
秋栗舞星
非常に有意義な時間となったよ、きみのおかげだね
胡桃沢努
チョコ、美味しかったしィ……、…有名な絵、たくさん見れて嬉しかったァ……!…ホテル戻ったらァ、スケッチブック…開かなきゃァ……!(上機嫌に先程買ったぬいぐるみを抱き締める)
秋栗舞星
ああ、どれもが新鮮でたまらない気分だよ。ぼくも帰ったら少しアイデアを練るとしよう(ぬいぐるみと同じ造りのキーホルダーをバッグに付ける)
~次の日~
秋栗舞星
CCB<=62 幸運+知名度 (1D100<=62) > 18 > 成功
秋栗舞星
やったよノワくん!ぼくはここで学ばせてもらえることになったよ!
胡桃沢努
いいよって、言ってもらったんだァ……!
…まほろ、流石だねェ……!
秋栗舞星
君と積み重ねてきたものがあったからさ
胡桃沢努
嬉しィ……。…まほろのセンセイって、どんな人なのォ…?
秋栗舞星
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
秋栗舞星
美阿戸・波羽という名義で日本でも活動をしている方だよ。気になるのであれば、明日一度挨拶に伺うかい?
胡桃沢努
いいのォ…?…まほろが尊敬してる人ならァ…、…会ってみたいかもォ……。
秋栗舞星
では先生にも伝えておこう、明日が楽しみだ
胡桃沢努
ウン…!
~次の日~
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
ああ、きみが胡桃…沢くんだね!会えて嬉しいよ。それにしても、君らはずっとコンビでやってきたのに……離れることに抵抗感は無かったのかい?
秋栗舞星
離れる……ですか?
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
うん。ほら、うちって住み込みだから
胡桃沢努
…………!
秋栗舞星
え…………
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
え、大丈夫?もしかして知らなかった?
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
店の雑用とかもお願いするから、基本は住み込みなんだけど……
秋栗舞星
え、ああ、いえ、問題ありません。少し、ええ……聞き及んでいなかったもので……
胡桃沢努
…………、
……住み込み、すごいねェ…!…ずっと教えてもらえるんだァ……。
胡桃沢努
…オレは、大丈夫ゥ……。…オレたちの…「未来」のためだしィ……。
秋栗舞星
そうか、…………ノワくん。きみと離れても、ぼくの思いはきみと共にある。Caraξel Eldritcを絶やさないために、共に歩もう(小さく息を吐いてから胡桃沢に向き直り、両手でしっかりと手を握る)
胡桃沢努
っ…………(両手のぬくもりに思わず涙ぐむが、首をぶんぶんと振り)
……まほろ、…オレと一緒じゃなくてもォ……、…ちゃんとご飯食べて、よく寝てねェ……。
秋栗舞星
ああ……きみもね。寝食は基本だからね、欠かすことの無いように
胡桃沢努
…ウン……!…ちゃんとするよォ……、…オレもまほろの…かえる場所でありたいからァ……!
秋栗舞星
うん、じゃあ……約束。ぼくらのかえる場所を、Caraξel Eldritcを、愛し続けること(小指を差し出す)
胡桃沢努
…ヘヘ……、…ウン……!…何年かかってもォ、絶対そうする……、…約束ゥ……。(小指を絡める)
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
指切りカワイイね~
秋栗舞星
うん、約束だ。……先生、これからよろしくお願いします(美阿戸に深々と頭を下げる)
胡桃沢努
胡桃沢努
……よろしく、お願いしまァす……!(秋栗に続いて頭を下げる)
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
ああ、よろしく。きみらならきっとまた二人でいい作品を作ってくれるって信じてるよ
胡桃沢努
1d20 (1D20) > 15
美阿戸・波羽(びあど・ぱぱ)
じゃあ来週からここで暮らしてもらうから、必要なものとかはそれまでに運んでおくように。二人の時間を大切にね
~ホテル戻った~
秋栗舞星
…………少し驚いた。いや確かにその方が効率という意味でも良いだろうが……。きみにも急な話になってしまってすまなかった(一息ついてから胡桃沢を振り返り頭を下げる)
胡桃沢努
……オレも、びっくりしたけどォ……。……今まで…ずっとまほろと一緒だったからァ……。
胡桃沢努
…でも、今までが本当に幸せで……特別で、すごいことだったんだァ…って……ちょっとだけ、嬉しくもなったァ……。
秋栗舞星
幸せ…………、そうか。そうだね、ぼくも幸せだった。今もまだ、実感が湧かないんだ。きみと離れること……。鮮やかなまま去来するきみとの日々に、ぼくはきっと毎日のように引かれるのだろうね(輪郭を確かめるように、胡桃沢の顔から肩へと手を滑らせる)
胡桃沢努
……オレも……毎日、寂しいかもォ…………。
…でも……まほろがスマホ、使い方教えてくれたからァ……、…ちゃんと毎日話せるよォ……。(秋栗の手に自分の手を重ねる)
秋栗舞星
ああ、そうだね。触れられずとも、きみを感じられる。物足りなさはあるが、利器と言えるだろう
胡桃沢努
ウン……!……あったかいの、欲しくなったらァ…………、…また会おうねェ……。
秋栗舞星
……うん。先生もたまの休息くらいは許してくれるだろうさ
胡桃沢努
…オレたちのこと、応援してくれたしィ……、…きっと大丈夫ゥ……。
胡桃沢努
…ぁ……、…でも…そのォ……、…………あのねェ……、……離れるまで…今週中は……一緒に寝てもいィ…………?
秋栗舞星
ああ……ぼくも、同じことを考えていたんだ。…………きみの形、きみを象るもの全てを、できるだけ近くに感じて、ぼくの身体に焼付けておきたい
胡桃沢努
まほろもォ……!? ……へへ…嬉しィ…………。
…身体で感じると、…思い出になって……勇気づけてもらえるから、凄いよねェ……。…ケーキと一緒ォ……。(クスクスと笑う)
秋栗舞星
……ふふっ、ああ、そうだね。これからぼくの支えとなるのだから、きちんとぼくに焼付いておくれよ?
胡桃沢努
…やきつく……、…………じゃァ……、……えっとォ…………、…目…瞑っててェ……?
秋栗舞星
ああ、良いとも……(その場で瞼を閉じる)
胡桃沢努
(ぐ、と身を乗り出し軽く口づける)
秋栗舞星
……終わり、かい?(擽ったげに笑うと薄く目を開き、離れる胡桃沢を引き留める)
胡桃沢努
……ぇ…、…えっ…………?(言葉の意図がわからず、混乱した目を向ける)
秋栗舞星
まだ、焼き付いていないよ?(胡桃沢の肩を抱き、口を寄せる)
胡桃沢努
っ………………。(ぎゅっと目を瞑りキスを受け入れ、おずおずと秋栗の背中に手を回す)
秋栗舞星
ん…………、っちゅ…………、うん……まあ、一先ず、このくらいで(何度か唇を食んだ後、顔を離す)
胡桃沢努
……ぁ、…ぅ……うゥ………………、(迷うようにわたわたと身体を動かした後、赤くなった顔を隠すようにぎゅっと秋栗を抱き締める)
秋栗舞星
おっと、……熱烈だね、ノワくん(愛おしそうに笑みを零し、抱き留める)
胡桃沢努
…………ど、…ドキドキしてェ……胸、ぎゅって熱くなって……苦しいのに、嬉しィ……。…不思議ィ…………。(顔は伏せたまま、眉を下げ笑う)
秋栗舞星
興味深いね、ぼくは……そうだな…………ドキドキはぼくも、あとは……思考が蕩けるような心地がして、きみにとても、とても慎重に、いつもよりもずっと柔らかく、触れたくなる(つられて笑い声を漏らす)
胡桃沢努
…まほろは……優しい気持ちに、なるのかなァ……?
……手のひら、柔らかいの……伝わってくるゥ……。(秋栗の肩に軽く頬を擦り付ける)
秋栗舞星
…………ああ、きみを、愛おしいと思うんだ。だから、ぼくの大切なきみが徒に傷付くことの無いように、優しく……しなくてはね?(表面を撫でるように、微かに背中に触れる)
胡桃沢努
……へへ……、…ちょっとだけ…くすぐったァい……。
秋栗舞星
……おや、ではこれは?(触れるか触れないかの距離で首筋に指を滑らせる)
胡桃沢努
、っ…………? ……それも…、……ちょっとくすぐったいィ……?(未知の感覚に不思議そうな表情を浮かべ秋栗の目を見つめる)
秋栗舞星
っふ、はは……っ!……きみは常々僕を掻き立てるのが上手い。……本当に、きみと離れるのが惜しいよ(複雑な表情を浮かべて瞳を合わせる)
胡桃沢努
…………?
……オレ……焼きつくの、出来たァ……?(首を傾げ、目を細めながら尋ねる)
秋栗舞星
ああ、残りはこの後、きみの隣で焼付けるとしよう。…………ありがとう、ぼくを受け入れてくれて(胡桃沢の手を取り、微笑む)
胡桃沢努
…オレも……すっごく焼き付いたァ……。
…………!………………そっかァ……、…まほろも…オレも…おんなじ気持ちだったんだァ……。
胡桃沢努
オレも……ありがとォ、…まほろォ……。(どこかスッキリとした表情で笑う)
秋栗舞星
それは良かった、だが満ち足りてはいないだろう?まだ時間はたっぷりある。残りの6日間、存分にぼくを感じたまえよ
秋栗舞星
きみの作品に、言葉に、その笑顔に、何度も…………なんだか、そう……息を吸いやすくしてもらっていた気がするから
胡桃沢努
…………6日間…オレ……、…ドキドキしすぎて…爆発しちゃうかもォ……。
胡桃沢努
…………まほろに言われて、オレ…分かったんだァ……。
……オレも……、…嫌われるのは苦しいって、…思っていいんだってェ……。…ここにいてもいいって…許してほしいって…思っていいんだァ……。
胡桃沢努
……まほろが許してくれたから…………、…ウウン……望んでくれたからァ……、…オレ、やっと分かったよォ……。
胡桃沢努
……なんだか……オレも変われる気がするゥ……!
秋栗舞星
ノワくん…………、ぼくにはきみが必要だよ。きみにとって、ぼくがそうであるようにね。……ここでの生活が、きみにとっても良いものとなりそうで何よりだ。
胡桃沢努
ウン……!…オレたちの気持ち、通じ合ってて…繋がってるんだねェ……!
……怖くて…不安なのにィ……、…こんなに楽しみなの…初めてェ……。(頬をすり寄せるように上体を近づける)
秋栗舞星
そうだとも。……ああ、きみの傍は心地好い。少しばかり擽ったいがね(頬に口づける)
胡桃沢努
…………、…へへ……(嬉しそうに秋栗の頬にキスを返す)

~6日後、秋栗は美阿戸の元へと旅立ち、15日後には胡桃沢も仕事先を見つけることとなる。二人は晴れやかな気持ちで新生活を迎えるのであった~