【CoCセッション】思牙にも懸ける


その2

23時30分、約束した時間に貴方達は訪れる。紅莉栖の姿は見当たらない。水浸しになっていた教会は、すっかり水が引いていた。室内から男の声が聞こえる。
男性
やーーっと終わった……。全く……最近の天候は可笑しすぎやしないかね、床下床上浸水だよもう。やはりリフォームするべきか……いやでも気に入ってるんだよな月明かり差し込む廃教会……。だがこの調子で豪雨が頻発すると、私の棺が水圧で開かなくなっちまうわけで……
そうっと覗けば、モップがけをしながらぼやいている青年がいた。黒髪をオールバックにし、月明かりを弾く絹のシャツを腕まくりしている。ラフさと高貴さがミックスされた『所帯じみた貴族』という矛盾した表現を浮かばせた。
胡桃沢努
……?…誰かいるねェ……。…新木サンは、まだ来てないのかなァ……?(ひそひそ)
秋栗舞星
ああ、恐らく彼が有鹿という吸血鬼だろう……(ひそひそ)
胡桃沢努
もっとおじさんだと思ってたァ……。
秋栗舞星
それは吸血鬼は長寿、というイメージから来るものだろうね。長寿と聞いた時、人間は自らが組み込まれた理から自然と老人を思い浮かべるものだ。その結果、何百歳の吸血鬼と聞いた時に壮年や老年の吸血鬼を想起するのは仕方のない事さ
有鹿?
ん……?誰かいるな?
有鹿?
なんだ、酔っぱらいか、好奇心で遊びに来た阿呆か?生憎私は忙しいし、ここはきちんと私有地として購入し管理している。何か言われるようなことはないぞ!
胡桃沢努
……バレてそォ……、……このまま自己紹介して、いいのかなァ……?(ひそひそ)
秋栗舞星
…………このままここに居ても不信感を募らせるだけだろう。相手が人間以上の力を持っている以上は、少しでも相手の警戒心を解かねば(一歩踏み出そうとする)
胡桃沢努
…たしかに…、…そうだねェ……。(秋栗の後ろからぴったりついていく)
有鹿
なんだなんだ、今私は掃除中だぞ。新聞の勧誘も、訪問販売もまにあ……ンン!?き、君たちは……なぜここに?まだ招待状は書いてすらいないはずだが……
貴方達の顔を見て、目を丸くしている。
胡桃沢努
……、…ま……まほろのことォ、…戻してほしいんですけどォ……。
有鹿
断る、私は目的があって彼を吸血鬼にしたのだ。それに私の一存で戻せるものではないよ、残念ながら、ね
胡桃沢努
…………なんで……、……なんでそういうことォ……勝手にするのォ……。(泣きそうになりながら振り絞る)
秋栗舞星
きみの言う目的とは何かね?
有鹿
……それについて話すには準備不足だ。準備ができたらきちんと説明するし、招待状も送るぞ
有鹿
もう、君たちと話していると夜が明けてしまう!帰ってくれたまえ……ただでさえ他所からやってきた同胞への対処で私は大忙しなのだ
有鹿はしっしと手で貴方達を追い出そうとする。その時であった、銃声が鳴り響いたのは。
突然の弾丸は、有鹿の額を貫いていく。加害者を確かめるべく、貴方達が振り向けばそこには紅莉栖が立っていた。
紅莉栖
……お待たせ、危なかったわね
教会の床で仰向けに倒れている青年、有鹿。銃を降ろさず微笑む女性、紅莉栖。
胡桃沢努
💦
胡桃沢努
…あ、有鹿サン……、死んじゃったァ……?💦
秋栗舞星
分からない、が……(未だ銃を下ろさない新木に警戒を強める)
新木 紅莉栖
どうしたの、ソレは吸血鬼よ?
有鹿
…………成程、やられたな
踵から重力を一切無視して有鹿が起き上がる。いつの間にか、その身には漆黒の礼服を纏っていた。
有鹿
前言撤回だ、こちらにきなさい(二人を手招く)
新木 紅莉栖
吸血鬼の言うことよ、信じちゃダメ(二人を手招く)
胡桃沢努
…ど、どうしよォ……、…まほろォ……。
秋栗舞星
これは…………
胡桃沢努
(きょろきょろと迷っていたが、そっと秋栗の手を取り新木の方に緩く引く)
秋栗舞星
…………(硬い表情で胡桃沢に頷いて見せる)
紅莉栖の方へ一歩踏み出した途端、紅莉栖は秋栗に発砲する。肩口を疾走った弾丸は、遅れて血しぶきを上げさせた。
紅莉栖
吸血鬼は、退治しなくちゃね?
秋栗舞星
っ……!
胡桃沢努
…え……、
胡桃沢努
……!(咄嗟に秋栗の前に出る)
秋栗舞星
……ッだめだ、逃げたまえノワくん…………!
再び引き金に指がかけられる。互いをかばい合う貴方達への、その追撃を遮ったのは、有鹿であった。
貴方達と有鹿は、新木 紅莉栖と相対する。いや、それは紅莉栖ではなかった。
彼女の後ろには、大量の干からびた人間が立っていた。それらは全てが飢えて、命を渇望していた。亡者を統べる彼女は異質で、その感情のない眼差しはひと目で『外なる存在』だと理解でき
ただろう。
5d10+5 の感染者が教会に集まっている。 (5D10+5) > 25[3,2,9,3,8]+5 > 30
胡桃沢努
……な……なんでェ…………
有鹿
不躾な同胞、いや、そう呼ぶのもおぞましい。……しかし、数が多すぎるな。君たち、頼みがある
静かに言って、有鹿は亡者の群れと戦闘を開始する。声は、心に直接響くものに変わった。
秋栗舞星
脳内に、直接……!?
胡桃沢努
エスパーのやつゥ……!
有鹿
『あの吸血鬼を倒す方法は分かっている。しかし、それができるのは人間で、かつごく僅かな確率だ。可能性を極限まで引き上げるには、君……新米吸血鬼くんに目覚めてもらう必要がある』
鋭い爪や、黒い影は亡者を薙ぎ払うが、まるで傷つく様子はない。その間も、有鹿の体は銀の弾丸に晒される。
『我が血族が真価を発揮する方法、それは愛する者の血を飲むこと。君たちなら可能だろう。祭壇の裏に銃がある、その銃で彼女を……紅莉栖を撃つのだ。詳しいやり方は、力が目覚めれば分かる』
有鹿は貴方達に、こう投げかけるだろう。
『死と私と思が欠けるそのときも、永遠なる愛をと、謳うのだ。思牙にも懸けてみせよ!』
貴方達は、月光差し込む壊れた十字架のもとに立っていた。有鹿の声を合図に、時間は凍結している。周りの喧騒は、貴方達を除いて何もかも動きを止めていた。そう、長くは持たないだろう、とも直感できた。
胡桃沢努
…ぁ……愛する…者ォ……?
秋栗舞星
……そうか。……きみに、任せよう。……何が起こるか分からない、きみを傷つけてしまうかもしれない。だから…………(胡桃沢の目を見つめながら告げる)
胡桃沢努
…エ……!?
胡桃沢努
……………………、……それってェ…………、……でも…………。………………オレで、…いいのォ……?(おずおずと顔を上げ見つめ返す)
秋栗舞星
心外だな。ぼくが愛するものに、きみ以上の存在があると思うのかね?(苦笑して首を傾げる)
胡桃沢努
…………ゎ…………、……ゎ…かったァ…………。……吸って…いいよォ…………。(顔を真っ赤にし、首筋を突き出すようにしてぎゅっと目を瞑る)
秋栗舞星
…………すまない。きみに感謝を(深く息を吐き、ゆっくりと胡桃沢に歩み寄る)
恭しく、貴方にその手は触れる。氷のように冷たく、熱を奪う指だ。ためらいがちに首筋をなぞっていたそれは、貴方の名前を口ずさんで止まる。
返事をしたかしないか、鋭い牙が突き立てられた。燃えるような、凍るような感覚が血液に流れ込む。正確には、血液が飲み下されているのだが。
嚥下するたびに、拍動に合わせて心地よい波が訪れる。痛みはない、抱きすくめられ、唇をついばまれるような心地だ。ぼうっと、意識が遠のく。境界が消え失せていく、2つの命が溶け合う、混ざり合う。崩れそうになった貴方の体を、冷たい手が支える。
多少貧血ではあるが、死を想起する寒気はなかった、何より、まだ相手が冷たいと感じるほどの熱が自分には残っている。
胡桃沢努
…………っ……、…ぅ…………。
秋栗舞星
……良かった。まだ意識はあるね?ノワくん(安心したように微笑み、銃を手渡す)
胡桃沢努
…………、…大丈夫ゥ……。……オレの血、…美味しかったァ……?(銃を受け取りながらへらりと笑う)
秋栗舞星
…………、……ああ、とても美味だった……(口内に残る香りを楽しみながら傷口を眺め頬を緩める)
秋栗舞星
胡桃沢努
…嬉しィ……。
秋栗舞星
マニュアルにあっただろう、血で無機物を操るという話……これで弾丸が操作できるはずだ(自身の牙で親指の腹を裂き、弾丸を血液に浸す)
血は瞬時に鉛の弾丸に溶け込み、赤い弾丸へと変質した。
それと同時に、凍結した時間が解け始める。ゆっくり、ゆっくり現実の時間が迫ってきていた。
胡桃沢努
…オレが撃ってェ……、…まほろが動かすってことォ……?
秋栗舞星
うん、でも、ぼくも一緒に引くよ。二人で片を付けよう(銃を持つ胡桃沢の手の上に自身の掌を重ねる)
胡桃沢努
……ウン……。…ありがとォ……、…まほろと一緒なら……怖くないィ……。
秋栗舞星
ぼくもだよ、きみと一緒なら……
貴方と秋栗は、二人で引き金を引いた。血の螺旋を帯びた弾丸が紅莉栖の腹部を貫く。途端、一気に時間が流出した。悲鳴もなく倒れる紅莉栖と、塵に変わる亡者。
何もかもが一瞬の出来事であった。有鹿は、貴方達を満足げに見やる。
有鹿
やはり、私の目に、間違いはなかったわけだ
有鹿
……しかし、もう、意味はない。迷惑をかけたな。君たちならば……より良い道を、選べるだろう(動かなくなった紅莉栖を抱き上げ、体を引きずり、教会を出ていこうとする)
有鹿
……私も、君たちのようであれたら、よかったなあ(小さく、独り言のように呟いて夜の闇へ消え失せた)
残された教会に、文字が吹き込む。それは床に言葉を刻んだ。
『人間に戻る方法』
『正確に言えば、この儀式は『相手の種族』へ変わるものである。信頼し、愛する相手が放つ銀の弾丸をその心臓に受けるのだ。これは古から続く『約束』で『誓い』である。信頼とは一方的だ、愛とは強引なものだ。それでも、君たちならば。』
胡桃沢努
…………。…有鹿サン、消えちゃったァ……。
胡桃沢努
……あ……、…………もしかして…まほろ、元に戻ったァ……?
秋栗舞星
……いや、まだ吸血鬼の身体のままのようだ
胡桃沢努
💦
胡桃沢努
……この文字の意味は……えっとォ………、
胡桃沢努
…………オレが、まほろを…撃たなきゃいけないのォ……?
秋栗舞星
そういう解釈になるだろうね。……できるかい?
胡桃沢努
…………まほろは……オレを愛してくれたァ……。…それなら…、…できなくても……やらなきゃねェ……。
秋栗舞星
ノワくん……、すまない。きみには、世話をかけてばかりだね(バツが悪そうに視線を逸らす)
胡桃沢努
…………あのねェ……、…さっきは…時間なくて、言えなかったけどォ…………、
胡桃沢努
……オレも、まほろのことォ…………愛してるゥ……。
秋栗舞星
ノワくん…………
秋栗舞星
……なんだか、内側から擽られているような心地だ。無いはずの熱さえも感じる。きみの言葉は、不思議だ…………
胡桃沢努
……オレも……さっき、くすぐったかったァ……。…不思議ィ……。(先程のやり取りを思い出し、くすくすと笑う)
秋栗舞星
……。…………っ、(胡桃沢に顔を寄せ、既の所で一瞬動きを止める)
胡桃沢努
……?(きょとん、とした顔で首を傾げる)
秋栗舞星
…………ごめん、……(目元を揺らがせながらそのまま唇を重ね、すぐに離す)
胡桃沢努
………………、……………ゎ……、…え…………
胡桃沢努
…………ぃ……………今の、って…………、…えっとォ……、…………ちゅー……?
秋栗舞星
……、ぁ……きみを見ていたら、何故だか無性に、口付けたくなって…………
胡桃沢努
…………ぉ、…美味しそうだったァ…………?
秋栗舞星
……味かい!?いや、そういう訳ではなかったのだが……、味は…………ぼくとしたことが失念していた。再度確認してもいいだろうか
胡桃沢努
…い、今は……吸血鬼サンだからァ……、……美味しそうだったのかと思ったァ……。……ぇ、…ウ……ウン…………、…いいよォ……。(秋栗に顔を向けぎゅっと目を瞑る)
秋栗舞星
ぼくも、論理的な説明が思い付かないのだよ……奇妙なことだ。…………では、失礼するよ……(胡桃沢の頬に手を添えて唇を食む)
胡桃沢努
……っ…、…ふ…………、(未知の感覚に秋栗の服の裾を掴む)
秋栗舞星
……、ん…………。そうだな……一言でいえば甘ったるい、しかし口に残らずくどくない。それどころかもう一度味わいたいとさえ思わせる……血液ほどではないが、高揚するような感覚だ(口を離すと消えないうちに感想を述べる)
胡桃沢努
……オレの口、甘いのォ……?……えへへ……いつもケーキ、食べてるからかなァ……。…………なんでだろォ……、…嬉しィ……。
秋栗舞星
より近くにあるものの性質に寄るという話はよくあるからね。きみの甘さはそこ由来なのかもしれない
胡桃沢努
……ぁ……、…でも…吸血鬼サンだから、甘く感じるのかもォ…………。
秋栗舞星
……たしかに、味覚が変化していたのは実証済みだ。であれば、早急に戻って検証せねばなるまい
胡桃沢努
…………そしたらァ……、…銀の弾丸、探さないとだねェ……。(決心がついたように大きく頷く)
秋栗舞星
ああ、急ごう
教会を調べれば、カーネーションの意匠が施された小箱が見つかる。そこにはベルベット生地が敷き詰められ、1発の銀の弾丸が保管されていた。まるで、結婚指輪のように、銀の弾丸は収まっている。
胡桃沢努
…大切にされてたんだねェ……。
秋栗舞星
……彼のもの、だったのかな
胡桃沢努
……撃ってもらえなかったんだァ……。
秋栗舞星
…………彼が残してくれたんだ。ありがたく使わせてもらおうじゃないか
胡桃沢努
ウン……。(そっと弾丸を手に取る)
秋栗舞星
……頼んだよ(少し緊張した面持ちで胡桃沢の前に立つ)
胡桃沢努
…………痛かったら…ごめんねェ……。
秋栗舞星
問題無いさ、きみからの痛みなら
胡桃沢努
……ウン……。(秋栗の言葉に微笑むと、深く息を吸い拳銃を構える)
貴方はしっかりと相手を見据えて引き金を引く。銀の弾丸は、吸い込まれるようにその心臓を射止めた。
流血はない、しかし秋栗は崩折れる。貴方は秋栗に駆け寄るだろう。
その体は死人のように冷たかった。選択を違えたのだろうか、愛と信頼の形は誰にも見えない。不安と焦燥が指先の温度を上げていく。
そうして、貴方の温度が秋栗へ伝っていく。だが、それは奪われる熱ではなかった。
指先は冷えず、徐々に、徐々に…………熱を共有していく。規則正しい拍動が聞こえた。秋栗は、ゆっくりと顔を上げる。
秋栗舞星
困ったな。……久方ぶりに、鼓動が収まらない(左胸に手を当て、気恥ずかしそうに笑う)
胡桃沢努
…………!……まほろ、…あったかくなったァ……!(秋栗の笑顔を見ると安心し、思わず抱き着く)
秋栗舞星
わっ、……突然危ないだろう。今までそんなことはなかったけれど、きみと体温が近しいことに、今は安心感を覚える(胡桃沢を抱き留め、互いの手のひらを合わせる)
胡桃沢努
オレもォ……。……まほろの匂いも、戻ってきてェ…………、…安心するゥ……。(秋栗の胸元に顔を埋める)
秋栗舞星
ぼくの匂い、か……。…………そうだ、味の確認をしなければ。ノワくん、きみもぼくを味わいたまえ。所感を述べ合おうじゃないか
胡桃沢努
ぁ……う、ウン……。…もう一回、ちゅーするゥ……。(赤くなった顔を上げる)
秋栗舞星
…………(ゆっくりと唇を重ねる)
胡桃沢努
(控えめに舌でつつき、味わう)
秋栗舞星
…………どうだった?ぼくは先ほどよりも甘く、香り高く、柔らかく感じた。やはり味覚以外の感覚も変化していたようだ
胡桃沢努
…甘かったァ……。…初めての味で、でもォ……、…前作った、ライムのケーキを思い出したよォ……。
胡桃沢努
……それに……なんだか頭が熱くなって、胸がぎゅーってしたァ……。
秋栗舞星
ふむ、それは…………ぼくの影響だろうか、何らかの後遺症の可能性もあるが…………。……奇妙なことに巻き込まれてきみも疲れたろう。一緒に寝る約束もあることだし、そろそろ帰宅するとしようか
胡桃沢努
ウン、…でも…嫌じゃなくてェ……むしろ、嬉しい感じだよォ……。
……まほろも…お腹空いてるよねェ……。帰ろォ……。
秋栗舞星
……そうか、なら良かった。…………そうだね、空腹感を覚えるのも久しぶりでなんだか変な感覚だ
……貴方達は、無事に日常に帰ってきた。吸血鬼だから、人間だから、そういった話しをすることもあったのかもしれない。それでも、と秋栗は言うだろう。もしかしたら、言ったのは貴方だったかもしれない。
貴方が人間だから、そうじゃないから、好きになったわけではない。貴方が、私が……互いにそれぞれを愛し、信頼したから、好きあったのだと。
胡桃沢努
(シャワった)
秋栗舞星
ノワくん、なんと22分09秒だ!時間感覚はスイーツ作りの要だからね鈍っていないようで何よりだ!(嬉々としてシャワーから上がる)
胡桃沢努
ちょっと久しぶりなのにィ…、まほろすごォい……!
秋栗舞星
明日からまた新たなスイーツをぼく達は作り出していくのだね、胸が弾む思いだ……!(水に触れられる喜びに軽い足取りでベッドに向かう)
胡桃沢努
ウン……!…戻れて、本当によかったァ……!(釣られて笑顔を零し、秋栗についていく)
秋栗舞星
んん…………と、……ノワくん、こちらへ(布団を広げ、胡桃沢を待つ)
胡桃沢努
ありがとォ……、…お邪魔しまァす……。(もぞもぞ)
秋栗舞星
……君は温かい、なんだか今もそう感じるよ。昨晩のような、苛烈なものでは無いけれど
胡桃沢努
…オレ、あったかいィ…?……まほろも…、…表面はちょっとヒンヤリしてるけどォ……、…ぎゅってすると…あったかいの伝わってくるゥ……。……オレ、まほろのあったかいところ…好きィ……。
秋栗舞星
きみがあたたかいと感じているという事は、ぼくはきみに熱を、分けられたのだね。良かった……(穏やかに微笑む)
胡桃沢努
…あったかいのは、いつも…たくさんもらってるよォ……。(ぎゅっ、と秋栗に密着する)
秋栗舞星
そうかい?きみが満たされているのなら、良かった……(眠気の混じった声を出しながら胡桃沢を緩く抱く)
胡桃沢努
……まほろの匂いも好きィ……。…一緒に寝ると、…全部まほろに包まれてるみたいィ……。
…………ありがとォ……、…この感覚があるなら…オレは…………(段々と言葉は緩慢になり、とうとう寝息に変わる)
秋栗舞星
うん……ぼくも、きみが好きだ…………(続きが引っかかるも疲れから眠気に逆らえず瞼を閉じる)
後日、貴方達のもとに荷物が届く。送り主の名前はあったが、住所は懲りたのか記載されていない。有鹿 瞳太郎と書かれた伝票のついた荷物。中には、手紙とDVDが入っていた。
『前略、仲睦まじき二人へ
先日は迷惑をかけてすまなかった、私はなんとか生きている。……紅莉栖も、まあ、その、同胞として……。君たちにはなんのこっちゃ分からんだろうが、礼が言いたくて手紙を送った次第だ。同封したのは、あの騒動の記録動画だ。君たちの思い出としてとっておくといい。心からの謝辞を、そして、もう二度と会うことはないだろうという旨を。どうぞ、お幸せに』
…………貴方達は、DVDをなんとも言えない気持ちで見つめる羽目になった。
この世には、知らないものが潜んでいる。知らない感情、知らない種族、知らない世界。すべて知るのが幸福ではなく、しかし知らずのままでは不幸を招く。これからも、そんな折り合いの連続なのだろう。
ED:A『思牙は愛の境界を越えていく』
報酬
1d5 の正気度回復
AF:『録画済みの DVD』
教会での一部始終が録画されている。上書き保存は不可、しかも壊せない。ちょっと、いやかなり気恥ずかしい。
胡桃沢努
1d5 (1D5) > 5
秋栗舞星
1d5 (1D5) > 2
system
[ 秋栗舞星 ] SAN : 40 → 42
system
[ 胡桃沢努 ] SAN : 63 → 68